自分らしい肩書きってなんだろう? Tokyo Work Design week2018 「doの肩書き、beの肩書き」イベントレポ

営業、人事、ライター、Webディレクター……

自分の職種と肩書きがイコールになっている人は多い。

でも、今の自分の仕事上の肩書きは、実際の自分とはちょっと乖離があるかも……そんな風に感じている人もいるのでは?

業務や職種とは別に、自分らしい肩書きはあるんじゃないかという問いに対するヒントを、今回は見つけてみたい。

ということで……本記事では、2018年も開催された働き方の祭典「Tokyo Work Design week(通称TWDW)」より「doの肩書き、beの肩書き~あなたの肩書きを改革する~」のレポートを、2018年12月に『beの肩書き: 「人生の肩書き」は、プレゼントしよう』を発売したばかりの勉強家・兼松佳宏さんの講演を中心にお届けします。

beの肩書きって?

兼松佳宏さん:勉強家の兼松です。今日は、肩書きで遊ぶ時間をみなさんに提供したいと思っています。

▶︎兼松 佳宏 (勉強家/京都精華大学人文学部 特任講師/「スタディホール」研究者)
1979年生まれ。ウェブデザイナーとしてNPO支援に関わりながら、「デザインは世界を変えられる?」をテーマに世界中のデザイナーへのインタビューを連載。その後、ソーシャルデザインのためのヒントを発信するウェブマガジン「greenz.jp」の立ち上げに関わり、10年から15年まで編集長。 2016年、フリーランスの勉強家として独立し、著述家、京都精華大学人文学部特任講師、ひとりで/みんなで勉強する【co-study】のための空間づくりの手法「スタディホール」研究者として、教育分野を中心に活動中。 著書に『ソーシャルデザイン』、『日本をソーシャルデザインする』、連載に「空海とソーシャルデザイン」「学び方のレシピ」など。秋田県出身、京都府在住。一児の父。 http://studyhall.jp

僕はもともとはgreenz.jpというウェブマガジンの編集長をしていました。greenz.jpは社会的な問題をクリエイティブに解決するためのアイデアを紹介する、ソーシャルデザインをテーマとするメディアです。そこで3000以上の事例を見てきた中で、導き出されたソーシャルデザインの公式が「本来の自分」×「ほしい未来」×「FUN!」でした。

とはいっても、「本来の自分」って何でしょうか?  それを考えていくときにヒントとなるのが、「どんな仕事をしているのか」という「doの肩書き」と「そもそもどんな人なのか」という「beの肩書き」と、肩書きを2つに分けてみることでした。このことに気づいたのは、とある僕自身の体験がきっかけです。

バスに乗っていたときに、お客さんを笑わせるのが得意なコメディアンのような運転手と出会ったんです。すると同じように、人をそっと癒してくれるならセラピストのような運転手、運転のひとつひとつにこだわる職人肌の運転手がいることに気づいた。目的地まで乗せてくれるのはどの運転手も同じですが、ひとりの人としてのあり方は当たり前ですが違うわけです。

そのとき、いろんな仕事の下にあるbeの肩書きをもっと知りたいと思ったんです。

なぜこんな肩書きに注目するようになったかというと、僕自身が、20代の頃に肩書きにすごく悩んだからなんですよね。

それこそ肩書きをとっかえひっかえ、30歳になった途端真っ白になってしまいました(笑)。そのとき、友人が「兼松くんって勉強家だよね」って言ってくれて。それまでいろいろ勉強しては中途半端な自分にガッカリしていたけれど、「アマチュアのプロ」としてなら生きていけるかもしれない。そのときから自分の肩書きとして、”勉強家”を名乗ろうと思ったんです。

自分のbeの肩書きを考えてみる

肩書きを考える上で、重要なキーワードが2つあります。ひとつめは「リフレーミング」です。解釈のフレームを変えることで、同じ事実の意味が変わってくるということです。本人にとってはコンプレックスであることも、他者にとってはチャーミングポイントでもある、ということは結構あると思うんです。

何より自分で自分のあり方を見つけるのは、じつは難しい。そこで、誰かにbeの肩書きを見つけてもらって、ことばのブーケのようにプレゼントとして贈りあうのがいいかなと思っています。

そしてもうひとつのキーワードが「ユーダイモニア」です。

これはアリストテレスの言葉なのですが、個人的な充足感から生まれる幸せを意味します。言い換えれば何かをしているときに、自分の可能性が最大限発揮されている実感があることです。その反対はヘドニアといって、快楽としての幸福感を意味します。

両者の違いとしてはへドニアでは、快楽を受容的に消費するのに対して、ユーダイモニアでは自分の活動に活かすという、能動的で創造的な側面があります。また、へドニアは外部的な要因に作用されやすく、すぐに移ろうのに対して、ユーダイモニアは外部要因にそこまで左右されず、一定の情熱量でやりたいと思うようなものです。いずれにせよ、好きなことや幸せに感じることといった自分の引き出しを少しずつ開けていくプロセスが大切になります。

それではさっそくワークに入っていきましょう。この紙に300個もの職業名がリストアップされているので、まずはピンとくる肩書きを選んでみてください。

中学校や高校時代は、何の教科が好きでしたか? もし体育が好きだったなら、そこから関係していそうな職業を考えてみてください。スポーツ選手やインストラクター、格闘家や審査員、ダンサーなどが関連していそうですね。

一周目はたくさん印をつけてOKです。そして二周目にユーダイモニアなものを絞っていきます。そのヒントとしてこの曼荼羅を使います。

  1. 思考や行動パターンを象徴していそうな肩書き
  2. 幸福感を象徴していそうな肩書き
  3. 好奇心や情熱を象徴していそうな肩書き
  4. 自分らしい表現方法を象徴していそうな肩書き
  5. 自分の使命や天命を象徴していそうな肩書き

この曼荼羅に書き込めそうな肩書きが、いまのあなたにとってのbeの肩書き候補になります。曼荼羅が完成したら、となりの人とどうしてその肩書きにしたのか、その肩書きがあなたにとってどんな意味がありそうか、話し合ってみてください。

(ライター注:このあと、参加者は自分らしい肩書きについて、2人ペアになって話あった。皆さん、新しい自分の可能性について気づいたり、偏向性に気づいたりしたよう)

beの肩書きを見つける3つのポイント

最後に、beの肩書きを見つけるための3つのポイントを兼松さんに伺いました。

1.人に例えてもらう

beの肩書きを自分で見つけようとしても、なかなか言葉が見つからなかったり、いい言葉が見つかっても何だか恥ずかしくて言い出しにくい、ということもあります。であればいっそ、友人や家族など大切な人に「私ってどんな人?」と例えてもらって、その表現をヒントに掘り下げていくほうが意外と近道かもしれません。

2.気軽にちゃぶ台返し

beの肩書きがいったん見つかったとしても、だんだんとその言葉にとらわれてしまうこともあります。最初はワクワクしたけれど最近はあまり表立って名乗りたくないな、違和感が出てきたなと思ったら、別の言葉を探してみましょう。もしかしたらいつの日か、「やっぱりこれだった」と再会するときが訪れるかもしれません。

3.アンソロジーを作る

beの肩書きはあくまで言葉だからこそ、普段からアンテナを高めて素敵な言葉を集めていくことをオススメしています。自分のための詩集を作っていくイメージです。本当に自分に根ざしたbeの肩書きは、気取った感じというよりもその人にとって特別な意味を持つ詩的に表現になることがあります。僕にも「沙門」という大文字の「BEの肩書き」というものがあるのですが、それは弘法大師・空海からお借りしたものです。ぜひいろんな言葉を集めてメタファーで遊んでみてください。

まとめ:

「doの肩書き、beの肩書き」をテーマに、兼松さんがリードするワークショップと「beの肩書き」を取り入れている3名がトークセッションを行なった今回のプログラム。参加者の皆さんは、ワークを通じて職業とは異なる、自分らしいあり方について考える時間となった。

自分らしいあり方と仕事は必ずしもイコールである必要はない、と兼松さんは言う。自分のbeをどう定義し、doとどんな関係性に置くか? その問いに答えることは容易ではないが、参加者の皆さんは意欲的に自分のあり方を見つけ出そうとしていた。

自分のbeとdoのあり方、それはどんな人でも人生の中で継続的に向き合わなくてはならない問いだろう。皆さんはこれを読んで、どんなbeのあり方、doとのかかわり方を考えるだろうか。

 

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