コテージもWi-Fi付き!スキーやサウナを満喫しながら仕事ができる、ニセコ町のワーケーションは家族連れに最高だった

昨今注目を集めているワーケーション。私もこれまで国内外を問わず、全国各地を訪れてレジャーを楽しみつつ仕事をしてきました。会社経営、メディア編集、ライターなどいくつかの顔を持って働いていますが、ほとんどはパソコン1台とインターネット回線さえあれば完結可能。また、趣味は走ること(指導者としても活動中)ですが、いつもランニング用品を持参して見知らぬ場所を走るのも楽しみの一つ。ときには現地でランニングイベントを開催させて頂くこともあります。

しかし1つだけ、ワーケーションに課題意識がありました。それが、4人の子どもがいるということ。たまに誰か1人を連れての“子連れ出張”は行ってきたものの、そうすると家のことは妻に任せなくてはいけません。とはいえ6人家族となると…移動だけでも大変。まして旅先で仕事も両立させるとなると、結局は妻に子ども達を任せるなどハードルが一気に上がります。

そんな中、私のような子持ちの方におすすめのワーケーションスポットに出会いました。それが、北海道ニセコ町です。どんなワーケーションが実現できたのか、ぜひご覧ください。

三河賢文
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心にライティング・編集など行っています。2010年に独立し、4児の父親として育児と仕事の両立中の“大家族”フリーランス。自分なりの“自由な働き方”を実践しています。ナレッジ・リンクス(株)代表やNPO法人HASHIRU 理事、ランニングコーチなど、複数の顔を持つパラレルワーカーです。

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ニセコ町ってどんな場所?

ニセコ町はワーケーションのモデル事業に取り組まれており、これを支援するワンストップビジネスセンター社からのお声がけでニセコ町に伺うこととなりました。同社はバーチャルオフィス事業等を展開しており、今後さらに“働き方のバリエーション”を増やすうえで、魅力ある自治体との出会いを作るため、ワーケーション支援を始めたとのこと。そしてニセコ町では二拠点生活や将来的な移住促進なども視野に入れつつ、より広くニセコ町の魅力を知ってもらうための方法として、ワーケーションに着目したそうです。

そんなニセコ町は人口約5,000人。“パウダースノー”で知られる人気のスキースポットであり、国内外から大勢の観光客が集まります。また、人口も増加傾向にあり、住民は国際色が豊か。今回ワーケーションで現地アテンドを担当してくださったニセコ中央倉庫群の奥田啓太さんも、札幌から移住して起業された方の一人です。

羊蹄山をはじめ自然に恵まれたニセコ町は、夏場でも登山などアクティビティが豊富。今回は成田空港から新千歳空港へ向かい、さらに3時間ほど高速バスでニセコ町に伺いました。しかし新幹線の整備が進んでいるようで、いずれは札幌から30分ほどに着くようになるそうです。そうなれば、さらにニセコ町でのワーケーションは身近なものになるでしょう。

スキー×仕事

2日間はスキー三昧で楽しみました。冬のニセコ町といえばスキー!ワーケーションでもメインのアクティビティです。子どもたちは初めて、私も20年以上ぶりのスキー。「滑れるのか?」と不安だったのですが、なんと今回は特別に豪華なインストラクター付きでビックリ。利用したのはモイワスキー場ですが、数あるニセコ町のスキー場の中でも初心者向けとのこと。しかし、初心者なら大満足できます。

子ども達は元気いっぱい!なので、やはりスポーツが一番でしょう。特に初めてのことへのチャレンジは、人生においても大切な経験になります。初心者だからこそ成長も早く、短時間でもできることが増えるので嬉しそうに取り組んでいました。年の離れた三兄弟、みんな一緒にスポーツする機会はなかなかありません。そういう意味で、日常では難しい家族交流の時間になったのかなとも思います。

ちなみに、娘は妻と雪遊び。すぐ近くに休憩所があったので、そちらを行き来しながら過ごしたそうです。休憩所はリフト乗り場すぐなので、何かあればすぐに駆け付けられるのもポイントの一つ。呼び出されることはなかったですが、ランチは一緒に取るなど合流しやすい環境でした。

しかし楽しいアクティビティ中も、ワーケーションでは仕事が舞い込みます。私も滑っている最中に連絡が入り、何度か子ども達をインストラクターに任せて仕事しました。そんな中、データ容量の大きなファイルをアップロードする必要があり、テザリングでは時間が掛かり過ぎて困る…という事態が。しかし「食堂ならWi-Fi使えますよ」と教えてもらい、リフトから徒歩すぐの食堂へ。ほんの数分で作業が完了し、その後もたびたび食事ついでなど仕事に利用させてもらいました。まさかスキー場で仕事するとは思いませんでしたが、いざとなれば働けると分かっていれば思い切りスキーを楽しめます。

宿泊×仕事

宿泊先がコテージだったので、事前に「インターネットは使えないかも」と伺っていました。しかし実際のところ、宿でネット環境がないと困る人は多いでしょう。特に悪天候で外に出られない際などは、かなりマイナスな要素と言えます。

しかし、いざ伺ってみるとWi-Fi完備。さらに宿の方が気を利かせてくださり、ストーブ横に電源付きのワークスペースを作っておいてくださったのです。ホテルであればWi-Fi完備はもはや基本となっていますが、コテージではなかなか珍しいのではないでしょうか。

朝起きて仕事を済ませ、家族が起きたらアクティビティや買い物へ。そして帰宅したら、妻が夕食を用意してくれている間に仕事する。子ども達の賑やかな笑い声が聞こえる中ではありますが、十分に仕事がはかどります。私は独立以来ずっと10年以上も在宅ワークを基本にしているので、宿がもっとも仕事しやすい環境だったかもしれません。

子どもを遊ばせながら働けるスポットがたくさん

雪が激しく降っていると、さすがにスキーなど屋外でのアクティビティは難しくなります。そんなときは、室内遊びできる場所へ。今回は3カ所で、子ども達を室内で遊ばせながら仕事ができました。

滞在中の業務拠点として利用できるのが、ニセコ駅からすぐの場所にあるニセコ中央倉庫群。旧でんぷん工場はコワーキングスペースのような環境で、もちろん電源&Wi-Fiは完備です。また、今回は利用せずに終わりましたが、スタッフの方に声を掛ければプリンターも使えるとのこと。月末の請求書発送が…なんていう場合でも安心です。

室内の一画にはキッズスペースが設けられていて、絵本やおもちゃもあります。一緒にテーブルで宿題させて、終わったら仕事が終わるまで遊ばせる。目の届く場所にいてくれますし、1~2時間ほどは飽きずに遊んでくれました。飲食もできるので、そのまま食事して再び遊び&ワークなんていうのも良いでしょう。

同じニセコ中央倉庫群には、多目的に利用できる広い倉庫もあります。なんとこちらもWi-Fi完備で電源も利用可能。室内にはトランポリンや滑り台などの遊具を設置いただいていたほか、大きなロールスクリーンで映画まで観られるようになっていました。

これだけ広いと、室内でも思いっきり声を出したり、身体を動かしたりして遊べます。動きたがりの小さなお子さんがいるご家庭なら、最高のスペースでしょう。うちの子ども達も室内を駆け回ったり、用意されていたスケボーに挑戦したりして遊んでいました。

気分を変えて仕事するなら役場がおすすめ。高気密高断熱で快適に造られた新しい役場で、テーブル席とカウンター席が用意されています。私が訪れた際は、他にも数名がこちらで仕事していました。

さらに1階には、木で遊んだり本を読んだりできるキッズスペースも。今回は妻が子ども達を見てくれていましたが、このキッズスペース横にもデスクスペースがあるので、様子を見ながら仕事できます。

町長が目指すのは子どもが安心して暮らせる町づくり

実は今回、なんと片山健也町長にお話を伺う機会が。そこで印象的だったのが、「子ども達が安心して暮らし続けられる街づくり」という言葉。そしてその際に見せる町長の笑顔でした。この思いがあるからこそ、さまざまな場所に子ども達の遊べる場がたくさん設けられているのでしょう。子育て世帯としては、ワーケーションにおいても非常に恵まれた環境だと感じます。

ニセコ町では地域全体でWi-Fiなどの環境整備が進んでおり、ワーケーション時にも働きやすくなっています。万が一に備えてテザリングやモバイルルーターを用意しておくことは大切かもしれませんが、少なくとも今回の滞在中、電源&Wi-Fi難民になって仕事に支障が生じることはありませんでした。

ニセコ町はランニング&サウナ好きにも最高!

最後に個人的な趣味である、ランニングとサウナとの相性についてもご紹介しておきます。私は毎日のようにランニングしており、「仕事に疲れたら走る」のが日常です。また、長男は陸上競技部で長距離に取り組んでおり、ニセコ町でも一緒に2回ランニングを楽しみました。

滑らないよう、シューズに簡易的なスパイクを装着。最初は「寒いから」と乗り気じゃなかった長男も、1kmほど走れば身体も温まり楽しそうに走ります。フカフカの雪、あるいは滑る路面を走る機会なんて日常ではほとんどないので、貴重な経験になったことでしょう。何より雪上ランは、自然と体幹が鍛えられて効率的なランニングフォームが身につきやすいので、トレーニングにおすすめです。

走っていれば、目の前には絶景が広がります。この景色を見るだけで、寒さや疲れなんて吹っ飛んでしまうほど。ランニング中ですが、つい足を止めて写真撮影してしまいました。季節によって景色も違うので、ぜひ夏などにもニセコ町を走りに行きたいものです。

そして運動で汗をかき、冷えた身体は温泉で癒す。ニセコ町には数多くの温泉が点在しており、好みの温泉を探すのも1つの楽しみになるでしょう。私たちも滞在中、5カ所の温泉を巡りました。いずれも泉質など異なり甲乙つけがたいのですが、個人的に気に入ったのは、ニセコ駅すぐにある「ニセコ駅前温泉 綺羅乃湯」。なぜならこちら、訪れた中で唯一、サウナで“ロウリュウ”(サウナストーンに水を掛けて温度を上げる)できるのです。

好みのサウナ温度は人によって異なりますが、熱いの好きな方だと、いずれの温泉でも物足りなく感じるかもしれません。しかしロウリュウできれば、この問題は一発で解消されます。もちろん、他の方がいると気を遣わなければいけません。でも露天風呂に入りながらタイミングを伺い、誰もいなくなったタイミングでサウナへ。肌が焼けそうに感じるくらい、ロウリュウで熱々になったサウナを堪能できました。屋外にあるので水風呂も非常に冷たく、そのまま外気に当たれるのもおすすめのポイントです。

もちろん食事も美味しく、お陰さまで最高に楽しい1週間を過ごさせてもらったニセコ町でのワーケーション。これまで訪れたことのある地域の中では、特に家族連れワーケーションという面でとても優れた環境でした。単身や1~2名の子を連れての親子出張はたくさん経験してきましたが、これからは家族ワーケーションも積極的に行いたいなと思います。その中で「ここだ!」という場所が見つかれば、二拠点生活も視野に入れるかもしれません。これからワーケーションをお考えの方は、ぜひ候補の一つとしてニセコ町を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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