忙しい日々に、潤いを。
自然と対話する非日常を通じて、豊かさの循環を体験できる場所が、都心からわずか1時間半のところにあります。
東京都奥多摩、青梅線沿いの多摩川上流エリアにある『Satologue(さとローグ)』。
地域の歴史・文化・自然や、 そこに住まう人々のいとなみといった「里の物語」を感じられる体験を通じて、心も体も“ぽっかぽか”になる場所でした。
今回は、旅とサウナ好きなSoloPro編集長の松田然が現地の体験をレポートします。
Contents
自然と人とのつながりを感じる場所
皆さんは東京の奥多摩にどんなイメージがありますか?
私自身、生まれが西東京エリアだったので、学生時代はキャンプやバイクツーリングなどでよく遊びに行った場所でした。
その時に感じていた魅力は、自然が広がるエリアへのアクセスの良さ。都会の喧騒を忘れる静けさがあり、聞こえるのは鳥の声や川のせせらぎといった自然の音。渓谷沿いを縫うように走る青梅線や、山間にひっそりと佇む集落、有名観光地ではないからこその素朴な雰囲気がとても素敵です。
この地に、2024年5月にオープンしたのが『Satologue(さとローグ)』。
里山のいとなみと自然の恵みを大切にしながら、訪れる人々とともに新たな物語をつむいでいくというコンセプトのもと、レストラン、サウナ、そしてホテル(2025年春オープン予定)を営んでいます。
館内は、古民家を改修したモダンな創り。エントランスには、林業の要所であった当時の写真が置いてありました。
青梅・奥多摩の歴史を紐解くと、江戸時代は木材を多摩川に流して街へ運ぶ林業が里山のくらしを支えてきたそうです。Satologueでは、お食事前に実施している「フィールド散歩」の際にも、スタッフからこの地の歴史や奥多摩の自然について案内があります。地域の背景を知ると、好奇心が刺激されて、サービスへのこだわりをより感じられます。
フィールド散歩は、養魚場跡地を再生したビオトープや自家農園、きのこの菌床培地やワサビ田などを周りながら、土地と対話しているような気分になれる素敵なツアーでした。
ーー では、早速お目当てのランチへ。
五感で味わうこだわりの料理:レストラン「時帰路 TOKIRO」
「地域の食文化や課題を発掘し、新しい価値を吹き込み、創造する場であること。」
そのコンセプトを体現しているレストラン「時帰路 TOKIRO」にて、奥多摩の地元食材を使った沿線ガストロノミー(※1)を提供しています。
※1 沿線ガストロノミー(「ローカルガストロノミー」が、地域の風土、歴史、文化を料理で表現 することであるのにもとづき、沿線地域の風土、歴史、文化を料理で表現する意味の造語)
自家農園で育てられる野菜や、地域の生産者から届く食材が五感を喜ばせる一皿に。東京の奥多摩でいただく地産地消のグルメは、都会では味わえない贅沢なひとときになりました。
「タルトに使っている山栗は、シェフ自ら山に入って採ってきたもので」
「このいちじくの葉っぱは、お隣の住んでいるおばあちゃんにいただいて……」
スタッフの方々が、1つひとつのメニューのこだわりや、食材に込められた里山の物語を伝えてくれたので、目で耳で舌で味わえたのが印象的でした。
地域のつくり手たちから届く旬な食材を使ったフレンチベースのコースをぜひ体感してみてください。
風土とつながる薪サウナ「風木水 FUKISUI」
良いサウナの条件を1つ上げるとしたら、水風呂の水質、自然を感じる外気浴、薪サウナ……
やっぱり1つに絞るのは難しいのが正直なところですが、Satologueのサウナ「風木水 FUKISUI」には、この全てが揃っていました。
先ほどのレストランと、こちらのサウナを設計を担当したのは、瀬戸内海に浮かぶ移動式ホテル「guntû(ガンツウ)」などを手掛ける堀部安嗣氏。敷地内にあった倉庫を改築して薪サウナとして甦らせ、水風呂には清らかな川の水を引き込むなど、こだわりに溢れていました。
林業で栄えた奥多摩の木材を薪として使用する檜のサウナ小屋。薬草やハーブを使ったロウリュ水で、心地よい香りを楽しみながら汗を流せます。
外気浴スペースでリフレッシュしたら……もう帰りたくない(笑)
貸切で利用できる特別な体験。ぜひ、ご自身の身体と心が自然に溶け込んでいく感覚を味わってみてください。
奥多摩に移住したマネージャーが語る、この地の魅力
サウナでととのった後に、マネージャーの秋山拓実さんと話す機会がありました。
「サウナはいかがでしたか? 建築家の堀部さんは、全国のサウナを渡り歩いて、ご自身が作りたいサウナをここで表現されました。奥多摩は林業で栄えた町なので、地元で採れた薪で火を起こし、敷地内に流れてくる川の水を使った水風呂に入る。そして、この山々の自然に抱かれた外気浴。JR青梅線の電車が約40分に1本通るのですが、目をつぶっていると音が段々と近づいてきて、また離れていく風情のある”ととのい”も体験できます。
また、サウナで使った木材の灰は畑に巻いて肥料にし、育ったお野菜をレストランで提供したり、本日のメニューにあった東京和牛の炭火焼きは、地元のおじいちゃんからいただいた炭で香り付けした一皿だったり、Satologueを通じて良い循環が生まれています。
あと、私が個人的におすすめしたいのは奥多摩の朝の雰囲気です。山に霧がかかり、そこに朝日が差し込む光景などはとても神秘的なんです。都心から電車ですぐ来ていただける場所ですし、普段はこの場所に住んでいる人しか味わえない風景を、宿泊いただくことで楽しめます。ぜひ、今春オープンするホテルに泊まって体験して欲しいですね」
奥多摩に移住し、Satologueの魅力やこの土地の豊かさを伝える「語りべ」として活動している秋山さん。ぜひ、お会いする機会があれば声をかけてみてはいかがでしょうか。
アクセスと利用方法
今回ご紹介した「Satologue」は、JR 青梅線 古里駅・鳩ノ巣駅の間に位置しています。都心から電車を乗り継いで辿り着く小旅行は楽しい時間でした。
所在地:東京都西多摩郡奥多摩町棚澤 1 交通手段:JR 青梅線「古里」駅 徒歩15分 / JR 青梅線「鳩ノ巣」駅 徒歩20分 ※鳩ノ巣駅には電動アシスト自転車 (HELLO CYCLING)、電動トゥクトゥク(Emobi)を設置(冬季休業の場合もございます。詳しくは各サービスHPをご覧下さい)) |
『Satologue』がもたらすもの
心と体を温める新しい選択肢。
ただのリフレッシュではなく、忙しい日常をちょっとだけ離れて自分と向き合える。地域の人と人のつながりや、その土地の風や木、水などに触れ、すべてが循環している自然のいとなみを知ることで、自分にとって心地よい生き方や働き方に気づける場所。
国内外いろいろな観光地がありますが、大都市東京の自然が色濃く残る奥多摩エリアにできた『Satologue』には、そんな魅力がありました。
少し羽を休めたい日に、あなたも新しい物語をつむぎに出かけてみませんか?
Satologue公式HP:https://satologue.com/
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