フリーランスにとっての「お金」とは。1年目にぶつかった壁を振り返る。

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こんにちは。新潟県でフリーランスのライター・編集者として活動している佐藤英太です。フリーランスとしての活動も4年目を迎えましたが、仕事に対する悩みや不安は尽きません。

それでも仕事を紹介してもらえたり、思い通りの結果を出せたり、少しずつ成長している実感もあります。

そこで、ぼくがフリーランスとして最初にぶつかった問題を紹介したいと思います。テーマは「フリーランスとお金」です。

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■お金はどこからやってくるのか?

フリーランス1年目、ぼくは長野県松本市のゲストハウスに住み込みながらライティングの仕事をもらって細々と暮らしていました。まだまだひよっこで、この先やっていけるのだろうかと不安でした。

ゲストハウスでさまざまな国の人たちと交流することは楽しかったのですが先のことを考えると、「就職したほうがいいのだろうか、しかしなんのスキルも実績もない自分が会社に受かるとは思えない、もう少し書く技術を磨いたほうがよいのでは? しかし収入が増えるイメージもわかない……」
などと悶々とし、胸が苦しくなり、不安でいっぱいでした。

そんなときに「お金はいったいどこからやってくるのか?」という問いがうまれます。フリーランスとして活動する前は岐阜県にある温泉旅館で働いていて、お金(お給料)は旅館を経営する会社からもらっていました。ライターの仕事では、執筆への対価として。

でもこのお金って、いったいどこからやってくるものなのか。シンプルに考えれば、仕事に対する報酬がお金です。するとこんどは「では仕事とは何か?」と考えるようになりました。

■仕事とは、誰かの役に立つこと

そのときに考えたことは次のようなことです。

社会の最小単位は「あなたとわたし」という1対1の関係。ということは、「わたし」が「あなた」に対して何かしらの貢献をし、その対価としてお金をもらう。

お金をもらう順番は、こんな風になっている。だから仕事とは「誰かの役に立つこと」だ。ではその「誰か」とは、一体誰なのか?
ぼくの仕事でいえば、クライアントである企業、また一緒に仕事をするデザイナーやコーダー、究極的には、文章の読者が「誰か」になる。文章は、読んでもらうことで始めてその力を発揮するからだ。とはいえ大概は、クライアントに文章を納品することが多い。

大抵のクライアントはWebサイトを運営していたり、ソーシャルメディアやブログを使って情報発信しているけど、自分では文章が書けない、もしくは人手が足りないから、ライターに執筆を依頼している。

そのほかには、文章によって課題を解決したい、そしてそれができる人を探しているという想いでメディア運営をしている人たちもいる。だからぼくの仕事は「書くこと」によって「文章が書けない」とか「人手が足りない」とか「文章による課題解決」などの目的に、寄与していることになる。

ぼくはそれに対してお金をもらっている。

つまりいま現在の仕事では、書く技術とお金とを交換している。

こんな風に考えて、仕事にはあなたとわたしの「関係」だったり「提供」や「交換」という作用があったりするのだと思いました。

■誰と付き合っていきたいか?

さきほど社会の最小単位は「あなたとわたし」という風に考えました。

では具体的に「あなたって誰のこと?」という疑問が沸いてきます。当時はクライアント(Webサイトを運営している人)のこと、ひいてはクライアントの「目的」でした。

するとこんどは「じゃあこの先ぼくは、誰と、いやどんな目的と付き合っていきたいのか?」という問いが生じます。次々に沸いてくる疑問に、答えていきました。

これに対する答えをひとことで言うと「共感できる人」となります。ぼくはひとつのものを長くつかったり、目の前のことに丁寧に接することを心がけているのですが、このことを大事にしている人とお付き合いをしたいという願望が心のなかにありました。

近ごろ(というか産業革命以降かな)は大量生産・大量消費社会になっていて、ひとつのものを大切に扱うという意識が社会全体として希薄になっているように感じます。

でも、ぼくはそれに抵抗したい。一時期、木工職人を目指していたこともあります。さらには、ヒノキをチェーンソーで切り倒して間引きしたり、荒れ放題の茂みを草刈機できれいにして太陽光が入るようにしたり、森をきれいにするお手伝いをしたこともあります。

この経験を踏まえつつ仕事に対する向き合い方を考えていくと、人材を使い捨て要員だと思わない、技術に敬意を払う、そんな人たちとお付き合いをしたいと強く思うようになりました。

自分の努力は言わずもがな、です。

■お金の前には“人”がいる

それまでは、お金、お金、お金、という近視眼的な見方になっていましたが、自分の考えを掘り下げていくことでそこから開放されました。

お金の前には必ず人がいます。その人の役に立つことで、つまり何らかの価値を提供した報酬として、いろんなものと交換できるお金がもらえるという仕組みになっています。

「お金はどこからやってくるのか?」という最初の問いに戻ると、お金は自分以外の誰かのお財布からやってきます。ではその誰かは、どうしたら自分にお金を払ってくれるのか。

その答えは、その人の目的に貢献すること、つまり自分の何かをその人に提供することなんですね。繰り返しになりますが、フリーランスのライターとしては「書く技術」を提供することになります。また、書くことで、クライアントや社会の課題解決にまで貢献できれば、より仕事の価値もぼくの収入も大きくなるのではと思っています。

■共感できる目的に書く技術を提供したい

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以上のすべてを踏まえると、ぼくの方針は「共感できる目的に、書く技術を提供したい」ということになります。この目的というのが、大量生産・大量消費モデルへの抵抗です(いまはもう少し変化していますが、当時の自分としてはこのような考えでした)。

「お金はどこからやってくるのか?」という問題に直面したことをキッカケに「誰に、何を提供していくのか?」という大切な問いに出会うことができました。

■フリーランスにとってのお金とは?

ここまではお金の正体やその背後に人がいること、ぼくの方針などを述べてきました。

あらためて「フリーランスにとってのお金とは?」を考えてみると、極端に言えば「捕獲対象」と言えると思います。会社員やアルバイトという働き方と比較すると、フリーランスは仕事に対して主体的になりやすい(むしろならざるをえない)からです。

会社員やアルバイトはすでに仕事が用意されており、お金とは雇用主から支給される「給料」であり、この関係が変わることはありません(もちろんすべての事例にあてはまるとは思いませんし、あくまでもフリーランスとの相対比較です)。

フリーランスの場合、例えばぼくが初めてライターの仕事をもらったときは、住み込みアルバイトの休憩時間に「ライター 求人」とインターネットで検索し、見つけたものにひたすら応募をしていました。

そしてお返事をもらえた仕事を死に物狂いでこなす、これがフリーランスとしてのスタートです。このとき、ぼくにとってのお金は捕獲対象でした。それが「お金はどこからやってくるのか?」という問いに出会うことで「仕事の目的に寄与した報酬」という捉え方に変化しました。

当時はただ必死なだけでしたが、主体的にならざるを得ないフリーランス(という働き方)は、働く相手、取り組む仕事を自分の価値観に従って選び取りやすいメリットがあるのだと思います。

もしあなたが今の働き方に疑問を抱いているとしら「いま手元にあるお金はどこからやってきたのか?」を考えてみることをすすめたいです。そのうえで「誰と付き合っていきたいのか?」を考え抜くことで何かしらのヒントがつかめると思います。

そしてお金との関係を変えたい、働き方を変えたいと思ったら、もっともっと主体的になることが必要でしょう(ぼくもまだまだですが)。いま現在会社員の方は、試しに副業に取り組んでみる、すでにフリーランスの方は、これまでと違う仕事をとりにいくなど、なにかしらの行動を起こしてみるといいと思います。

 

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