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執筆 - ソロプレナー(一人起業家)のウェルビーイングをととのえるメディア:SoloPro.biz (ソロプロ)」 https://solopro.biz ソロプレナー(一人起業家)のウェルビーイングをととのえるメディア Sun, 02 Aug 2020 14:15:55 +0000 ja hourly 1 https://solopro.biz/wp-content/uploads/2021/11/cropped-5b78b44577f015eb4426c00956bb1164-32x32.png 執筆 - ソロプレナー(一人起業家)のウェルビーイングをととのえるメディア:SoloPro.biz (ソロプロ)」 https://solopro.biz 32 32 敏腕プロデューサーから森の住人に転身。四角大輔さんが提唱する、「自分らしく働く」ためのアーティストモードとは? https://solopro.biz/daisuke-yosumi/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=daisuke-yosumi https://solopro.biz/daisuke-yosumi/#comments Fri, 20 Jan 2017 01:06:10 +0000 http://solopro.biz/?p=1080 四角大輔さんという人物をご存知でしょうか? 15年間勤めた大手レコード会社では、絢香、Superfly、平井堅、CHEMISTRYといった誰もが知る有名アーティストを手掛け、7度のミリオンヒットを記録。売り上げたCDの総...

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四角大輔さんという人物をご存知でしょうか?

15年間勤めた大手レコード会社では、絢香、Superfly、平井堅、CHEMISTRYといった誰もが知る有名アーティストを手掛け、7度のミリオンヒットを記録。売り上げたCDの総枚数は2000万枚を超えるというスーパープロデューサーです。

しかし、そうした栄光に満ちた過去の生活を捨て、2010年1月にニュージーランドへ移住。現地の、原生林に囲まれた湖の畔で低消費・半自給自足の“森の生活”を営みつつ、一年の半分は世界中を旅しながら過ごしているといいます。

収入は会社員時代の半分以下。それでも自由で自分らしいライフスタイルを実現し、フライフィッシングや登山、旅といった自分の趣味を仕事にできている四角さんの生き方に、憧れる人は少なくないはず。とはいえすぐに頭をもたげるのは、次のような疑問です。

「それって、四角さんだからできているんでしょ?」

今回、SoloPro編集部は、仕事で東京を訪れていた四角さんと接触することに成功。ニュージーランドへ帰国するまでのわずかな時間をもらって、「自分らしく働くには?」というこのメディアのテーマをど直球でぶつけてきました。

結論から言うと、「誰にだって自分らしく働くことは可能だ」というのが、四角さんの答え。そしてそのカギは、自分をいかに「アーティストモード」に持っていけるかにあるといいます。

「人は誰もがアーティスト(表現者)」と語る四角さんに、自分らしくありたいと考える全ての人に向けて、メッセージをもらいました。

◎四角大輔

執筆家・アーティストインキュベーター・森の生活者

7度のミリオンセールス、CD売上2千万枚を記録したレコード会社プロデューサーの職を捨て、美しい野生魚と冒険を求めニュージーランドへ移住。大量消費社会から距離を置き、持続可能でインディペンデントな生き方を目指し、湖畔の森で自給自足ベースの森の生活を営む。年の半分近くは、世界中で移動生活を送りながら、独自メディア〈四角大輔のすべて|4dsk.co〉やInstagram、『ソトコト』『PEAKS』『Mac Fan』など多数の連載、著書を通して、独特のオーガニック思想とライフスタイルシフト論を提唱する。フライフィッシング冒険とロングトレイル登山をこよなく愛し、アウトドア系雑誌では表紙や特集に頻繁に登場。クリエイティブやライフスタイル関連企業のアドバイザー、上智大学非常勤講師、商品開発の分野でも活動。著書にベストセラー『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』、最新刊『The Journey 自分の生き方をつくる原体験の旅』など。

人は誰しも表現しながら生きている

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アーティストというと、一部のミュージシャンや芸術家のことを指していると思うかもしれない。けど、そうじゃない。人は誰もが表現者というのがぼくの考え。人が自分らしくいる「状態」のことを、アーティストモードと呼ぶことにしたんだ。

ここでいう「表現」には、言葉以外のものも当然含まれる。例えばぼくの場合で言えば、ニュージーランドで森の生活を送っているライフスタイルそのものが表現だし、世界中を旅しながら働き、暮らすモバイルボヘミアン・ライフ自体も表現だ。

日本で一般的に仕事だと考えられているようなことを、基本ぼくはしていない。徹底して、自分が人生を賭けてでもやりたいこと、表現したいことだけを追求していて、結果、その一部がマネタイズされるから仕事になる。その意味では、自分らしく生きるということとアーティストモードは、ほぼ同じだと言えると思うんだ。

なぜ自分らしく表現しながら生きることが大事かと言うと、アーティストモードに入ると、集中力が高まる。そうするとクリエイティビティも高まってゆく。つまり、その人のパフォーマンスがもっとも高まるのがアーティストモードという状態ということになる。

スポーツの世界でよく言われる、ゾーンとかフローの概念に近い。もっとも自分らしい状態で、時間を忘れて夢中になって何かをクリエイトしている状態。これこそが、アーティストモードの究極の形だ。

自分らしくいられる居場所を見つけられるかどうか

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もともとはぼくも、舞台の上で圧倒的なパフォーマンスを発揮するいわゆる音楽アーティストと、裏方であるプロデューサーの自分自身との間に線を引いて、別物だと考えていた。

でも裏方とはいえ、ぼくだって会社やアーティストの言いつけ通りに動いていたわけじゃない。自分の美意識や正義に基づいて本気で行動した結果、上司やアーティスト、取引先と、相容れない時は頻繁にあった。そんな時は、彼らと本気でぶつかるべきなんだ。つまらないプライドや小さなこだわりを押し付けるということではなく、自分が信じる大きなヴィジョンや深い信念を、妥協せず伝え続けるべきだと。そういうやりとりを何年もやっているうちに、ぼくも裏方なりの「表現」をしていることに、ある時気付いたんだ。

じゃあ、経理や人事、総務といったバックオフィスと呼ばれる仕事に就いている人たちはどうか。彼らだって同じだ。例えば経理部の中には、1円のズレもなくお金の計算をすることが得意で、そうすることに夢中になれて、やりがいを感じている人もたくさんいる。数字やExcelを見ただけで頭がフリーズするぼくが、半日かけたってできないことを、彼らは1時間ほどで終わらせてしまうし、その正確性にもかなわない。つまり彼らも、そのジャンルにおいて、自分らしくアーティストモードに入れるということ。そして、美しい表現活動をしているということになる。

でも一方では、嫌々そういった仕事をしている人もいる。そういう人のパフォーマンスは、概して高くない。そして、プロデューサーのような一見クリエイティブな仕事をしていたとしても、その仕事を好きになれず、夢中になれない人は同様に低いパフォーマンスとなってしまう。要は、適材適所かどうかってこと。

だからアーティストモードに入るためにはまず、自分らしくいられる居場所を見つけることが大切だ。本気になれば、個人事業主やフリーランスに限らず、会社員だって居場所は選べる。できないと言っている人は、思考停止しているか、単に妥協しているだけだ。

アーティストモードに入るための2つのスイッチ

とはいえ、誰もが最初から自分らしくいられる居場所を見つけられるわけじゃない。むしろ、イチローのように最初から野球だけをやって成功するような人は、ごく一握りだ。

その場合はまず、与えられた場所でアーティストモードに入るための工夫をすることだ。ぼくが考えるそのためのスイッチは2つある。

1つ目のスイッチは「腹に落とす」ことだ。ぼくはレコード会社に入った当初は営業職だった。レコード会社に入る人の多くはプロデューサーやディレクターを希望するけれど、ぼくは自ら望んで営業になった。

なぜか。

ぼくはもともとレコード会社に入りたかったわけじゃないから、プロデューサーやプロモーターと言われても、そんなカタカナの職業のイメージが全然わかなかった。けれど、最終的に音楽(CD)をお客さんに届ける、営業の仕事の内容はすぐに理解でき、その重要性も腹に落ちたんだ。

ぼくは営業として決して優秀ではなかったし評価は低かったけど、腑に落ちた状態で仕事ができたので、わずかだけど小さな成果は出すことができた。それを見てくれていたある人に、拾われてメディアプロモーターとなり、アシスタントプロデューサーを経て、最終的にプロデューサーで独り立ちすることができた。

ぼくは子供の頃から学校の勉強が嫌いだったのだけれど、英語だけは自主的に勉強していた。これも、幼い頃に父親に地球儀を見せられて、世界のほとんどの人は日本語ではなく英語を使っていること、英語が使えない限りは今いる狭い世界から抜け出せないことを知り、腹に落ちたことが始まりだった。

でも英語も勉強の1つ。ぼくは決して、英語の勉強自体は好きにはなれなかった。でも、自分がやっていることの意味、ぼくの場合だと留学や海外移住といったような、それが最終的に自分のやりたいことにどう役立つかが腹に落ちていたので、たとえそれが好きなことではなかったとしても、アーティストモードに入ることができたんだ。

とはいえ、中にはどうやっても自分を納得させられない、腹に落ちない作業というのもある。そのためにぼくが考えたもう一つのスイッチが「ゲーミフィケーション」だ。ラジオ局でリクエストハガキの仕分けのバイトをしていた時は、100枚のハガキの束をどうすればより速く仕分けられるかをゲームのようにして、自分なりに追求して、毎回新しい試みをやっていた。その結果、つまらなかった単純作業も楽しくなり、集中力が高まるとともにさらに新たなアイデアがどんどん出てきて創意工夫を繰り返すようになった。

結果、圧倒的にパフォーマンスが上がった。ここでもぼくはアーティストモードに入っていたんだ。そんな姿を社員の人が見てくれていて、さらにおもしろくて難しい仕事を任されるようになった。

そうやって高いパフォーマンスを続けていれば、どこかのタイミングで周りから認められ、ピックアップされる。そうすることで、自分らしくいられる本来の居場所へ、どんどんと近付くことができるんだ。

自分が20代だった、あの超閉鎖的な1990年代、20年前でさえそうだった。年功序列が少なくなった今なら、もっとそういうことが起こりやすいとも言えるだろう。

やりたいことが見つからないという君へ

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自分らしくと言われても、そもそもやりたいことが見つからないという声もよく聞く。そういう人に対してぼくは「見つからなくてもいい」と答えるようにしている。

なぜなら、人間の究極の目的は「幸せになること」であって、やりたいことをやる、集中力やクリエイティビティを高める、自分らしくあるというのは、全て幸せであるための「手段」でしかないからだ。

好きなことを仕事にするというのが、万人にとって幸せになるための本当に良い方法なのかは、ぼくも分からないでいる。レコード会社にいた時は仕事に拘束される時間が長く、大好きなフライフィッシングや登山に割く時間を必死になって捻出していた。会社を辞めたら絶対に好きなことだけして生きていくんだ、と誓ってアウトドアの仕事に専念した時期もあったけれど、食いっぱぐれることが怖くて苦手な条件の仕事まで受けていたら、プレッシャーばかり感じてしまい、釣りや登山が楽しくなくなってしまったんだ。

何よりも好きなことを楽しめていない自分に気付き、「人生終わった」と思ったほど。だから今は、一つのことに依存しないでいられるようにと、複数の仕事を並行してやるようにしている。

でも一方では、大好きな1つのことに集中しているのが幸せという人もいる。仕事はそこそこにしておいて、帰宅してからの時間や休日だけ好きなことをやるので十分という人もぼくの周りにいる。それも決して悪い人生ではない。結局、幸せになる方法は人それぞれということだろう。

ただしそうだとしても、仕事の時間を全くアーティストモードに入ることなく過ごすというのは、ぼくはオススメしない。なぜならば、ぼくらは人生において、多くの時間を仕事に費やすわけだから。そうやって自分らしくない働き方を続けていると、全てのベースである「心と体」の健康を失ってしまうことになるからだ。

特に日本は、世界から見ると異常なレベルのストレス社会にある。集中や成長にはある程度のストレスが必要というのは本当だけど、日本のそれは度を超えている。だから、ぼくらは自分の身を守るための流儀を身に付けていないとダメなんだ。

セルフブランディングについてのよくある誤解

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釣り、登山、旅など、たくさんの好きなことを仕事にできているのは、ぼくが特別だからだという人もいる。もちろん、過去にプロデューサーとして圧倒的な成果を出したことが追い風になっていることは間違いない。でも、本質はそこではないと思う。

本質は、レコード会社にいた15年間という、長くて厳しい期間を「1分1秒たりとも無駄にしないぞ」という気迫を持ち、できる限りアーティストモードで過ごすべく努力しながら、その仕事をやりきったことにある。

プロデューサーという職業は華やかなイメージとは裏腹に、多種多様かつ、ものすごい量の雑用に追われる仕事だ。ストレスも肉体的な負担も激烈を極め、体や心を壊して離脱していく人、家庭を崩壊させてしまう人がとても多い。突然死や自殺なども少なくない職種だ。

決して短くない期間を、アーティストモードで過ごすことができれば、仮に大きな成果が出なかったとしても、それは必ず圧倒的な経験やスキルとして身に付いているはずだ。さらに「人間力や生命体としての迫力」、「言葉の重みや目ヂカラ」といった、目に見えないレベルの何か、「凄み」や「オーラ」のようなものが、身に付いているはずだ。

あとは頭脳を使い倒して、そこで身に付けた経験やスキルを言語やビジュアル化し、それを発信し続ける努力をすることが超重要となってくる。つまり、SNSといったセルフメディアを駆使し、自分自身が何者かを表現し、自分の体験をシェアする。

ぼくは、社会においての自分のブランドを確立するのに、レコード会社での15年と、辞めたあと数年を必要としたけれど、デジタルデバイスとインターネット環境がここまで発達した今なら、同じことを10年以内、いや早ければ5年ほどに短縮することが可能だろう。

これまで通りのリアルな現場での経験だけでは、足りない時代になっていると断言できる。リアルな現場経験と合わせて、バーチャルな世界であるITに関するスキルはいまや必須要件になっている。ぼくが今、森で暮らし、世界中で旅しながら働き、生活できているのも、MacBookAirとiPhone、そしてどこでもインターネットに接続できる環境があるおかげであり、それらをフル活用できるリテラシーと能力を努力して身に付けたおかげと言える。

現代を生き抜くためには、ネットを駆使したセルフブランディングは間違いなく重要だ。でも多くの人が誤解しているのは、頭で考えた小手先のテクニックだけでやっても、そこには何の意味もないということだ。

ぼくの場合、ネットでの表現活動は2009年のTwitterが最初。最初の1〜2年は、とにかく自分が好きなこと、自分が興味のあることを、あまり工夫せずそのまま表現していた。それがだんだんと拡散され、フォロワーが増えていき、Facebook、Instagramへ移行するようになり、ある程度の影響力を持った時点から、どういうテーマをどういう言い回しで投稿したらいいか、どんな写真を使ったら効果的かというように、頭を駆使して考え抜いた工夫を加えるようになった。

ウケようと頭だけで考えた、計算だけの投稿をすると、やはり反応は薄い。結局、大切なのは、ブレないこと。自分自身が好きなこと、自分らしい発信であることがもっとも大事で、そこに「心」が宿っていないと、決して人には伝わらない。これは音楽でもまったく同じ。売るために計算だけで創った曲は、結局誰ひとりの心にも届かないんだ。

「心」を宿した上で、そこに道具としての「頭」を使って考えた工夫や計算を掛け合わせる。「心×頭」という最強の組み合わせでの表現や発信ができるようになって初めて、人の心に届く発信や表現となるんだ。

唯一無二の正解などない。変化を恐れるな

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物事にはフェーズというものがある。だからいつでも誰にとっても正解と言える唯一無二のものなんてない。

ぼく自身、ニュージーランド移住後は、複数の仕事を掛け合わせるワークスタイルを貫いてきたという話をしたけれど、実は今、このスタイルに対して違和感を感じるようになってきていたんだ。そんな矢先、7年ぶりに音楽アーティストのプロデュースに携わることになったり、親友と一緒に大きな事業をやるような、新しいワークスタイルシフトが始まっているんだ。そんなこともあり、ここ半年間くらいは、細かい仕事を整理するようなフェーズに入っていた。

自然が常に変化し続けているように、世の中が変容し続けているように、ぼくら人間も変化し続けていくべき、固まったら人間は終わりで「変わり続けることこそが成長であり生きること」というのがぼくの人生哲学。

ぼくも含めて、誰もが過去の成功体験に縛られる。「あの頃はああやってうまくいったから」ということに、どうしても引っ張られ、変化をやめて凝り固まってしまう。ぼくら人間が生きる上で大切なことは、自然や社会変化を常に感じ取って、自分自身も恐れずに変化し続けることだと信じている。

ぼくだって、これまでも今も常に、悩みと試行錯誤の繰り返しだ。今表現しているライフスタイルだって、自分にとっての絶対的な正解というわけじゃない。だからぼくは、これからも死ぬまで、絶えず変化し続けるつもり。今やっている全ては、その過程に過ぎない。

つまり、人生にゴールや山頂なんて存在しない。「あり続けること」「歩き続けること」こそが、人生そのものなんだと思うんだ。

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ベストセラー作家・岡田光世さんに学ぶ、人の心をひらく「聞く力」とは!?【後編】 https://solopro.biz/okada_2/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=okada_2 https://solopro.biz/okada_2/#respond Fri, 09 Dec 2016 15:30:37 +0000 http://solopro.biz/?p=776 ビジネス書やハウツー本と違い、なかなか売れない難しいジャンルであるエッセイで「ニューヨークの魔法シリーズ」が異例のヒット!第1弾を皮切りに、第2弾、第3弾と次々と出版され、2016年12月1日には第7弾が発売。シリーズの...

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ビジネス書やハウツー本と違い、なかなか売れない難しいジャンルであるエッセイで「ニューヨークの魔法シリーズ」が異例のヒット!第1弾を皮切りに、第2弾、第3弾と次々と出版され、2016年12月1日には第7弾が発売。シリーズの累計は35万部となりました。「エッセイでここまで版を重ねるのは異例」と編集者をも驚かせている本シリーズ。では、なぜここまでヒットしたのか、前編記事に続き後編ではベストセラーが生まれた理由に迫っていきたいと思います。

◎岡田光世
東京生まれ。青山学院大学卒、ニューヨーク大学大学院修士号取得。読売新聞米現地紙記者を経て、作家・エッセイストとなる。
高校、大学時代に1年間ずつ、アメリカのウィスコンシン州とオハイオ州に留学し、1985年よりニューヨークに住み始める。今もニューヨークと東京を行き来しながら、執筆を続けている。
著書には、ニューヨークの街の温かい触れ合いを描いた「ニューヨークの魔法」シリーズ、まんがで現地の生きた英語表現を学べ、同時にニューヨークの文化や習慣を知ることができる人気のシリーズ「奥様はニューヨーカー」など多数。
公式HP
公式Facebookページ
・新作著書

大切なのは「聞く力」!? なぜ人は著者にだけ心を開いて、とっておきのエピソードを話すのか

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「ニューヨークの魔法」シリーズには、ニューヨークで暮らしている人達と交わされた、心があたたまるエピソードがたくさん詰まっています。
そんな文章を書くためには、初対面の人から素敵なストーリーを引き出す「聞く力」が必要なのでは!? ということで、まずはその秘訣をうかがってみました。

岡田さん流「聞く力」(1)まず自分が素になること

岡田光世さん
まずは自分が素になることが一番大事なんじゃないかと思います。言葉は丁寧だけれど、本心は何を考えているか分からない人って話していて不安になりますよね。でも自分を隠さずオープンに接すると、相手も心を開いてくれるようになると思います。
でも、私が嬉しい時も悲しい時もそのまま表現するからか、夫には「光世は喜怒哀楽が激しい」って時々言われちゃうんですよね(笑)。
本当はどう思っているか分かりにくい人は、コミュニケーションがとりにくいですよね。だからこそ、自然体で感情をそのまま表現している岡田さんは、相手にとってもコミュニケーションがとりやすいのかもしれません。
岡田光世さん
私は日本でも海外でも、よく人に道を聞いたり助けてもらったりしているのですが、そういう所から会話が広がることがあります。
初対面の人に自分の知らないことを聞いたり、助けを求めたりすることって、ちょっと勇気がいること。でも岡田さんは格好つけずに自分の弱みも見せてしまう。ありのままだから、相手も心を開きやすいし、なんだか助けてあげたくなってしまうのだろう。
逆にガードが固く一人で完結してしまう人は、手を差し伸べる必要や隙間がないから、人も情報も集まりにくいのではないでしょうか。そういう意味でも、素の自分を出せる人は、人も情報も集まりやすいのかもしれません。

 

岡田さん流「聞く力」(2)相手の話を興味を持って聞く

岡田光世さん
本の中には、私が実際に出会った強烈なキャラクターが色々出てくるのですが、私は彼女たちに似ているかもしれません。相手の話を、自分のことのように喜んだり悲しんだりしながら聞いている。みんな聞き上手なんです。
基本的に人って話を聞いてほしいのだと思います。家族の話だって、耳を傾けていない人も多い。例えば私の母は、よく愚痴を言うんですが、仕事で忙しい時はそれを聞くのが面倒に感じることがあります。でも、たまにちゃんと話を聞いてあげると、態度がコロッと変わり、表情が明るくなりますもんね(笑)
一番身近な家族でさえ、一緒にいることが当たり前になってしまい、相手の話をしっかり聞くことを疎かにしがち。だからこそ、自分の話を親身に聞いてもらうと人は嬉しくなり、他の人に話せないような話を岡田さんにしてしまうのかもしれません。

岡田さん流「聞く力」(3)自分とは違う価値観を受け入れる

岡田さんは本の中で、できるだけ「~べき」など自分の主張を書かないようにしているそうです。でも敢えて訴えたいことがあるとしたら、「どこの国のどんな人でも自分と同じ土俵に立っていて、相手がどんな価値観を持っていても、まずはそれを尊重し受け入れること」とおっしゃっていました。
人と接する時も、自分と違う価値観を持っている人を受け入れ尊重すること、偏見を持たないことを意識しているそうです。

岡田光世さん
ホームレスの人だって、自分がいつホームレスになるか分からないし、殺人者だって、もしかしたら魔が差して殺してしまった人もいるかもしれない。
私たちは同じ人間だから、人間として感じる痛みはみな同じ。だから、もし相手が自分と価値観が違っても、その人の痛みを自分のこととして感じること、受け止めたりすることはできますよね。
よく「この人とはもう付き合わない!」とか「許さない!」って思ってしまいがちですが、そんなことを言っていたら、世界平和なんて来ない。世界平和は、そういう身近なことから始まると思うんです。
もし嫌なことを言われたり、されたりしても、自分にはその人のいい所が見えていないだけかもしれない。だから私は、例え相手が私に対して壁を作ったとしても、私は相手に壁を作ったりしないようにしています。

岡田さんが考える、ニューヨークの魔法シリーズがヒットした理由

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ニューヨークの魔法シリーズの内容は、日々の何気ないこと。でも多くの読者が共感した理由は何なのでしょうか。岡田さん曰く、それは日本人がなんとなく感じていた「寂しさ」にあるのではないかとのこと。

日本人は冷たいのではなく、人にどう思われるかが怖いだけ

岡田光世さん
ニューヨークではよく知らない人同士が話したり、助け合ったりしているんです。でも特に東京などでは、知らない人とコミュニケーションをとることがそれほど多くないですよね。
これまで私は、日本はしがらみの社会だから、会社や学校などの人間関係に疲れて、その他ではなるべく人とコミュニケーションを取りたくないのだろうと思っていました。
でも、この本を出版して、読者から「日本もニューヨークのようになったらいいな」とか「この本を読んで、私も人に話しかけられるようになりました」というような感想がたくさん届いたのです。
それを見て日本人は冷たいのではなく、本当は電車の中で席を変わるなど、誰か困っている人がいたら助けたいと思っている。でも人にどう思われるかが怖かったり、気になったりして、コミュニケーションを取らないだけなのではないかと気づきました。
ある編集者がこの本を読んで「甘酸っぱい子供時代を思い出す」と言ってくださったことがありました。子供を見ていると本当によく笑うし、好奇心のまま動いている。ニューヨークって大人でも、そういう部分が残っている気がします。だからニューヨークの人を見て、自分も子供の頃そうだったな、こんな感じだったな、彼らみたいに人の目を気にせず自由に生きられたら楽だろうな、楽しいだろうなと思うのかもしれません。

人の悪い所ばかりをフォーカスするのではなく、最後に光が見えるものを書いていきたい

最後に岡田さんに、これから書いていきたいことを伺いました。

岡田光世さん
人は誰もが、美しさやきらめきを持っている。私はそういうものが出る一瞬を、消えてしまう一瞬を、文章に残していきたい。人の悪い所ばかりをフォーカスするのではなく、最後に光が見えるものを書いていきたいです。
そして、ほんのちょっとした出会いが誰かを嬉しい気持ちにさせたり、そこで交わされたほんのちょっとしたユーモアが誰かの心をぽっとあたたかくする。ニューヨークの魔法シリーズでは、そういうことを伝えられたら嬉しいです。

まとめ

岡田さんが人の話を聞く時も、書く時も一貫しているのが、相手が自分と違う価値観でも受け入れ尊重するということ。そしてどんな人でも美しさを持っていると信じているところ。だからこそ、岡田さんと話すと人はいつの間にか心を開いてしまうし、岡田さんの文章は多くの人の心を動かすのだと思いました。
この考え方は、人とコミュニケーションを取る上で、人に何かを伝える上で、とても重要だと思いました。全ての仕事は、人との関わり合いの中で生まれる。様々な職業の方、立場の方にとっても、参考になる考え方だと思いますので、是非みなさんも生活の中で取り入れていただければと思います。

 

12月17日(土)岡田光世先生、新刊「ニューヨークの魔法の約束」発売記念トークショー&サイン会 開催!
〜湘南をニューヨークの魔法にかけよう〜

詳細はこちらから

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