3か月で働き方は変えられる? freee創業者・佐々木大輔さん流タイムマネジメント術

働き方をより良く変えたい、唯一無二の強みを手に入れたい、その先に世の中に価値ある“何か”を生み出したい。フリーランスや個人事業主はもちろん、組織の一員として働く人も、みな働き方をアップデートするために試行錯誤しているのではないでしょうか?

中小企業向けの会計ソフト「freee」の創業者・代表取締役CEOであり、「『3か月』の使い方で人生は変わる」の著者の佐々木大輔さんは、「3か月集中して1つのテーマに取り組むことが、もっとも早い成功体験の掴み方」だと話します。

この「3か月」をキーワードに、働き方をより良く変えるためのヒントを佐々木さんに伺いました。

佐々木大輔
freee創業者・代表取締役CEO。1980年、東京生まれ。一橋大学商学部卒業。派遣留学生としてストックホルム経済大学に在籍。在学中からITリサーチ会社にてインターン、契約社員としてリサーチ集計システムや新しいマーケットリサーチ手法を開発。卒業後は博報堂にてマーケティングプランナー業、投資アナリスト等を経て、2008年にGoogleに参画。日本におけるマーケティング戦略立案、Googleマップのパートナーシップ開発や、日本およびアジア・パシフィック地域における中小企業向けのマーケティングの統括を担当。2012年7月freee株式会社を創業し、シェアNo.1クラウド会計ソフト「freee」等を提供。日経ビジネス「2013年日本のイノベーター30人」「2014年日本の主役100人」、Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング」BEST10に2015年、2016年選出。



3か月の没頭で得られるのは「何かが変わる手応え」

かおり:本日はよろしくお願いします。まず、佐々木さんが「3か月というキーワード」を意識された背景を教えてください。

佐々木さん:ふと今までを振り返ったときに、「3か月熱中して取り組んだことが結果につながっていたな」と思ったんですよね。

たとえば、Googleで働いていたときも3か月サイクルを強烈に意識していました。3か月で結果を出せないと突然予算がなくなることも起こり得るスピード感だったので、3か月でやらざるを得ないといった感じでしたが、それがエキサイティングで自分の性に合っていたなと。

かおり:3か月の取り組みで、具体的にどんな変化があったのでしょうか?

佐々木さん:たとえば、大学生時代にインターンとして働いていたベンチャー企業では、3か月間で一からプログラミングを勉強して、新しいシステムを開発しました。会計ソフトfreeeの原型も、3か月で1人でつくったものです。

かおり:freeeの原型を開発していた際は、どんなスケジュールで活動されていたんですか?

佐々木さん:当時はGoogleで働いていたので、朝の出勤前の2時間と、仕事が終わってから深夜まで6〜7時間を開発作業に当てていましたね。

かおり:すごい集中力ですね。

佐々木さん:その3か月で、会計ソフトのアイデアを具体化できたこと、そして「自分1人でもなんとか動くものをつくれるかもしれない」という感触を得ることができたから、今のfreeeが生まれました。

3か月間って、何かが変わる手応えをつかめる最小の単位だと思うんですよね。没頭できれば、たった3か月で新たな道を切り開くことだって不可能じゃない。

3か月のテーマを決めるときに欠かせない「マインド」

かおり:佐々木さんは著書のなかで、「3か月のテーマの決め方」についても触れていましたよね。

佐々木さんやっぱり「ワクワク感」があるテーマじゃないと続かない。これは身をもって実感したことです。そのうえでニッチな領域、かつ世の中の役に立つことならベスト。ごく限られた人しかもっていないような課題や、他の人がやりたがらない分野は穴場と言えるかもしれません。

案外、「3か月間、集中してやりきったら日本一になれるかも!?」と思える分野って潜んでいる気がするんです。そこに自分なりのおもしろさを発見できたら、すごくいいですよね。

かおり:成長した自分や生み出せる価値を想像して、ワクワクできるテーマを見つけるということですね。「働き方を変える」という文脈で考えると、「仕事のスピードを1.5倍にする」など、自分の限界を突破するようなテーマもアリですか?

佐々木さん:もちろんです。ただ、インパクトのある結果を出すなら、1.5倍ではなく2倍にするなど思いきったテーマ設定をすることをオススメします。

熱中した3か月を送るために必要なこと

かおり:3か月で変化を起こすために、必要なポイントについてもお聞きしたいです。どうしたら、3か月間、ずっと熱中して続けられますか?

佐々木さん:まずは、スケジュールにやりたいことを組み込むのが鉄則ですね。「いつまでにやる」というふわっとした目標設定だと達成度が下がるので、「いつやるか」を明確に決めないとダメ。やりたいことはToDoリストじゃなくて、スケジュールに入れる。

さらに、何に時間を使っていたかを定期的に振り返るクセを付けておくといいですよ。何かがうまくいかなかったときって、たいてい時間を十分に使えていないことが原因なので。

かおり:スケジュールどおりに進まない場合は、どうすれば……?

佐々木さんそもそも進められるようなスケジュールを組まないとダメですね。やらないと誰かに迷惑がかかるというプレッシャーをかけると、守れるようになりますよ。

かおり:なるほど。3か月間の具体的な行動計画は、どのように立てるべきでしょうか?

佐々木さん世の中にメソドロジー(体系化された方法論)があるものは、それに従うのが近道でしょう。ただ、ある程度まで突き詰めたら、その先は未知のやり方をひたすら試していくしかない。あと大事なのは良質なインプットかなぁ。

かおり:佐々木さんは、普段どんなインプットをされていますか?

佐々木さん:僕は本を読むのが好きですね。読書には一定の時間が取られるので、下調べをすることで、自分が本当に知りたい情報、内容なのか見極めるなど精査してから読むようにしています。他にも人と会ったり映画を見たり、好きなことでいいと思いますよ。

かおり:もし、途中でツラくなって3か月間続けられなかったときは、テーマを変えてもいいのでしょうか?

佐々木さん:それは嫌いなことなのかもしれませんね。嫌いなことは無理に克服する必要はないので、変えてもいいと思います。ただ、それが価値を生み出せることならば、やり方次第で「嫌い」から「なんとも思わないレベル」までもっていくことはできるんじゃないかな

意味のない時間を「クリエイティブな時間」に変えていく

かおり:タイムマネジメントは、働く誰もが持つ共通の課題だと思います。御社では、何か働き方改革を実行されていますか?

佐々木さん:freeeでは、行動指針の一つに「マジで価値ある」、通称「マジ価値」を採用しています。要は「これって意味あるんだっけ?」と思えるものを、そもそも存在させないということ

電話機を置かない、PCソフトはすべてクラウドにする、契約書は電子化する。これらは、すべてマジ価値の基準に則ったものです。

とはいえ、業務を効率化した結果、会話もなく全員が黙々と仕事をしているかというと、決してそうではないんです。空いた時間でメンバーと合宿や旅行をしたり、社内でイベントをしたり、チームビルディングに時間を注いでいます。

かおり:「コミュニケーションは効率化できない」と、著書にも書かれていましたね。

佐々木さん効率化できることとできないことを見極めたうえで、意味のない時間をなくし、クリエイティブな時間を増やすことに注力しています。

たとえば、フリーランスや個人事業主のみなさんであれば、何も生み出さない事務作業なんかはfreeeのようなITサービスに任せて、やりたいこと、チャレンジしたいことを考える時間、それらを実行する時間をたくさん取れるようにするといいですよね。

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「働き方を変える」。それは言葉で言うほど簡単なことではないけれど、ワクワク感を伴うテーマを定め、まずは3か月走りきってみると、今まで見えなかった景色が見えてくるはず。

「続ける秘訣は、スケジュールを組むこと」。何度も繰り返されていた佐々木さんのこの言葉も印象的でした。

目の前の課題をこなす每日から働き方をアップデートするために、今必要なのは「人生を変える3ヵ月」なのかもしれません。

 



 

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