アンサー:ITツールを駆使して徹底的に時間を管理
独立して個人事業主になることを選んだ人の中には、仕事だけでなく、家事や育児にも積極的に関わりたいと考えている人もいるでしょう。しかし、ただでさえやることが多いのが個人事業主。仕事と家事を両立するのは簡単ではありません。
そこで、メディア運営にライター業、イベント運営と、精力的に活動する一方で、一児の母として子育てにも取り組んでいる『くらしと仕事』編集長のやつづかえりさんに、仕事と家事を両立するためのテクニックについて伺いました。
過去にWebサービス開発に携わっていた経歴も持つやつづかさんは、いくつかのITツールを駆使して、徹底した時間管理を行っているようです。
やつづか えり:エディター/ライター。コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。Webマガジン『くらしと仕事』と『My Desk and Team』を運営中。 『平成27年版情報通信白書』や各種Webメディアにて働き方、ICT、子育てなどをテーマとしたインタビュー記事を執筆。ボランティアスタッフとして、TOKYO WORK DESIGN WEEKの運営にも関わっている。2013年に第一子を出産
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ToDoアプリで仕事も家事も一元管理
仕事と家事を両立するためには、その日にやるべきことを整理して、効率よくこなすことが不可欠です。その際に、アプリを使ってToDo管理をしている方は多いと思いますが、こうしたアプリの使い方にはポイントがあります。それは、仕事のタスクもプライベートの用事も、全て一元管理することです。
仕事のタスクだけをリストアップしたのでは、家事がおろそかになってしまったり、逆に家事に割く時間が頭をよぎって、仕事に集中できなかったりといったことが起こりがちです。そこで私は、買い物や保育園の登園準備といったプライベートの用事も全てToDoアプリに入力して、優先順位をつける上で仕事と同列に扱うようにしています。
家事の一つ一つまで入力するのは、一見めんどくさいと感じるかもしれません。でも、全て漏らさず入力してしまえば、「やり忘れていることはないか?」と不安になることがないので、目の前のやるべきことに集中できるという効果もあるのです。
ちなみに私は、MacでもiPhoneでも使える『Nozbe』というToDoアプリを使っています。
スプレッドシートを活用した進行管理表で作業工程を可視化
ToDoリストアプリを使えばその日にやるべきことを整理できますが、1日では終わらない仕事のペース配分までは管理できません。私の場合で言えば、一つの原稿を仕上げるまでには、取材、執筆、推敲と何日かを必要とします。
そこで私は、Googleスプレッドシートでオリジナルの進行管理表を作って、記事ごとに取材日と締切日が分かるようにしています。
こうして作業プロセスを可視化することで、執筆のペース配分を管理することができます。新たな予定を入れる時も、この表を見て時間的な余裕があるかどうかを確かめることができるので、非常に便利です。
全てのタスクのログを取り、仕事の振り返りに活かす
私自身、母親になってまだ3年。仕事と家事の両立に関してはまだまだ初心者です。子どもの成長によって状況もどんどん変わるので、定期的に振り返りをして、試行錯誤することが大切だと感じています。「これだけやっていれば良い」という鉄板のテクニックなんてないということです。
仕事の振り返りをする上では、自分が何にどれだけ時間をかけているかを把握することが大切です。そのために私は、タスクごとにログを残せる時間管理アプリ『TimeCrowd』を活用しています。
使い方はとっても簡単。アプリを開いてやるべきタスクを入力したら、ボタンを押して計測スタート、作業が終わったら再度ボタンを押してストップするだけです。
ここでも仕事だけでなく家事や睡眠時間も記録して、月ごとに集計して時間の使い方を振り返っています。「この仕事に想定外に時間をかけている」と思ったら、すぐに効率化できないかを考えます。
『TimeCrowd』にもiPhone版とWeb版がありますが、ログを取るのにはiPhoneアプリを使い、集計はPCのWeb版でやるようにしています。
ポモドーロ・テクニックで集中力を高く保つ
効率よく仕事と家事をこなすには、一つ一つの作業に集中して臨む必要があります。集中力を高いまま維持するために使うのが、ポモドーロ・テクニックと呼ばれる、25分集中して作業して、5分休憩するのを繰り返す時間管理術です。
ポモドーロ・テクニックを実践するのには、『245cloud(ニシコクラウド)』という面白いWebサービスがありますよ。
西小倉さんっていう方が作ったサービスだから245cloudっていうんですけど、Web上にある音楽を自分で選曲して、曲が流れている24分間だけ作業に集中します。で、24分経過すると音楽が止まるので、休憩に入るというものです。休憩中は、同じタイミングで休憩している人たちとチャットができたりするので、気晴らしになるんです。
私はDJミックスのガチャガチャした音楽を選ぶことが多いんですけど、静かな環境よりも思いのほか仕事がはかどることに気付きました。
やり方次第で「ながら仕事」もうまくいく
ここまでITツールを使った時間管理術を紹介してきましたが、もちろんアナログな工夫も色々としていますよ。
例えば、よくやるのは「ながら仕事」。料理している時や移動中、買い物中などに、取材の音源を繰り返し聞いています。マルチタスクは効率が悪いと言う人もいますが、録音データを聞くくらいなら音楽を聴いているのと変わらないので、問題ありません。
また、外出の予定はなるべく固めることで、移動にかかる時間や手間を最小限にするようにもしています。遠慮して相手の都合に合わせてしまうとそうもいかないので、取材のアポ取りや打ち合わせの日程調整の際は、自分から候補日を挙げるようにしています。
時間管理もいいけれど、余裕を持つことも忘れずに!
このように計画的に行動したり、時間管理して効率化を図ったりするのは大切ですが、子育てしていると、子供が熱を出したたりして、計画通りにはいかないことも多いです。
そんな時に備えて、時間的にも体力的にもバッファを設けておくことも心がけています。特に子どもが生まれてからは、「この時間を過ぎたら仕事はしない」というラインを設けるようになりました。仕事の状況によっては、それでもやらざるを得ない時もありますが(笑)
『いつも「時間がない」あなたに』っていう行動経済学の本がすごく参考になったんですけど、その本にも「スラック(余裕)が大切」と書かれていました。あらかじめスラックを作っておけば、万が一溢れてしまったタスクもそこで吸収できますから、締め切りを過ぎて信頼を失うこともないですし、精神的にも楽になるので、すごくオススメですよ。
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