フリーランスとして独立は1つの手段。思考停止して、行動できなくなることが一番まずい。 コミュニティデザイナー 中村 慎之介(25)

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「一時期流行ったノマドワーカーと同じ感じでフリーランスっていう言葉がひとり歩きしてしまっている感覚が少しある、大切なのは独立することや、その後付く肩書などではない。どう自分の人生を生きていきたいかを真剣に考えて、行動することだと思う」

そう語るのは、湘南や箱根を拠点にゲストハウスやホテルの企画運営を手がける中村 慎之介、25歳。約5ヶ月前に会社員を卒業し、フリーランスになったばかりの彼は、自らの理想のライフスタイルを追求しながら、コミュニティ作りのプロとして活動し、さらには日本の良さをもっと世界に伝えたいという志のもとビジネスを立ち上げている

今回はSoloPro編集長の松田然が、そんな彼の独立にいたった経緯や今後のビジョンを掘り下げると同時に、これから独立したい人に向けて、今だからこそ言える等身大のメッセージをいただいた。

中村 慎之介:

コミュニティデザイナー。2017年8月より箱根・強羅に訪日外国人向けのゲストハウス「HAKONE guesthouse gaku.」をプレオープン。また同年10月より新宿五丁目にオープンした「INBOUND LEAGUE」にはILER(インバウンドリーグアントレプレナー)として関わる。今後もライフスタイル提案型のコミュニティづくりをミッションに、熱海や湘南・材木座、海外はバリ島でもコミュニティ空間をプロデュース予定。湘南在住。

松田然(もゆる):

フリーランスの働き方をアップデートするメディア「SoloPro」編集長。ライターカンパニー「合同会社スゴモン」代表。自転車旅ライター(仕事をしながら47都道府県走破)、月の半分は旅か出張で東京以外で過ごすライフスタイルを実験中。他、フリーランス向けのコーチングやオンラインサロン「FreeRun`s」も主宰している。

Contents

独立から逆算してキャリアを作ってきた会社員時代

取材中イメージ
もゆる
今、フリーランスになってからどのくらい経つのかな?
中村
まだ5ヶ月ほどです(2017年12月現在)。
もゆる
今、このタイミングだからこそ聞きたいんだけど、独立するってどう? 楽しい?
中村
まだ経験が浅いのでなんとも言えませんが、仕事・遊びを問わずにやりたいことがあまりに多すぎるのが嬉しい悩みですね(笑)

仕事と遊びの垣根がなくなってきているので、自分の理想のライフスタイルを追求することができる点は、独立する良さの1つだと感じていますし、楽しいですね。

もゆる
そもそも25歳という若さで独立してそう感じるのはすごいことだと思うけど、なんでフリーランスになろうと思ったのかな? 自分が25歳の時なんて、海外を放浪していて、ホームステイ先の近くの湖で石切して遊んでたからね、毎日w
中村
僕も海外で影響を受けた一人です。バックグラウンドとして、10代の頃から起業願望が強かったのですが、そのきっかけは高校2年生の時に体験したNYへの短期留学です。

あの世界最大規模の都市の中で日本企業の看板がたくさんあったのが印象に残って。例えば手に職を持った職人さんだったり、俳優・芸能人のような一芸に秀でているものが自分にはないと感じていたのですが、ビジネスの世界なら年齢とか能力関係なく頑張ったら頑張った分だけ返ってくるし、やりがいがありそうだと。もちろん若気の至りで、今はそう思わないこともありますが(笑)

もゆる
高校生の時に世界を知ってビジネスに興味を持ったんだね。それから大学に行って何かを学んだのかな?
中村
大学には行かなかったんですよね。実はイギリスの大学を受けて内定はもらっていたんですが、それを蹴って、起業することから逆算して進路を考え、19歳のときにベンチャー企業に入社しました。
もゆる
逆算してというのは、起業することを見据えて今やるのは大学の勉強ではなく、早くからビジネスの世界を知った方がいい……という感じかな?
中村
尊敬する社長さんと話す機会があり、「中村くんが本気で起業したいなら……」と、いろいろなアドバイスをいただいたことがありました。それで、本気で仕事に取り組める環境にまずは飛び込もうと。
もゆる
今、25歳だから、6年間会社員として修行したんだね。
中村
そうですね。最初に入社した企業は、起業家を総合的に支援する事業を行っていたため、クライアントは皆さん起業家、経営者でした。さらには社員も起業家志望の人が9割ほどいる会社だったんです。
もゆる
それは刺激的だね! 転職も経験したのかな?
中村
はい。2社目では、より社長と近い距離で事業の立ち上げ経験をしたため、常に自分でビジネスを始めるときをイメージしながら働いていました。独立するきっかけは、その時の社長に「独立してみたら? 応援するよ!」って言われたことです。

やるなら今だなと思い、そのアドバイスをいただいてから1ヶ月後には退社してフリーランスになり今にいたります。

もゆる
世間的にはまだ若い年齢だけど、今まで独立を視野にしていたからこそ、満を持しての独り立ちだったんだね。

人が集まる場づくりを担うコミュニティデザイナーへ

スタッフ集合写真
もゆる
独立してからは、まず箱根にゲストハウス「HAKONE guesthouse gaku.」を立ち上げ運営に関わっているみたいだけど、ここのコンセプトや、その事業をするきっかけを知りたいな。
中村
はい。ちょっと宣伝気味になってもいいですか(笑)?
もゆる
その場合、広告料としてお金とるけど大丈夫かな? というのは冗談で、どうぞどうぞ。知りたいし、行きたい。
中村
ありがとうございます!独立してすぐの2017年8月より、箱根の強羅という場所に訪日外国人向けのゲストハウスを立ち上げました。”feel NATURE, be WILD”をコンセプトに、日本が誇る箱根の大自然を堪能して貰えるような空間にデザインしています。

オリジナルのPVを撮影したのでよろしければご覧下さい。

もゆる
あれ、この映像に中村くんも出てなかった?
中村
はい……つい出たくなってしまいまして(笑)

あ、先ほど訪日外国人向けと言いましたが、日本人のお客様も大歓迎です!屋上スペース(gaku. ROOFTOP)ではBBQやグランピングができたり、1階(gaku. GARAGE)ではビリヤードも楽しめるので、「なんか普通の旅館飽きたよね〜」って方にもご満足いただけるかと思います。年明けにはクラウドファンディングを利用して、さらなる設備投資も行っていく予定です。

rooftop.image
もゆる
中村くんは、フリーランスとしてコミュニティデザイナーという肩書きだけど、ホテル運営オーナーとは違うんだよね?
中村
僕は場づくりがミッションのフリーランサーですね。ただ立ち上げだけやるという意味ではなく、オープン後のオペレーション設計や初期のスタッフ採用、売上管理なども行います。今、他にも湘南の材木座や熱海の方にもホテルの立ち上げを企画していて、2018年にはバリ島にも拠点をつくる予定でいます。
もゆる
全部、素敵な場所! 個人的にも旅やトライアスロンの練習などで馴染みのあるところだし、自分が運営するフリーランスの健康オンラインサロン「FreeRun`s」の合宿などでも使いたい!
中村
なんかやりましょうよ!
もゆる
やろう!ということで、まずは箱根でこんなイベントやります(宣伝)

■ 日時:2018/2/3(土)〜4(日) @HAKONE guesthouse gaku.
>> FreeRun’s RunTrip in Hakone

働き方を自らデザインし、将来を見据えた挑戦を

gaku_garage
もゆる
ちょっと取材の本題からはそれたけど、フリーランスになって不安なことや楽しいのことなど、ざっくばらんに聞きたいな。
中村
独立間もないため、毎月25日に給与が振り込まれない怖さみたいなものはなくはないのですが、日本で暮らしている以上、死ぬこともまずないのであまりリスクとは感じていません。

それより、自分が今の事業をやるべき理由や、なぜやるのかといったストーリーを意識するようにしています。

もゆる
そういうことを意識することで、会社員時代と比べると働き方はどう変わった?
中村
以前は基本的に9時〜17時、週5日勤務の、土日休みといった働き方でした。

それが、いまは”好きなときに好きな場所で好きな仲間と動ける”ようになってきていて、だからといってゆっくりしているわけではなく、ほとんど週7日常にオンでいます。

そのスタイルは一見疲れそうにみえて、好きなことに熱狂しているため、会社員時代よりも間違いなく幸福度は増しています。働く場所も、箱根と湘南にそれぞれ週2日〜3日くらい、それ以外は東京での打ち合わせや、地方や海外を訪れることも多くなりました。

もゆる
働き方を自らデザインしている感覚かな?
中村
そうですね。これからは誰もがクリエイティブに自分の働き方や生き方を考えないと損する時代だと思います。

もちろん自分だけが楽しければいいって意味ではなく、社会の一員として自分がどんな役割を果たしていきたいかは常に考えながら生きる必要があると思います。僕自身、この感覚も会社員時代は”会社(チーム)の一員としてどんな役割を果たそう?” だったけど、独立してからより大きな社会、また対極にあるようだけど、身近な大切な人のことも意識するようになりました。

もゆる
独立すると自分が食べることが働く目的になったり近視眼的になりやすいからね。まずはそれでもいいと思うけど、社会の中でどんな役割を担うかっていうのは持っていきたい視点だね。中村くんはその意味で、今後やりたいことはあるのかな?
中村
大きい視点の話をすると、日本が持っている良さをもっと世界に向けて発信していきたいと思っています。

実は社会人になってから、地方に行く機会がほとんどなくて、行っても東京の隣の千葉県くらいだったんです。それが、最近ではいろいろな場所に行くようになって、日本には素晴らしいものがたくさんあることに気づくことができました。

2020年以降も、日本という国は、観光収入が増えることで国として栄えていくと思うので、僕もまだ微力ながらインバウンドビジネスで貢献できる仕事をしていきたいと思っています。

具体的には、今年の10月に「INBOUND LEAGUE」という小田急グループのUDS株式会社が新宿五丁目に立ち上げたインバウンド事業を支援するコミュニティスペースがありまして、そちらのプロジェクトにも積極的に関わり始めています。

INBOUND LEAGUE:http://inbound-league.jp/

「INBOUND LEAGUE」は、インバウンド関連の情報、ノウハウ、人が集まり、僕のようなインバウンドベンチャーを総合的に支援するリアルプラットフォームのような場です。僕自身プレイヤーとして活動しつつ、ベンチャー同士、大企業、行政とも連携したアクションを起こしていければとワクワクしています。

もゆる
自分の働き方をデザインしていくと同時に、将来やりたいことも見据えているんだね。最後に、これからフリーランスや起業したいと思っている人に伝えたいことがあれば、メッセージをいただいていいかな。
中村
では、こちらもちょっと大きな視点の話をしますね。これから人生100年時代と言われていますが、つまり健康でいれば、70、80歳まで働くことが当たり前になると思います。

もし、今が30代で、あと40年働くとして、自分がどうなりたいかと考えると、目先の給料よりも今後のビジネスライフで何を目指していきたいのかが大事なのかなと。

そう考えるとフリーランスになることや起業することは、単なる手段でしかなくて、将来を見据えて必要なスキルや経験が得られる環境なのかという観点で、進む道を選んだほうがいいのかなと思うんです。

思考停止してしまい、行動できなくなることが一番まずい。小さな一歩でも良いので動いてみてください!

 

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