ワーケーション……
は、もうご存知かな?
なに? よくわかっていないって!?
仕事(work)と休暇(vacation)を組み合わせた造語で、働き方やライフスタイルをより良くしていく手段として注目を集めているワーケーション。詳しくは以下にまとめているので気になる方は要チェックです。
非日常の場所で働きながら、時に休んだり、時に観光したり、時には自分と対話する時間をとったり。例えば、自宅やコワーキングスペース、シェアオフィスなどインターネットを活用して働くのはテレワークやリモートワークと呼ばれていますが、そこに旅や観光や休暇などリフレッシュできる要素を入れたワークスタイルです。
そのメリットを【ユーザー】と【導入企業】の両側面で整理すると…… 【ユーザーメリット】 【導入企業メリット】 |
で、冒頭から何でワーケーションの説明をしているのかというと、”仕事力”を上げるにも、”休み力”を上げるにも、両方をバラバラで実行するより一緒に考えた方がいい! と、いうことを伝えたいのが1つ。
そして、もう1つは、国内外にある素敵なワーケーションスポットを紹介したいという思いがあるから。
今回取り上げる新潟県「燕三条」も、素敵なワーケーションスポット。
首都圏からアクセスがよく、料理が美味しく、自然が豊かで、日本を代表するものづくり企業がたくさんある場所です。
冒頭の写真も、燕三条を代表するものづくり工場、高級爪切り「諏訪田製作所(SUWADA)」の工場エントランス。見学もできるので、みんなここで写真を撮るそうです(笑)
ということで、前置きが長くなりましたが、こんにちは。SoloPro編集長の松田然(もゆる)です。
今回の記事では、燕三条エリアでワーケーションをする魅力を3つに分けてご紹介します。
Contents
ポイント1:首都圏からアクセス良好! 新幹線で約2時間、車で3時間
東京駅から上越新幹線で新潟方面へ走ること約2時間。座席でウトウトしていると、あっという間に「燕三条駅」に。
車で向かわれる方は関越道で「三条燕IC」で下車。東京の練馬ICから約3時間ほどで到着します。
新潟・県央エリアは、県庁所在地である新潟市の南に位置しています(新潟市内から車で約1時間)。
このエリアの中でも、三条市や燕市の地域内一帯は古くから金属加工業が盛んで、日本有数の金属製品の産地として知られています。
ちなみに、「燕三条市」という市はなく、両方の市を分ける形で新幹線だと「燕三条(駅)」で高速道路だと「三条燕(IC)」と呼んでいます。この話題だけで1つの記事になってしまうほど興味深いところなので、詳細は現地でヒアリングしてみてください。
とにもかくにも、1つ目は首都圏からのアクセスが良いところです。これ、大事なポイント。
ポイント2:職人や企業の仕事に対する姿勢を学べる場所
燕三条エリアには見学ができる工場が何箇所かあります。(場所によっては団体のみOKや見学NGの場所もあるので事前にHPなどで確認し問い合わせすることをおすすめします)
今回のワーケーションで最初に訪れたのは「武田金型製作所」。
この動画を見たことがある人も多いのでは?
こちらは武田金型製作所の作り出す道具”金型”の高い技術力を、できるだけわかりやすく伝えるために作られた通称「マジックメタル」。
このように日本のものづくりを支える技術力を要し、国内はもちろん世界からも注目されている企業です。
この日も工場内に学生や企業の方など多くの団体客が視察に訪れていました。一般の方も見学・ワークショップを随時開催しているようなので興味のある方は事前に予約してみてください。
また、ここには武田金型製作所の代表の息子さんである武田修美さんが運営する会社「株式会社MGNET / FACTORY FRONT」も併設されています。
FACTORY FRONTは以下HPに説明があるように、燕三条エリアのものづくりを体感できるスペースとして運営されています。
オープンファクトリー型施設「FACTORY FRONT presented by MGNET」を設立しました。 燕三条のものづくりをもっと身近に感じてもらいたい一心で、気軽に立ち寄れるショップ、常時作業が観れるファクトリーでの技術体験などをオフィスに併設し、産業を盛り上げる挑戦を続けております。
燕三条エリアを代表するような企業の工場で作られた作品や、株式会社MGNETの代表作である名刺入れなどが販売されていて、どれも購買意欲をそそられるこだわりの逸品ばかりです。
今回は事前に株式会社MGNETの福田さんに見学とインタビューの依頼をさせていただきました。新潟市内から移住して働く福田さんは燕三条のことをどう思っているのでしょうか?
私は新潟市内出身ですが、首都圏の大学にて学び、代表の武田の想いに触れ株式会社MGNETに入社しました。
現在、社員は12名、この場所に出社するのは6名程で、他企業に出向したり自ら起業しているメンバーが6名います。若手社員も強い気持ちややりがいを持って働いています。
私自身、燕三条に移住してきたという感覚はあまりなく、ここで働きたかったからここにいるという思いが強く、今は女性の友達と一緒に家を買い、二人で暮らしています。地方は空き家がたくさんあるので活用しがいがあります(笑)。
燕三条の特徴は、飲み屋などに行っても、世界の市場が今どうなっているかなどの話が当たり前に出てくるように、ここで働く人たちの意識の高さでしょうか。想いを持った職人や企業が多く、若手に事業のバトンを渡している工場も増えてきて、革新的なアイデアや高い技術力で国内外から注目を集めています。私も、燕三条がより良い街になるために、ものづくりのための環境を良くしていきたい……そんな想いで働いています。
福田さんの素敵な想いに触れ、僕も燕三条により興味を持ちました。「FACTORY FRONT」に行けばお会いできるかもしれませんね。
■株式会社MGNET / FACTORY FRONT 所在地: 〒959-1289 新潟県燕市東太田14-3 HP:http://www.factoryfront.com/ |
さて、冒頭でも出てきた、この鉄人間。なんだと思います?
実は、爪切りを作る際に出る廃材(ブランク材)を使ったアートオブジェ。
そしてこの場所は、根強いファンも多い高級爪切りをはじめ、数々の美しいプロダクトを世に送り出している諏訪田製作所(SUWADA)の工場。
なんと、誰でも自由に見学ができ、このように……
仕事場が筒抜け!
見学コースにはiPadが配置されており、ボタンを押すと、仕事場の風景がいろいろな角度から観察? できる。これ、すごいし、職人の方々も気合いが入る!?
ここまで風通しが良いというか筒抜けのオフィスも珍しいのですが、実際に作り手が作業する仕事場を見学し、展示されている商品のストーリーを読むことで、目の前の商品に愛着を持ってしまうのは不思議。とても素敵な体験でした。
■諏訪田製作所: SUWADA 所在地: 〒959-1114 新潟県三条市高安寺1332 HP:https://www.suwada.co.jp/ |
まだまだ燕三条エリアにはものづくりにこだわりのある企業がたくさんあり、このように、職人との距離が近くオープンなカルチャーがある企業も多いのも印象的でした。
ポイント3:新潟の自然や人に触れ、自らの働き方を見つめ直せる場所
さて、来ました。
新潟県三条市に本社を置く、アウトドアブランドの雄「Snow Peak」。
燕三条駅から車で30〜40分走ったところに位置する本社と、そこに併設している直営ストアや5万坪を有する広大なキャンプフィールドは一般の方も多く利用しており、社内の見学ツアーも随時開催されています。
この景色がオフィスから眺められるなんて、素敵! (注:鹿はオブジェです)
現在はオフィス向け事業にも力を入れており、社内の就業エリアは展示スペースも兼ねているそうです。こんな空間で仕事ができたら、より充実した会議ができたり自然体な人間関係を築けそうですね。
そして、次に案内していただいたのがこちら。
この部屋の壁一面がスクリーンになっており、スノーピーク社が今まで歩んできた歴史がわかるムービーを見ることができるミュージアム。
よく働き、よく遊ぶ。
自然とともにこだわりのものづくりをしている同社の想いにふれ、なぜ、スノーピークにここまで多くのファンがいるのかわかる空間でした。
キャンプフィールドに出ると、この日は休日にも関わらずスノーピーク社の社員さんが一人キャンプを楽しんでいました。
本当に自然が好きなんだなと思うと同時に、自分の心が喜ぶライフスタイルを実現することでユーザーにも素敵な商品を還元できる(生み出せる)働き方って素敵だなぁと思わずにはいられませんでした。
「まずはキャンプしましょうか? 私たちの場合、話はそこからなんです。大手企業とコラボすることも多いのですが、まずは私たちが提供したい本質的な価値をご理解いただくために、実際に一緒にキャンプをしてから、プロジェクトをスタートするんです」
スノーピーク社の広報の方の言葉も、すごく納得できた企業訪問でした。
■株式会社スノーピーク 所在地:〒955-0147 新潟県三条市中野原456 HP:https://sbs.snowpeak.co.jp/headquarters/shop/index.html |
スノーピーク社を後に、新潟の田園風景の中や、山々がすぐ近くにある景色の中を車で走ります。
都会のビル群の中で普段働いていると、緑の中を走り抜けるだけで気分爽快です。
よく働き、よく遊ぶ。
自然とともにこだわりのものづくりをしている同社の想いにふれ、なぜ、スノーピークにここまで多くのファンがいるのかわかる空間でした。
まとめ:燕三条でワーケーションをする仕事環境はどうなの?
ワーケーションの本来の意味は、ワークとバケーション。
つまり本来は仕事もするのですが、今回は1泊2日のロケハンだったので正直ほとんどデスクワークなどの作業はしておりません。
いろいろな企業や人と会い、自らの働き方を内省し、ここでどんなプロジェクトが生み出せるかなと企画し、一緒に行った仕事仲間とコミュニケーションをとりお互いの理解を深め……といった活動がメインでした。
ただ、皆さんには駆け足で回るよりちょっと長めに滞在して欲しいなと思うのが正直なところ。特に燕三条エリアは素敵な場所がたくさんあるので。
まとめの前に、私が今回訪れたスポットを最後に紹介します。
昭和初期に建てられた古民家をリノベーションして作られたカフェ「TREE」
1つだけ言わせていただこう。
……おしゃれ(ため息漏れた)。
Wi-Fiや電源を完備したカフェスペースには、スノーピークのアイテムがずらり。
食事も美味しいし、店員さんも優しいし、都内にあったら入り浸ってしまいそうな居心地の良い空間でした。
エントランス付近にもカウンターとテーブル席があり、そこでデスクワークをしている人の姿もありました。今後、2階はシェアオフィスとして運営していく予定だとか。
リモートワークができる環境があり、イベントなども開催できるスペースは要チェックです。
■TREEツリー 所在地: 〒955-0062 新潟県三条市仲之町2-15 HP:https://www.facebook.com/tree.sanjo/ |
車を走らせていると何やらおしゃれな建物が。
この場所は、 食をはじめ地域の様々な資源を出会わせることで、「にほんのくらし」を 再編集しながら発信していく取り組みをしているそうです(HPより)。
カレーをはじめとした、彩り豊かな食事もいただけるので、近くに立ち寄ることがあれば要チェックです。
■三条スパイス研究所 所在地: 〒955-0072 新潟県三条市元町11-63 HP:http://spicelabo.net/ |
いろいろ動き回ったので少し休憩。
「王様の珈琲」のコーヒーは、地元の方が訪れる居心地の良い場所、といった雰囲気。
仕事をして頭のエネルギー容量が減ってきたら、ここで糖分をチャージしましょう。
一口シュークリームも美味しかったなぁ。
■王様の珈琲 所在地:〒955-0046 新潟県三条市興野3-12-13 |
今回宿泊したのは“飲める”ゲストハウス「トライアングル」。世界を旅したぬまっちが2019年4月23日にオープンしたバー併設のゲストハウスです。
ぬまっちが訪れた国や地域の最後に燕三条があるっていうのも素敵ですね。なぜ、この地を選んだのかはバーでゆっくり語り合ってください。
お部屋タイプは男女兼用ドミトリー10名、女性専用ドミトリー4名。そして、宿泊費は2000円。安っ!
オーナーのぬまっち曰く、値段は最初から決めていたと。ゲストハウスは安いところでも3000円程が多い中、旅人の財布に優しくインパクトのある値段設定と、それ以上の付加価値をつけること。
トライアングルの特徴は何と言っても入口にバーがあり、宿泊者と地元の方の交流拠点にもなっていること。酒造数日本一の新潟の日本酒や、世界一周中に出会ったお酒の数々、そしてぬまっちの最高なトーク(お世辞抜きでとても素敵な話がいっぱい聞けました)や、新潟で採れた新鮮な野菜(枝豆やキュウリが絶品でした!)などをつまみに……プライスレスな夜を楽しむ。
こういう場が地域にあるっていいですね。
■トライアングル 所在地: 〒959-1257 新潟県燕市宮町3-6 HP:https://www.facebook.com/GuestHouseTriangle/ |
先に紹介したゲストハウス「トライアングル 」の隣にある、昭和レトロな喫茶店「ロンドン」。ここのナポリタンは絶品です。懐かしうまい〜
店内の雰囲気も独特で、インベスターゲームまでありました。少年の心に戻れる秘密基地として旅人もすんなり溶け込める場所だと思います。
■喫茶 ロンドン 所在地: 〒959-1200 新潟県燕市燕3-11 |
と、いろいろ紹介しましたが、正直1泊2日では回りきれないほど素敵スポットがたくさんありました。
印象的だったのは、「力まず、ゆるりと、やりたいことを実現していく」そんな意志と空気感を街全体がまとっていたこと。ここは、人と比べるのではなく、自分に実直に向き合うことで「ちょうどいい」働き方や生き方を確立できる場所になるんじゃないかな。
皆さんには少し余裕のあるスケジュールで、カフェやゲストハウスで仕事をしたり、工場を見学してみたり、地元の方と交流したりと、この地ならではの過ごし方を体験して欲しいなぁと思った今回の取材でした。
燕三条へワーケーション!仕事をたくさんしても、最後は新潟コシヒカリと日本酒が癒してくれるはず。
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