こんにちは。フリーランスとしてライターやマーケティングと、地元でボードゲームバーの店舗運営もしている大楠です。
両親の離婚、父親の病気、祖父の介護などが重なったことをきっかけにフリーに転身。「やりたいこと」と「やるべきこと」のバランスを保つために試行錯誤しています。2児の父親(男の子と女の子)。「やりたいこと」の一環として静岡県御殿場市でボードゲームバーを経営しています。 |
今回は僕にとって大きいテーマでもある「フリーランスの幸せ」について、記事にしたいと思います。
2017年3月に発表された「フリーランス実態調査 2017」(ランサーズ調査 ) によると、 国内における広義のフリーランス人材は 1,122万人となり 、今後さらる増加が見込まれているそうです。
かくいう僕もフリーランスになってまだ1年ちょっと。以前は毎朝会社に通勤するサラリーマンでした。
今回はこのメディア「SoloPro」の編集長 松田 然と共に、株式会社Warisさんが実施した「活躍フリーランスの幸せ度実態調査」の報告会を取材させていただきました。
現役のフリーランスの1人としては、非常に参考になることが多くあり、僕と同じようにフリーランスになりたての方や、これからフリーランスを目指す方に、いろいろな気づきを与えてくれる調査結果となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
調査結果報告:数値化することで明らかになった、フリーランスの幸せ度
【調査概要】
・フリーランス人材の幸せ度および、フリーランス人材が活躍するうえで必要となるスキルを統計的に把握する目的で、株式会社Warisが2016月12月に実施。
・科学的なアプローチで「幸せ」の研究をしいる慶應義塾大学の 前野 隆司教授の助言のもと、フリーランスの幸せ度合を人生満足尺度という指標で計測。
・調査方法はオンラインアンケートで、対象者は9割以上が女性で、平均年齢は40歳、既婚者が82%、子どもありが68%。
【調査結果】
・今回の調査対象となったフリーランス女性155名の人生満足度の平均値は25.9点であり、日本人の平均値である18.9点と比較すると高い人生満足度が示された。
・今回の指標である、人生満足尺度と年収や働く時間の長さは、必ずしも比例しておらず、相関関係がなかった。
フリーランスにとっての幸せのカギは、「なりたい自分になれているか」どうか
今回の調査結果で個人的に興味深かったのは……
人生満足尺度の得点を「やってみよう(自己実現と成長)」「ありがとう(つながりと感謝)」「なんとかなる(前向きと楽観)」「あなたらしく(独立とマイペース)」の4因子に分類し、どの因子が満足尺度に、より影響しているのかを測定したところ。そして、満足度の高いグループと低いグループで大きな差がみられたのは「やってみよう因子」だった点です。
特に「今の自分は『本当になりたかった自分』であるか?」という質問に対して、満足度の高いグループと、満足度の低いグループでは、もっとも差が大きかったそうです。
また、「私のこれまでの人生は、変化、学習、成長に満ちていたか?」という質問も、同様に差が大きかったそうです。
それとは逆に、全体の満足度の高い低いにかかわらず、「ありがとう(つながりと感謝)」という因子は、全体的に高い結果となったとのことです。
幸せなフリーランスの人生観とは?
今回の調査結果から年収が高くても、自分らしい働き方ができなければ意味がないという結果も見えてきました。
では、フリーランスとして幸せを感じている人々は、どのような人生観を持っているのか? という調査結果も同様に興味深く……
・失敗や不安を引きずらないポジティブな思考を持っている人
・人とのつながりを大切にしている人
・自分以外の身近な人(家族や友人)との良好な関係性を重要視している人
・社会に対する貢献の気持ちが強い人
となっており、上記は幸せなフリーランスになるための重要なポイントであると思いました。
調査結果の解説と考察
調査結果のプレゼン方式の報告の後は、今回の調査関係者による結果の解説がパネルディスカッション方式で行われました。
【登壇者プロフィール】
モデレーター ■田中 美和(株式会社Waris 共同代表/国家資格キャリアコンサルタント) 日経ホーム出版社・日経BP 社で11 年にわたり編集記者として勤務。働く女性向け情報誌「日経ウーマン」を担当。取材・調査を通じてのべ3 万人以上の女性の声に接する。女性が自分らしく前向きに働き続けるためのサポートを行うべく2012 年退職。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーを経て2013 年株式会社Waris 共同設立。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会理事。 |
■前野 隆司 教授 1984 年東京工業大学工学部機械工学科卒業、1986 年東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了、同年キヤノン株式会社入社、1993 年博士(工学)学位取得(東京工業大学)、1995 年慶應義塾大学理工学部専任講師、同助教授、同教授を経て2008 年よりSDM 研究科教授。2011 年4 月よりSDM 研究科委員長。この間、1990 年-1992 年カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、2001 年ハーバード大学Visiting Professor。専門は、幸福学、感動学、イノベーション教育、システムデザイン、ロボティクスなど。『幸せのメカニズム』(講談社現代新書)、『幸せの日本論』(角川新書)、『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩文庫)、『システム×デザイン思考で世界を変える』(日経BP)、『思考脳力のつくり方』(角川one テーマ21)など著書多数。 |
■小崎 亜依子(Waris Innovation Hub プロデューサー) 野村アセットマネジメント株式会社を経て、留学・出産育児により5 年のキャリアブランクを経験。NPO でのアルバイトを経て2007 年に株式会社日本総合研究所へ転職。企業のESG 側面の評価分析を行い、社会的課題解決を投融資の側面から支援。「なでしこ銘柄」における企業分析等を担当した後、2015 年株式会社Waris に参画。プロフェッショナル女性を対象としたプロジェクト型ワークの創出・マッチングを行う。日本テレワーク学会所属。 |
ただ、今回の調査対象者は全体的に、家庭の主な稼ぎ手として想定される配偶者いて、世帯収入が安定している方が多くなっていますが、仮にそれらの条件を排除して、広義のフリーランスを対象にアンケートを実施したとしても、結果は日本人の平均値よりも高くなることは間違いないでしょう。
したがって、自分らしく働くことが、人生の幸せ度に与える影響は大きいと言えると思います。
また、今回の結果を私の因子分析の手法で紐解いていくと、幸せ度の総合点数に関わらず「ありがとう因子」が高くなっています。
これまでいろんな方を対象にした同様の調査でも、社会に対する貢献の気持ち、すなわち利他的な感覚を持っている人は幸せであると感じやすい傾向にありますが、今回のフリーランスを対象にした調査ではその傾向がさらに顕著に表れています。
逆に「やってみよう因子」「なんとかなる因子」は、幸せ度と比例関係になっています。これにより、楽観的な思考を持って能動的に行動をした人。すなわち、力強く自分をアピールしながら、生き生きとチャレンジをし続けている人こそ、幸せ度が高いということが言えると思います。
自由な働き方を目指していくべきこれからの時代に対して、フリーランスという選択肢は、まさに時代の先駆けと言えるのではないでしょうか。
しかし、いくら生産性が上がったとしても、それらを実践する労働者側のモチベーションが上がらなければ意味がない。つまり、実践する側の幸せ度が低いと、結果として生産性の向上も一時的なものにとどまってしまう恐れがあります。
ただ、これまで働き方を労働者目線で分析したケースが少なかったので、今回の調査に踏み切りました。
また、公務員の方は「何とかなる因子」が低く、安定安心を求める傾向にあり、職業や業務内容から想像しやすい結果となっていました。
なので、今回のフリーランス女性は「ありがとう因子」が高いという結果は意外でした。
この結果から、子育てや配偶者の転勤など、自分の置かれた限られた環境の中でも、フリーランスという選択肢が、自分の能力を発揮できる方法であるということに気づき、周りに感謝をしながら、高いモチベーションを持って、仕事に取り組んでいる方が多いと言えるのではないかと思います。
しかし、実は従業員満足度を上げるよりも、従業員幸せ度を上げる方が、生産性に良い影響をもたらすという結果が出ています。また、幸せ度が高いと欠勤率や離職率も大きく下がります。
幸せ度が低いと、視野が狭くなり、目の前の作業や評価にとらわれてしまいますが、幸せ度が高いと、視野が広くなり、ものごとを総合的に捉えることができ、結果としてリスクのあることにも、積極的にチャレンジできるようになります。
幸せ度が仕事に与える影響は、みなさんが思われている以上に、大きいのです。
Q&Aセッション
「幸せ度」という、個人的には耳慣れない評価指標に着目して行われた今回の調査。
結果としては、幸せ度が高いと、生産性も向上し、クライアントからの評価も上がり、次の仕事に繋がり……という良い循環が生まれそうですが、実際のところ、そんなにうまくいくケースだけではないのかな? とも思います。
そんなフリーランス現状や思いを伝えるべく、ちょっと辛口の質問も登壇者にぶつけてみました。
Q:1
つまり、受託フリーランスはそういった外的要因によって幸せ度が左右される場合もあると思うのですが、今回の調査対象者の方はどういった傾向にありますか?
Warisは、企業と登録者のマッチングを、面談などを通じて行う企業でして、最終的な契約は企業と登録者に直接行っていただきます。
ですので企業からの依頼も、単なる作業の外注という案件は少なく、プロジェクト単位で企画段階から打ち合わせに参加するという案件が多くなっています。
Warisの取引先である企業の声を伺いますと、やはりまだフリーランスを「対等なパートナー」としてというよりも「単なる下請け業者」として認識している企業さんが少なくありません。
同じく残念ながら今回の調査でも、フリーランス側から「フリーランスのデメリット」として、クライアントから対等なパートナーとして対応してもらえないことがある という声も挙がっていましたので、これからの課題として捉えています。
Q:2
そういった方はより多くの「やってみよう因子」をお持ちの方なので、それに比例して幸せ度も高くなるということは言えるでしょう。
今回の調査ではそこまで踏み込めませんでしたが、ぜひ機会があればそういった観点での調査も実施したいですね。
Q:3
しかし、育児や介護など、家庭の事情に合わせるためにいずれは退職という選択肢を選ばざるを得ない方も多いかと思うのですが、そのような方々をフリーランスとして育成していくビジョンはお持ちでしょうか?
現状Warisにも、フリーランスになりたいけれど、なり方がわからないという問い合わせは多くいただいております。
そこでこの秋から、フリーランスを育成するためのスクール「Warisフリーランススクール(仮)」の開講を予定しています。
また、クリエイティブ関連の職種以外に携わる方や、自身が有するスキルをどのように活用すべきか迷われている方に対しても、私が理事として関わらせていただいているフリーランス協会のほうでシェアリングエコノミーサービスを活用して、技術や特技を生かせるような働き方を提案できるようにしてきたいと思っています。
「活躍フリーランスの幸せ度実態調査」のまとめと感想
今回の調査で明らかになった、幸せなフリーランスになるために必要な「やってみよう因子」。この因子は、チャレンジ精神や行動力という言葉に置き換えるとわかりやすいのかもしれません。
「やらないと何も始まらない」ということは分かっていながら、実際に行動を起こすきっかけや勇気が足りないという状況を経験したことがある方は多いかと思います。
僕自身も同様で、アイディアや思い付きがあっても、何もせずにその場で終わりにしてしまったこと は心当たりが多々あります。
失敗をしたくない気持ちと、めんどくさいという気持ちが足を引っ張ってなかなか行動に移すことができないのです。
しかし今回この調査を通じて、幸せなフリーランスになるためには、なんとかなるという前向きかつ楽観的なスタンスで、自己実現と成長に向けてやってみることの重要性を学ばせてもらいました。
今日から僕も、「なりたかった自分」になるために、失敗を恐れずチャレンジして、幸せな活躍フリーランス(つまりは、ソロのプロフェッショナル SoloPro?)の仲間入りをしたいと思います!!
よし、まずは、なりたかった体型からw
ということで、#3ヶ月健康チャレンジ にも挑戦中です↓↓
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