The post 資産形成、節税、インボイス制度…フリーランスが知っておくべきお金の話を専門家に聞いてみた【フリーランス協会主催 #IPF2019 】 first appeared on ソロプレナー(一人起業家)のウェルビーイングをととのえるメディア:SoloPro.biz (ソロプロ)」.
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会社員であれば、万が一働けなくなっても労災や雇用保険、有給などでなんとかしのぐことができますが、フリーランスの場合そうはいきません。昨今では「老後に2000万円足りなくなる」とも言われていて、お金の重要性を実感しているフリーランスの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は税理士、元日銀マン、フリーランス協会事務局長のお三方に、フリーランスが知っておくべきお金の話について語ってもらいました。
※本記事は2019年11月1日(金)に開催されたイベント「世の中に自分の旗をたてよう!フリーランスのパワーを最大化する一日<Independent Power Fes>」内のセッション「自営業のお金の話 資産形成、節税、社会保障など気になるトピックまるわかり!」をSoloProで編集したものになります。
<登壇者プロフィール>
スピーカー : 税理士/(株)ArtBiz代表大河内薫
最新メディアやSNSでの発信が得意な税理士。Twitterフォロワー29,000超、YouTubeチャンネル登録者52,000超。日本では稀な芸術学部出身の税理士として、クリエイターやアーティストを熱烈支援!!芸能・クリエイター特化型税理士事務所を経営。 スーツ着ない/カリアゲパーマがモットーで「お堅い」などの税理士イメージの打破を目指す。日芸卒。 |
スピーカー : たくみ総合研究所 代表/エコノミスト/睡眠健康指導士/元日銀マン鈴木卓実新潟生まれ、仙台育ち。2003年、慶應義塾大学総合政策学部卒業。日本銀行にて、産業調査、金融機関モニタリング、統計作成等に従事。2018年、独立・開業。経済・金融や健康のリテラシー向上のため、セミナーや執筆等を通じて情報を発信。既存組織に属さないフットワークを活かし、ポジショントークのない活動を行う。ITmediaビジネスオンライン、楽天証券トウシル、東洋経済オンライン、FinTech Journal等に寄稿。フリーランス協会が運営するフリパラでは、「老後の備えどうしたらいい?サラリーマンとは違うフリーランスの資産形成」、「資産形成の強い味方。小規模企業共済、国民年金基金、iDecoを徹底比較!」の2回に分けて、資産形成におけるフリーランス特有のトピックを解説。TBSテレビ「ジョブチューン」、ビデオニュース・ドットコム「マル激トーク・オン・ディマンド」、AbemaPrimeなどに出演。 |
スピーカー : プロモーションプランナー/フリーランス協会事務局長中山綾子
プロモーションプランナー。大手飲食企業での店舗運営・新業態開発を経て企画会社へ転職し、商業施設の年間販促やメーカーの商品企画、官民連携の子育て支援事業などを多数手がける。2017年1月に独立と同時にプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会に参画しチームやプロジェクトを横断し活動。現在は理事兼事務局長。2018年10月に個人事業を(株)DaccoDayとして法人化。コワーキングスペースの経営も手がける。 |
モデレーター : 編集者/ライター友光だんご
1989年、岡山県生まれ。大学進学とともに上京し、2012年に出版社へ入社。女性ライフスタイル誌・車中泊専門誌の編集に携わったのち、2017年2月に退社。その後、株式会社Huuuuへ所属し、編集者・ライターとしてウェブ媒体を中心に活動している。 |
友光だんごさん(以下、友光):今回はみなさんに「フリーランスの資産形成のためにどんな備えが必要か」というテーマでお話を伺いたいと思います。そもそも資産形成って、どんな概念なんですか?
鈴木卓実さん(以下、鈴木):お金の世界だけで見れば、資産形成はこの図のような概念です。収支と支出の差分が宝箱の中に貯まって、資産になっていくイメージですね。
友光:なるほど。
鈴木:資産形成と聞くと、株や不動産を連想される方も多いと思います。でも、それってお金がお金を生み出す世界なので、もともとお金がない人たちはどうしようもないんですよ。図を見てわかるように、収入がないことには支出が出ていくだけで、お金が貯まっていかない。お金が貯まらないことには金融商品で資産運用をしてもあまり意味がないんですね。
友光:では、お金のないフリーランスはどうすればいいのでしょうか?
鈴木:資産って何もお金だけじゃないんですよ。実は経済学の世界だと30年くらい前からノーベル賞をとったゲーリー・ベッカーさんという人が「人的資本」という概念を提唱していて。要は、自分のブランドだったり、取引先などの人脈だったり、仕事の質を高めるスキルも立派な資産ということなんですね。フリーランスの場合、そういった「人的資本」も含めた資産を増やしていくことをまず考えるべきでしょう。

鈴木:覚えておいてほしいのですが、お金の世界だけで資産を増やそうとすると簡単に騙されます。そもそも金融機関が勧める商品は絶対に購入してはいけません。
友光:そうなんですか?
鈴木:つみたてNISAの対象商品って規制が厳しくて、国内では全商品の2%くらいしか合格しないんですよ。でも、手数料が低くて儲からないから、銀行窓口はそういった合格商品を売ろうとしない。
それに、金融商品を売っている人たちは販売のプロであって金融のプロではありません。こちらの損得は抜きに手数料の高い商品を売りつけようとしてくるので、基本的に銀行窓口には近づかないでください。専門家の意見を聞きたくなる気持ちはわかりますが、自分で本を読んだり、ネットで調べたりして、正しい情報を収集することが大切です。
大河内薫さん(以下:大河内);金融商品の営業マンや銀行窓口から勧められた商品が審査に通っているかどうかは金融庁のホームページでも調べられますから、焦って投資商品に手を出さないでくださいね。「退職金ゼロになりました」っていう人も普通にいますから。見た目は弁護士、心は詐欺師みたいな人が本当に多いので、金融商品を勧められたときは必ず自分で調べて騙されないようにしてください。
友光:自分で調べることが大切なのはわかったのですが、資産形成のコツはあるのでしょうか?
鈴木:まず、大原則として「ウマい話は存在しない」と思ってください。その上で少しずつコツコツと積み立てることが大切です。不動産投資や仮想通貨でひどい目にあっている人たちの多くはウマい話にのせられているのです。騙そうとする人たちは悪意と知識を持って騙しにきていて、騙される側は悪意も知識もない。だから、簡単に騙されるんですよ。
大河内:金融商品の配当で億万長者になっている人って、そもそも種銭がすごく多いんですよね。手元に数億円ある人しか「一発」を狙うべきではない。一般的には「老後の資産のために月2〜3万の配当を狙う」とか、そういった目的で運用をした方がいいんです。月2〜3万の配当があるだけでもすごいことだし、努力しないとできないことですからね。
鈴木:あと、大事なのが複利・再投資収益を「長期」で積み立てることと、市場平均とリスクの相関を意識しながら「分散」で投資すること。
「分散」投資では、日本の株や取引先の株に全部突っ込んでしまうのではなく、例えばアメリカのS&P500みたいな世界の経済の動きに連動したものがオススメです。人って自分が知っている会社にシンパシーを感じやすいので、取引先の銘柄から選びがちなんですけど、それは危険。迷ったらS&P500に連動するインデックスファンドを買って寝かせておけばいいと思います。S&P500は投資の神様ウォーレン・バフェットが「これしかない」と言ったくらいで、長期でこれに勝てる人はまずいません。

友光:「フリーランスはiDeCoや小規模企業共済、国民年金基金についても知っておいた方がいい」とよく言われますけど、そのあたりについても教えていただけますか?
大河内:まず、小規模企業共済は毎月積み立てるもので、「個人事業主の退職金」なんて言われています。20年以上積み立てていると、解約するとき元本と運用益に応じたお金が戻ってきます。小規模企業共済の何がいいかというと、元本保証に加えて、積み立てていくお金が控除されるので、節税効果があるんですよね。お金を現金で寝かしている人や将来に備えたい人にはオススメですね。
鈴木:あと、小規模企業共済に加入していると、積み立てた掛金の範囲内でお金を借りることもできるんですよね。フリーランスってなかなか資金調達が難しいので、病気をした時や事業転換をする時の保険にもなると思います。

友光:iDeCoについてはいかがでしょうか?
鈴木:iDeCoは確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金制度のこと。簡単に言うと、自分でつくる「もう1つの年金」です。加入は任意で、自分で掛け金を拠出して、自分で運用方法を選ぶことができます。小規模企業共済のように元本保証ではありませんが、掛金が全額控除され、運用益も非課税になるので節税効果があります。小規模企業共済と同じく、こちらもフリーランスの方にオススメです。
サラリーマン時代に企業型の確定拠出年金に加入していた方は、必ず自分で個人型のiDeCoへの切り替えを行なってください。切り替え手続きをしないと手数料だけダダ漏れになってしまうので、注意してくださいね。
もう1つ、iDeCoに申し込む際は銀行窓口で口座を開設しないでください。銀行窓口で申し込むと、毎月結構な手数料がかかるんですよ。銀行って店舗を構えていたり、人を雇用したりしているので、ネット証券・銀行に比べて経費がかかっているんですね。その分の費用が手数料に上乗せされてしまうので、iDeCoにはネット証券・銀行で申し込むことをオススメします。
大河内:あと、銀行に比べてネット証券・銀行の方が商品の数が多かったりします。例えば、店舗型の銀行だと「商品が3つしかなくて、手数料が全部高い」みたいなことがありうるので、鈴木さんが言うように人件費がかかっていないネット証券・銀行での申し込みを私もオススメします。
鈴木:小規模企業共済、国民年金基金、iDeCoについては以前フリーランス協会が運営する「フリパラ」に寄稿した記事で詳しく解説してるので、興味がある方はそちらもチェックしてみてください。

友光:確定申告をスムーズにするコツなどがあればお聞きしたいです。
大河内:確定申告って税理士以外100点は取れないんですね。素人が自分で確定申告をすると何かしらミスをするのが当たり前なので、完璧なものにならなくても仕方ないと思います。まずは見よう見まねでいいので、ある程度自分で調べて「これは脱税じゃないな」と思った時点でとりあえず提出することが大切。そんな気持ちに切り替えるだけで、だいぶ楽になると思いますよ。
かといって確定申告のコツあるかというと、そんなになくて。結局、売上と経費の差額がわかればいいので、まずは売上と経費をしっかり自分で管理すること。マメに領収書をもらうとか、一箇所にまとめられた領収書をしっかり分けるとか。そういったことを日々積み重ねていくことが重要なんじゃないかと思います。
1つ気をつけてほしいのは、源泉所得税の管理。フリーランスの方って企業と取引したときに、売上から源泉所得税を引かれるじゃないですか。あれは確定申告をしたときに、過払い分が戻ってくるので、年間どの企業からどのくらい源泉所得税が引かれているのか、把握しておくことが重要だと思います。そこを取り逃がしてしまうともったいないので。詳しいことは僕の本やYouTubeを参考にしていただければと思います。

友光:最近インボイス制度について不安の声をよく聞くんですけど、あれって実際どうなんですか?
中山綾子さん(以下、中山): 私たちフリーランス協会にも「インボイス制度をやめてさせてほしい」という声が多く寄せられているので、やっぱりみなさん不安なんだと思います。ただ、長い目で見れば、悪いことばかりではなくて。
例えば、インボイス制度が導入されることで、消費税を乗せて請求してこなかった方も大手を振って消費税を請求ができるようになりますし、国としては税の透明性が高まることで、その方がどれくらい売り上げて、納税しているか、わかりやすくなります。そうなれば、フリーランスの社会保障も進むのではないかと思い、協会としてはインボイス制度を歓迎しているんですね。
このあたりはいま各省庁とやりとりをしているんですけど、きちんと得られるものなども含めて長期的に見てもらいたいと思います。
友光:つまり、あまり怖がらなくていいということですか?
中山:そうだと思います。大河内さんはどう思いますか?
大河内:そうですね。いまおっしゃっていただいたことは的を得ていると思います。ただ、免税事業者にデメリットがある制度であることも事実なので、詳しくは僕のYouTubeを見てほしいと思います。

友光:では、最後にみなさんから本日のまとめをお願いします。
鈴木:結局、フリーランスにとって何が不安の原因かというと、収入がないことなんですよ。収入がある程度あれば、インボイス制度が導入されても耐えられますから。そのためには継続的に学びなおすことが大切だと思います。
いまはVUCAの時代と言われていて、不確実性が強くなっている。そう言った時代においてフリーランスは強いんですけど、それでもやっぱりスキルがないといけない。そうすると大切になってくるのは、知識や人脈といった人的資本。フリーランスの方って知人とか昔の取引先から仕事をもらうことが多いじゃないですか。それはその人の繋がりと、仕事で評価されたスキルがあるからだと思うので、まずは人的資本を蓄えることが資産形成の第一歩だと思います。
大河内:資産と聞くと土地や家を想像する方も多いと思うんですけど、価値があるものという意味では、人脈も資産ですし、YouTubeにあげている動画も資産ですよね。資産はお金だけじゃないし、お金だけで資産形成をしようとするとすごくしんどい。やっぱり一番は仕事で稼ぐこと。そのためには、人脈だったり、Webにアップするコンテンツだったり、そういうものも資産として形成していくことが重要だと思います。
その上で余裕が出てきたら、余剰金を投資に回して貯蓄すること。結局、不労所得なんて夢物語ですからね。フリーランスは会社員に比べてフレキシブルに動けるので、人的資本をつくりやすい。しっかりとやっていけば必ず花開くと思います。
中山:やっぱりフリーランスの方は雇用保険もないですし、自分でリスクヘッジをしていくことが大切だと思います。そのためには、自分自身を一つの金融商品と考えて、自分の価値をどうあげていくかということがすごく重要ですよね。
だからといって、「全部自分たちだけでなんとかすべき」と言うつもりはなく、不安や要望があれば私たちフリーランス協会に声を寄せてほしいと思います。私たち協会としては、「健康面も含め、本来会社員であれば守られていたものが、フリーランスだから守られないのはおかしい」と感じていますし、フリーランスの声を少しずつ集めて政府にお届けしています。その辺りは今後もぜひ注目してください。
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「理由も告げられず突然契約を切られてしまった…」そんな苦い経験があるフリーランスの方は少なくないはず。継続して仕事を受注するためには、クライアントの気持ちを知ることが欠かせません。そこで今回は、フリーランスと関わりの深い方々に、「手放したくないフリーランスの条件」について語っていただきました。
※本記事は2019年11月1日(金)に開催されたイベント「世の中に自分の旗をたてよう!フリーランスのパワーを最大化する一日<Independent Power Fes>」内の「手放したくないフリーランスの条件 ここだけで聞けるクライアントの本音」セッションをSoloProで編集したものになります。
<登壇者プロフィール>
スピーカー : テレビプロデューサー/顔ハメパネル愛好家 鎮目 博道(しずめ ひろみち) 92年テレビ朝日入社。社会部記者として阪神大震災やオウム真理教関連の取材を手がけた後、スーパーJチャンネル、スーパーモーニング、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。中国・朝鮮半島取材やアメリカ同時多発テロなどを始め海外取材を多く手がける。また、AbemaTVのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などの番組を企画・プロデュース。2019年8月に独立し、放送番組のみならず、多メディアで活動。公共コミュニケーション学会会員として地域メディアについて学び、顔ハメパネルのメディアとしての可能性をライフワークとして研究、記事を執筆している。 |
スピーカー : グロービス学び放題 事業責任者/グロービス経営大学院 教員 鳥潟 幸志(とりがた こうじ) 大学卒業後、サイバーエージェントに入社。23歳でビルコムを共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーション等、経営全般に10年間携わる。グロービス参画後は小売・グローバルチームに所属し、コンサルタントとして国内外での研修設計支援を行う。2016年より、「グロービス学び放題」の事業責任者。グロービス学び放題では、HRアワード優秀賞、日本e-LearningAward 特別賞、HRテクノロジー大賞 ラーニングサービス部門優秀賞、RubyBiz Grand prix 特別賞 など4つの賞を受賞。グロービス経営大学院や企業研修において思考系、ベンチャー系等プログラムの講師も務めている。 グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了 |
スピーカー : 株式会社Waris代表取締役/共同創業者/フリーランス協会理事 田中 美和(たなか みわ) 1978年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現 日経BP社)入社。編集記者として雑誌「日経ウーマン」を担当。取材・調査を通じて接してきた働く女性の声はのべ3万人以上。女性が生き生き働き続けるためのサポートを行うべく2012年退職。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て、2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェント株式会社Warisを創業し共同代表に。フリーランス女性と企業とのマッチングや離職女性の再就職支援に取り組む。フリーランス/複業/女性のキャリア/ダイバーシティ等をテーマに講演・執筆も。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会理事。国家資格キャリアコンサルタント。2018年に出産し1児の母。 |
モデレーター : BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長/AERA元編集長 浜田 敬子(はまだ けいこ) 1989年に朝日新聞社に入社。前橋支局、仙台支局、週刊朝日編集部を経て、99年からAERA編集部。記者として女性の生き方や働く職場の問題、また国際ニュースなどを中心に取材。米同時多発テロやイラク戦争などは現地にて取材をする。2004年からはAERA副編集長。その後、編集長代理を経て、AERA初の女性編集長に就任。編集長時代は、オンラインメディアとのコラボや、外部のプロデューサーによる「特別編集長号」など新機軸に次々挑戦した。2016年5月より朝日新聞社総合プロデュース室プロデューサーとして、「働く×子育てのこれからを考える」プロジェクト「WORKO!」や「働き方を考える」シンポジウムなどをプロデュースする。2017年3月末で朝日新聞社退社。2017年4月より世界17カ国に展開するオンライン経済メディアの日本版統括編集長に就任。「羽鳥慎一モーニングショー」や「サンデーモーニング」などのコメンテーターや、ダイバーシティーや働き方改革についての講演なども行う。著書に『働く女子と罪悪感』(集英社)。 |
浜田敬子さん(以下、浜田):さっそくですが、みなさんどんなフリーランスと一緒に働きたいですか?
鎮目博道さん(以下、鎮目):やっぱりオリジナルの世界を持っている人ですよね。独自の人脈や深い専門知識を持っている方だと、周りのディレクターのレベルも上がっていくので。あと、年齢を気にせず、フットワーク軽く現場に行ける人はありがたいですよね。
浜田:鳥潟さんはどうですか?
鳥潟幸志さん(以下、鳥潟):自分の意見をはっきり言える人ですね。フリーランスのいいところって、会社の仕組みとか文化におもねらないところ。客観的な視点から的確なアドバイスをくれる人は心強いですね。
浜田:鳥潟さんは主にエンジニアと仕事をする機会が多いと思うのですが、フリーランスから社員になった方はいますか?
鳥潟:はい。昔は社員がなかなか採用できなかったので、フリーランスの方に手伝っていただいていたんですけど。その中から数名正社員になった方がいます。その方々はいまでもコアメンバーとして活躍していますよ。
浜田:フリーランスの方を社員にする際の基準はあるんですか?
鳥潟:3つあるんですけど、1つは実績ですね。その方が過去にどんなことをされてきたかをチェックします。2つ目はコード。これは過去に書いたコードを見せてもらってチームのエンジニアが判断します。3つめはカルチャーフィット。うちはチームで開発することが多いので、周りのメンバーと円滑にコミュニケーションが取れるかどうかが重要です。
浜田:田中さんは、エージェントとして多くの企業の声を聞いていると思います。実際にクライアント側はどのようなフリーランスを求めていますか?
田中美和さん(以下、田中):先ほどチームワークとかコミュニケーションというキーワードが出てきましたけど、ビジネス領域のフリーランスも全く同じだと思います。クライアントと密にコミュニケーションをとりながらプロジェクトを進めていくので、基本的なビジネスマナーがあることが大前提になります。
あと、指名が途切れないフリーランスの方は提案力が素晴らしい。クライアントとの打ち合わせ段階から課題をしっかりヒアリングして、それに対して自分なら何ができるのか提案していく。そういう方はクライアントの期待値を超えることが多いので、仕事が途切れないのだと思います。
浜田:逆に、「こんな人とは二度と仕事をしたくない」というフリーランスの特徴があれば教えてください。
鳥潟:「できる」と言ったことを後になってから「できません」と言う人ですね。売り込みたいがために過度に自分をアピールしてもいいことはありません。仮に契約できたとしても、実力が伴わなければ契約更新は難しいでしょう。
浜田:鎮目さんはいかがですか?
鎮目:テレビ番組ってみんなでつくっていくので、チームワークを大切にできない人だと困っちゃうんですよね。周りに厳しいことをガンガン言って雰囲気を悪くするような人とは基本的に仕事をしたくありません。昔は仮払いの出張費を持ち逃げする人もいたんですけど、そういう人はもちろん論外です(笑)。
あと、セキュリティに関するモラルがない人も困ります。売れっ子のディレクターは番組をいくつも掛け持ちしているので、毎日違うテレビ局にいるんですけど。こっちでリサーチしたネタを他の番組で使われてしまうことがたまにあって。そういうことをされると「また情報を漏らされるかも」という不信感につながりますよね。
浜田:ライターの場合もそうですよね。いろんな出版社に出入りがある人もいるから。
田中:そうですね。私も起業前は日経BPという会社で日経ウーマンとか日経トレンディの記事をつくっていたので、よくわかります。当然いろんな会社の事例を知っていることはフリーランスの強みにもなるので、汎用的な事例を他社への提案に応用する分には問題ないのですが。やっぱりモラルの低いライターさんだとお仕事を依頼しづらいですよね。
浜田:フリーランスエンジニアの場合もいろんな現場に出入りすると思うのですが、鳥潟さんは何か情報漏えい対策はしていますか?
鳥潟:もちろん秘密保持契約は結びますが、うちは性善説経営なのであまり細かいチェックはしないですね。フリーランスの方は結果で示していただくことが全てだと思っています。
浜田:フリーランスの立場からすると、どこまでクライアントの業務にコミットしていいのか迷うこともあると思うんです。例えば、「組織体制や社員の育成について、明らかにこうした方がいいけど、指摘していいのかな」とか。そのあたりは鎮目さん、フリーランスになってみてどう思いますか?
鎮目:さすがに金銭面や経営の部分には口を出しません。ただ、スタッフの教育や番組の雰囲気づくりは自分の仕事だと思っているので、現場でスタッフにあえて厳しいことを言うこともあります。
浜田:逆にテレビ局員の方は元プロデューサーである鎮目さんに気をつかわないんですか?
鎮目:たしかに後輩だった局員に「〇〇さんのおっしゃる通り」とかいうと、「いやいや、やめてくださいよ」と言われたりもします。でも、立場の違いはわきまえているつもりで。委託された業務の範囲はきっちりやろうと思っていますね。
浜田:鳥潟さんはどうですか?社外の立場からいろんなことを言ってもらえるのはありがたいと思うのですが。どこまでフリーランスの方にコミットしてもらいたいですか?
鳥潟:僕は事業を立ち上げた責任者なので、できることならどこまでもコミットしてほしいです。実際にうちで活躍するフリーランスの中にはメンバーの育成やモチベーション管理をしている人もいますし、専門領域の知識を活かして「こうした方がいい」という意見をズバズバ提案してくれる人もいます。顧客やユーザーのためになるんだったら、どんどんコミットしてくれた方が僕はありがたいですね。
浜田:やっぱり技術だけじゃなくてマネジメントや商品設計など、できることが多い人は単価が上がっていくイメージですよね。
鳥潟:そうですね。ファイナンスやマネジメントなど、「エンジニアリング+α」のスキルや知識がある人って、ビジネス全般のことをちゃんと勉強されているんですよね。だから会話もスムーズですし、相手の気持ちもわかるんですよ。そういう人は、単価が上がりやすい傾向にあります。
浜田:田中さんはいかがでしょう。先ほど「クライアントへの提案ができる人は強い」というお話がありましたけど、他に単価が上がっていく人の特徴はありますか?
田中:やっぱりオペレーションだけではなくて、戦略立案や企画などの上流工程も含めて対応できることですね。あと、人材育成ができる人も重宝されやすい。たまに「新人社員を半年で一人前の広報に育てる」という項目が業務スコープに入っている案件もあるのですが、こうした企業とマッチングできる方は当然単価が上がっていきます。
最近は人手不足なので、新規事業開発や財務など専門性の高い人って売り手市場なんですね。「正社員で採用が難しい職種はフリーランスでも積極的に活用したい」と考える企業も増えているので、希少性の高い専門性を身につけている人のニーズは今後さらに高まっていくと思います。
浜田:最後にフリーランスの方にエールをお願いします。
鳥潟:うちで活躍するフリーランスの方は共通して仕事熱心だし、ものすごく勉強家です。そういう人がいるだけで、周りも影響を受けて読書会や勉強会をやり始めるようになるので、学び続ける人はすごく市場価値が高いと思います。
学び続けるためには、ラーニングコミュニティをつくるといいでしょう。いまは専門性の違う人とも簡単に繋がれる世の中になっているので、一緒に学べる仲間をつくって一スキルアップしていくことが大事だと思います。
田中:フリーランスは自己責任の生き方であり働き方。ライフも含めてしっかりと自分をマネジメントしてクライアントに価値提供することが、仕事が途切れないフリーランスの特徴だと思います。
実は私たちが行ったある調査で、メンタルヘルスが良好な人ほど、時間単価が高いことがわかったんです。ある大学の研究でも「自己決定をすることが、幸福度を高める」ということがわかっていて。「どこで」「誰と」「どんな仕事をするか」を自分で決めることができるフリーランスは、会社員に比べて幸福度が高い傾向にあります。
もう1つ、幸福度の高い人って「何を実現したいか」ビジョンが明確なんですね。「子どもと毎日ご飯が食べたいな」とか、大それたことでなくてもいいので、何を実現したいのかイメージしてほしいと思います。
鎮目:これから放送業界でフリーランスになる人は、若い人の言う通りにやれる柔軟性を身につけてください。放送業界ってここ10年くらいでものすごい変化をしていて、文化も目指すべきゴールもつくり方もすごく変わっている。そんな中で、昔のやり方を今の若い人たちに押し付けるのはナンセンス。大切なことは、いかに成功体験を捨てられるかだと思うんですよ。ゼロからもう1度スタートするくらいの気持ちがあれば、いくつになっても愛されるフリーランスになれると思います。
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アンサー:ITツールを駆使して徹底的に時間を管理
独立して個人事業主になることを選んだ人の中には、仕事だけでなく、家事や育児にも積極的に関わりたいと考えている人もいるでしょう。しかし、ただでさえやることが多いのが個人事業主。仕事と家事を両立するのは簡単ではありません。
そこで、メディア運営にライター業、イベント運営と、精力的に活動する一方で、一児の母として子育てにも取り組んでいる『くらしと仕事』編集長のやつづかえりさんに、仕事と家事を両立するためのテクニックについて伺いました。
過去にWebサービス開発に携わっていた経歴も持つやつづかさんは、いくつかのITツールを駆使して、徹底した時間管理を行っているようです。
やつづか えり:エディター/ライター。コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。Webマガジン『くらしと仕事』と『My Desk and Team』を運営中。 『平成27年版情報通信白書』や各種Webメディアにて働き方、ICT、子育てなどをテーマとしたインタビュー記事を執筆。ボランティアスタッフとして、TOKYO WORK DESIGN WEEKの運営にも関わっている。2013年に第一子を出産
仕事と家事を両立するためには、その日にやるべきことを整理して、効率よくこなすことが不可欠です。その際に、アプリを使ってToDo管理をしている方は多いと思いますが、こうしたアプリの使い方にはポイントがあります。それは、仕事のタスクもプライベートの用事も、全て一元管理することです。
仕事のタスクだけをリストアップしたのでは、家事がおろそかになってしまったり、逆に家事に割く時間が頭をよぎって、仕事に集中できなかったりといったことが起こりがちです。そこで私は、買い物や保育園の登園準備といったプライベートの用事も全てToDoアプリに入力して、優先順位をつける上で仕事と同列に扱うようにしています。
家事の一つ一つまで入力するのは、一見めんどくさいと感じるかもしれません。でも、全て漏らさず入力してしまえば、「やり忘れていることはないか?」と不安になることがないので、目の前のやるべきことに集中できるという効果もあるのです。
ちなみに私は、MacでもiPhoneでも使える『Nozbe』というToDoアプリを使っています。
ToDoリストアプリを使えばその日にやるべきことを整理できますが、1日では終わらない仕事のペース配分までは管理できません。私の場合で言えば、一つの原稿を仕上げるまでには、取材、執筆、推敲と何日かを必要とします。
そこで私は、Googleスプレッドシートでオリジナルの進行管理表を作って、記事ごとに取材日と締切日が分かるようにしています。
こうして作業プロセスを可視化することで、執筆のペース配分を管理することができます。新たな予定を入れる時も、この表を見て時間的な余裕があるかどうかを確かめることができるので、非常に便利です。
私自身、母親になってまだ3年。仕事と家事の両立に関してはまだまだ初心者です。子どもの成長によって状況もどんどん変わるので、定期的に振り返りをして、試行錯誤することが大切だと感じています。「これだけやっていれば良い」という鉄板のテクニックなんてないということです。
仕事の振り返りをする上では、自分が何にどれだけ時間をかけているかを把握することが大切です。そのために私は、タスクごとにログを残せる時間管理アプリ『TimeCrowd』を活用しています。
使い方はとっても簡単。アプリを開いてやるべきタスクを入力したら、ボタンを押して計測スタート、作業が終わったら再度ボタンを押してストップするだけです。
ここでも仕事だけでなく家事や睡眠時間も記録して、月ごとに集計して時間の使い方を振り返っています。「この仕事に想定外に時間をかけている」と思ったら、すぐに効率化できないかを考えます。
『TimeCrowd』にもiPhone版とWeb版がありますが、ログを取るのにはiPhoneアプリを使い、集計はPCのWeb版でやるようにしています。
効率よく仕事と家事をこなすには、一つ一つの作業に集中して臨む必要があります。集中力を高いまま維持するために使うのが、ポモドーロ・テクニックと呼ばれる、25分集中して作業して、5分休憩するのを繰り返す時間管理術です。
ポモドーロ・テクニックを実践するのには、『245cloud(ニシコクラウド)』という面白いWebサービスがありますよ。
西小倉さんっていう方が作ったサービスだから245cloudっていうんですけど、Web上にある音楽を自分で選曲して、曲が流れている24分間だけ作業に集中します。で、24分経過すると音楽が止まるので、休憩に入るというものです。休憩中は、同じタイミングで休憩している人たちとチャットができたりするので、気晴らしになるんです。
私はDJミックスのガチャガチャした音楽を選ぶことが多いんですけど、静かな環境よりも思いのほか仕事がはかどることに気付きました。
ここまでITツールを使った時間管理術を紹介してきましたが、もちろんアナログな工夫も色々としていますよ。
例えば、よくやるのは「ながら仕事」。料理している時や移動中、買い物中などに、取材の音源を繰り返し聞いています。マルチタスクは効率が悪いと言う人もいますが、録音データを聞くくらいなら音楽を聴いているのと変わらないので、問題ありません。
また、外出の予定はなるべく固めることで、移動にかかる時間や手間を最小限にするようにもしています。遠慮して相手の都合に合わせてしまうとそうもいかないので、取材のアポ取りや打ち合わせの日程調整の際は、自分から候補日を挙げるようにしています。
このように計画的に行動したり、時間管理して効率化を図ったりするのは大切ですが、子育てしていると、子供が熱を出したたりして、計画通りにはいかないことも多いです。
そんな時に備えて、時間的にも体力的にもバッファを設けておくことも心がけています。特に子どもが生まれてからは、「この時間を過ぎたら仕事はしない」というラインを設けるようになりました。仕事の状況によっては、それでもやらざるを得ない時もありますが(笑)
『いつも「時間がない」あなたに』っていう行動経済学の本がすごく参考になったんですけど、その本にも「スラック(余裕)が大切」と書かれていました。あらかじめスラックを作っておけば、万が一溢れてしまったタスクもそこで吸収できますから、締め切りを過ぎて信頼を失うこともないですし、精神的にも楽になるので、すごくオススメですよ。
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| 千葉順: 1982年生まれ。神奈川県川崎市出身。高校時代に人工知能に興味を持ち、成蹊大学工学部(現:理工学部)に入学。卒業研究は「プログラミングを学ぶe-learningシステムの開発」。2005年、株式会社ワークスアプリケーションズ入社。システムエンジニアとして会計システムの開発に従事し、同社を代表する10人の社員に選出。毎年4万人が志望する同社のインターンシップ運営リーダーも務めた。10年に独立、企業研修、セミナー開催などを行う会社としてHEART QUAKEを立ち上げ、代表を務める。 |
| 松田然:聞き手 SoloPro編集長。千葉順とは創業当時からの友人 |


それで思い立ったのが、ずっと憧れていた起業をするということ。高校生くらいの頃は先生になりたいと思っていたし、ゲームを作りたいと思っていた時期もあったから、ジャンルは教育ビジネスに決めた。
とはいえ、最初はこれといってプランがあったわけじゃないし、崇高な理念があったわけでもない。自分が理想とする生活を実現するためっていう位置付けで始めたんだ。


それに、高校時代に同級生のお父さんが山一証券に勤めていて、すごく優秀な方だったのに、突然の倒産で職を失ってしまった。それを見て「どんなに優秀で頑張っていても、失業のリスクはある」と知ったんだ。その時のことがいまだに頭の中に残っていて、「がむしゃらに頑張るだけが人生じゃない」って思ったのかもしれないね。




それは当初の「時間の制約からの解放」っていう起業の目的にもかなってる。そこが素晴らしいと思って、このゲーム研修をやることにしたんだ。




2つめの方法は、「can(できること)」と「must(求められること)」の輪が重なるところでビジネスをやること。僕の場合は徐々に「やりたいこと」につながっていったと言ったけど、世の中には「will(やりたいこと)」をやるために起業する人が多いと思うんだよね。ただ、現実的には「can」と「must」の重なるところにチャンスがある場合が多い。
そして3つめは、クライアントを選ぶこと。僕らも今後は、事業そのものは変えることなく、対象となるターゲットを広げたり、法人中心に変えようと思ってる。


「またこれやってるな……」と思ったものは、無くせないか、自動化できないか、アウトソーシングできないかってことは常に考えている気がするね。








休み期間中は心の余裕と実験のための時期。本は年間100冊くらい読んでいるし、普段行けないセミナーに行ったりもする。そうそう。ブログにも書いたんだけど、この夏はポケモンを全部集めて、カラオケで95点取って、ハーフマラソンで2時間切るという目標を全部達成したよ(笑)。


値下げに関しても、僕はビジネスは等価交換だと思っているから、値下げって概念がそもそも分からなくて。だからもし値下げを要求されたら、「じゃあ導入事例として写真と御社名を掲載させてください」って言うね。それを断られたら交渉決裂。「こちらが値下げする代わりに、あなたは何を差し出すんですか?」って思ってしまうよね。









だから今後は、自分の周りにいる人たちも一緒に暇にしてしまおう、と。そのため自分たちでビジネスを作って、そこに友達も転職させてしまうことまで考えてる。ゆくゆくは”暇経済圏”みたいなものを作っていきたいんだよ。
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