文章を書くスピードを格段に速くするたった1つの秘訣は、「どう書くか?」ではなく「何を書くか?」に集中することです。
ある本の、表紙のカバー裏にこのような一文があった。
本のタイトルは、「10倍速く書ける超スピード文章術」。
以前、取材させていただいたブックライターの上阪徹さんが書かれた文章術の本です。
本書には、文章を速く書く秘訣がいっぱい詰まっていて、すぐにマーカーペンのメモでページが真っ赤になってしまいました。
そこで、この記事で言いたいことを1つに絞ると……
Contents
書くことが速くなれば、結果的に仕事も速くなる。
日々、情報をアウトプットすることが多いフリーランスや起業家など、このメディア「SoloPro」の読者の方々にとっても有益! ……ということで、早速内容をご紹介します。
だって、10倍ですよ! みなさん。
上阪 徹
早稲田大学商学部卒業後、リクルート・グループを経て、1994年よりフリーランスのライターとして独立。経営、経済、就職などをテーマに、雑誌や書籍など幅広く執筆やインタビューを手がける。広範囲に及ぶ取材相手は、3000人を超える。また他の著書の本を取材して書き上げるブックライター作品は60冊以上、自身の著書も20冊以上。累計40万部のベストセラーとなった『プロ論。』などインタビュー集も多数。 公式HP:http://uesakatoru.com |
書く目的と読者を定める
何かを書くときに、書くこと自体が目的になっていませんか?
お客様へのメール、新商品のPR文、Web記事や日記のようなブログまで、目的が定まらないと、文章を書く行為自体が目的になってしまい、その結果「書き方」や「表現」にこだわりすぎて時間がかかる……。
実は、文章を書くライターという仕事を10年以上続けている僕自身も、そうでした。駆け出しの頃は締め切りに間に合わせることが目的になっていたり、今でもソーシャルメディアの1つの投稿に「うーーん」と悩んで、手が止まってしまうことはよくあることです。
そこで、この本のアドバイスの1つである「まず、読者に感じてもらいたいことを決める」を意識してみましょう。
例えば、皆さんが今読んでいるこの記事から感じていただきたいことは、「書くのが速くなれば仕事が速くなる」です。さらに、それが表面上の目的とするなら”真の目的”は、「この本には、書くのが速くなる秘訣がいっぱい載っているので、自分も読みたい!」と思ってもらいたいこと。
では、その提案を具体的にどんな読者にしたいのか? という問題が次に出てきます。
このメディア「SoloPro」のメインとなる読者は、フリーランス。つまり、個人で働く人です。
でも、フリーランスと一言で言っても、日本における広義のフリーランス数は推計1,122万人(ランサーズ:フリーランス実態調査2017年版より)もいるため、残念ながらフリーランスと読者像を設定しても範囲が広すぎてほとんど伝わらない可能性の方が高いのです。
本文にもこうあります。
「みんな」に伝わる文章を書こうとすると、結果的に誰にも伝わらない可能性が高い
そこで、具体的な一人の読者を特定して書く。決まらない場合は知人の一人に決めてしまう。
文章を書くための目的を決めたら、このような具体的な読者もセットでメモしてから書きはじめるのがスピードがアップするポイントのようです。
ゼロから文章を作ろうとしない。素材を探す
文章を上手く書こうとすると手が止まりませんか?
どうやって書こうかな……と。
ライターという仕事をしている僕は、毎日文章を書いたり、他のライターの書いた文章を編集していますが、プロでさえその悩みがあります。(表現を凝ったり、うまく書かないとダメという職業病のような固定概念があるのかもしれませんが……)
さて、この記事の読者ターゲットはライターさんではないので話を戻すと、本書ではLINEのように相手に用件がストンと伝わる文章を心がけることをすすめています。
つまり「表現」より「用件」を重視し、読者に必要な情報を届けることです。
そのために何が必要かというと、書く前の素材集めです。
具体的には、独自の事実、エピソード、数字など、読者にこれを伝えたいという中身になる素材。
これらを集めてから書きはじめることで、結果的に速く書けて、伝えたいメッセージも伝わるようになるのではないでしょうか。もちろん、目的と読者がイメージできているからこそ、それにあった素材を集めることができるのもお忘れなく!
他にも、本書には素材集めの具体的な方法がたくさん載っているのでチェックしてみてください!
・上手く書こうとするだけで手が止まる。LINEのように用件がストンと伝わる文章を
・ゼロから文章を作ろうとしない まずやるのは素材を探すこと
・文章の素材集めで必要な3つの要素 独自の事実、エピソード、数字など、読者に伝えたい内容そのもの
・文章は素材が9割
・読者に感じてもらいたいことを決める。
・具体的な一人の読者を特定して書く。決まらない場合は知人の一人に決めてしまう
・素材集めの方針は多く集めて、あとで削る。
・「目の前に読者がいるとして、その相手にしゃべって伝えるならどんな順番にするか」を考える
・集めて素材を一覧できる形にする
・フリーランスになって23年間、一度も締め切りを破ったことがない
・上阪さんが締め切りに遅れたことがない理由は速く手をつけてきたから。そうすると追い詰められるストレスがなくなる
・多く書いてからあとで削る
・最初に書いた文章を、絶対にそのまま提出しない。推敲するにもいろいろ方法がある
・王道の構成は、【結論】→【その理由】→【具体例】→【まとめ】
最後に……
忙しいビジネスパーソンは、必要以上に文章のクオリティを追求するより、いい素材を上手に使った文章を目指し方がいい
この本には、そんな一文もありました。
つまり、本書は「わかりやすくて役に立つ文章」を書くことを目指すための本かもしれません。
そういった文章の書き方を実践を通して理解すれば、書くのが(10倍!)速くなり、結果的に仕事もスピードアップするはずです。
詳しくは、本書を実際に読んで理解していただくとして(笑) 僕も、この本のエッセンスを実践し続けて行動習慣に落とし込んでいきたいと思いました。
つまり、おすすめです!
最新情報をお届けします
目的:書くのが速くなれば仕事が速くなることを意識してもらう。その上で、書くのが速くなる秘訣を(少しだけ)紹介し、この本に興味を持ってもらうこと。
読者:仕事が速くなりたい人。具体的には、毎日ブログやSNSを更新している、うちの妻(個人事業主)を想定。