地元住民が自身の力で想いを実現した「おやマルシェ」
2019年12月15日(日)、ポカポカと心地良い気候の中で約400人の来場者が訪れたイベントをご紹介します。 今回の記事は、SNS担当として「おやマルシェ」に初参加したライターの土井が当日の様子や開催日までのSNS戦略などイベントの裏側も公開します。
「おやマルシェ」とは?
静岡県小山町在住のママたちを中心にした手作りマルシェ。このメディアSoloProを運営する、合同会社スゴモンも町から女性活躍支援プロジェクトの委託を請け裏方としてサポートしています。 第1回のおやマルシェを2019年3月17日(日)に開催し、今回が2度目の開催。(前回の様子はこちら) |
Contents
企画・準備、クリエイティブも全て自分たちの手で
「マルシェを開催しましょう!」
そのような話を小山町在住のママさんと話し合ったのは2019年11月初旬、開催まで約1ヶ月というタイミングでした。
子育てやお仕事をしながらマルシェの準備をするのは、時間的にも体力的にもとてもハードなこと。それでも『「おやマルシェ」を小山町のイベントとして成長させたい!』と熱い思いを胸にマルシェ当日まで走り抜けてくれました!
マルシェ直前にお子さんが発熱したり、ご自身も出店されるので商品作りをしたりと、本当に”寝る間も惜しんで”の準備期間となりました。毎日が文化祭前夜みたいな、あの感じ(笑)
そこで、まずはマルシェを開催するにあたり準備したことを整理します。
■会場探し
大半の来場者の交通手段が”車”である小山町。車でのアクセスが良く、駐車場があり、できれば会場費も安く抑えられる……というのが会場探しの条件に挙がりました。
また、「12月中旬ならきっと子供たちは寒いよね」「せっかく家族の予定を空けて来てくれるのだから、晴れでも雨でも決行できる会場がいいよね」というママ目線の意見も加えて会場探しを進めていきました。
最終的にマルシェの会場に選んだのは「小山町健康福祉会館」。芝生エリアと室内エリアの両方が使用でき、天気に左右されずに開催できるのが決め手でした!
そしてなにより、会場がきれいで雰囲気も素敵。芝生広場からは富士山が見え、開放感も抜群! 子供達が走り回ってマルシェを楽しめそうです♪
■出店者募集
定期的に開催している人気の高いマルシェであれば応募者の中から出店者を選びますが、おやマルシェはまだ始まったばかりの実績が浅いイベント。運営メンバーが直接声をかけ、今回は15店舗の出店が決まりました。
■集客方法
12月中旬の開催なので、今回のテーマは「クリスマスマーケット」です。
まずは、チラシを小山町在住のデザイナーkaco.さんに担当していただき、約1200部、地元の保育園や子供園で配布したり、役所にご協力いただいてお知らせの中に挟んでもらったり、小山町で開催される別のイベントで配布したりして全て配布しました。
また、以下のようなチャネルも利用し、広報活動に力を入れました。
・「おやまで暮らそう課」公式LINE@にて情報配信
・静岡新聞、岳麓新聞に情報掲載
・地元ラジオに運営メンバーが出演し告知
・小山町お知らせ放送で告知(小山町では各家庭で個別受信機を持っていて、1日に3回ほど放送が流れるのだそう。これは地域ならではの告知方法!)
SNSなどでの配信も大切ですが、近隣に住んでいる方々へ確実に情報を届けるならチラシは有力。kaco.さんのデザイン力の高さもあり、手にした方にはご一読いただけたはず!
離れた場所でも密なコミュニケーションを
2019年11月初旬から、運営メンバーは東京チームと小山町チームに分かれて、定期的に打ち合わせを行いました。運営全体ではグループLINEを使って、都度情報を共有。
東京と静岡県の小山町、離れた場所でそれぞれが準備を進めていたので、顔を合わせてコミュニケーションを取ることはほとんどできませんでしたが、直接会えない分、SNSを活用して困ったことはすぐに相談できる環境を整えました。
在宅でもリアルタイムでのコミュニケーションを取れる、本当に便利な時代ですよね。
(とはいえ、スゴモン代表松田は毎週小山町へ出向き、運営メンバーと顔を合わせて打ち合わせをする機会を多く取りました。SNSは便利だけど、face to faceはやっぱり大切ですよね。)
東京チームのメンバーも別の仕事を抱えていたので、ZoomやLINEのビデオ通話を利用して別々の場所にいながら顔を見て週に1度は打ち合わせ。テキストのみで企画を進めるよりも、会話の中からアイディアや意見が出てくるので、会話ベースの打ち合わせは有益な時間でした。
地道な情報発信で集客力アップ
おやマルシェの集客方法はSNSも積極的に活用しました。
マルシェのターゲットは、”小山町や小山町近隣エリアに在住する20代・30代の子育て中のママ”。
参加者の属性を考慮して、InstagramとFacebookのイベントページを利用することにしました。まずは運営メンバーの友人知人に、イベントページの「いいね」や「シェア」を促す促す……地道な作戦(笑)。
小山町の運営チームの中には、毎週末のようにマルシェなどのイベントに出店しているママもいたので、「他のマルシェではこのような形で情報発信しています」「開催日の1ヶ月前くらいからSNSをはじめるところが多いですよ」「毎回、写真投稿の最後にチラシの画像をいれましょう」など、様々なノウハウを交換しました。
東京メンバーは出店経験などが無いマルシェ素人集団なので、経験があるメンバーからの助言はとても助かりました!
Instagramにおいてはアカウント作成からのスタート。「開催日まで2週間ほどしかない……!」と大慌ての中、フォロワー数0から集客できるのか!? と、SNS担当となった私も正直不安でした(苦笑)。
とはいえ、とにかくやるしかない! 配信スケジュールや内容などすぐに計画を立てて、アカウント開設して配信を始めました。
SNSで情報発信するときに大切にしたポイントはこちら
■毎日投稿!でも作業にならないよう”ワクワク感を生み出すこと”
おやマルシェは、人口2万人に満たない小さな町で、地元を愛するママたちが中心になって手作りしたイベントです。でも、そこには都会には負けないおしゃれさ・こだわりが詰まっていて、ご来場いただいた皆さんに楽しんでもらいたいという思いから生まれた様々な企画がありました。「小山町でこんなに素敵なイベントをやってるんだ!」と良い意味で予想を裏切ることができるようなマルシェにしたかったので、チラシのデザインからSNSで配信するテキストまで、テイストの統一にはこだわりました。
例えば、ワクワク感演出のため、SNSでは「開催日までのカウントダウンと出店者リレー」を毎日配信。開催日まで残り15日からの配信でしたが、出店店舗の特徴やおすすめ商品の画像をご紹介しました。SNSの情報を見て、「どのお店に行こうか」と当日を楽しみにしてくれたらと願いを込めました。
■ハッシュタグ
2週間前に作成した生まれたてホヤホヤのInstagramアカウント。ハッシュタグには「#小山町」はもちろん小山町近隣の大きな街である御殿場なども入れ、マルシェやハンドメイドに興味があるユーザーの検索に引っかかるようハッシュタグを必ず文末に入れるようにしました。
例えばこんな感じ……
#おやマルシェ #マルシェ #クリスマスマルシェ #marche #happy
#小山町 #静岡 #富士山 #御殿場アウトレット から車で13分
#子供とお出かけ #週末のイベント #外遊び #ママ
#パン好き #ハンドメイド #ハンドメイド好きさんと繋がりたい
■アカウントフォロー
マルシェ開催まで残り2週間。「気長に検索を待ってもらおう」なんて悠長なことは言っていられません。小山町・御殿場・三島のエリアで、以下のような情報を発信しているアカウントをこちらから検索して、積極的にいいねやフォローをしていきました。
①子育て中ママ
②ハンドメイドをしている人
③カフェが好きそうな人
④マルシェなどイベントが好きそうな人
(投稿がない方などはフォロー対象から除外。フォローにもマナーが大切です。)
システムや広告などを使えば、フォロワー数は簡単に稼げる時代です。でも、そのようにしてたくさんの方にフォローしていただいたとしても、おやマルシェに全く興味がない方に情報をお届けしても何も意味がありません。
地域密着型のイベントなので、見せかけの数千人のフォロワー数より、おやマルシェに足を運んでくれる可能性がある100名のフォロワーの方がずっと価値があると感じています。
0からスタートしたフォロワー数は、開催日に133に増えました(最終的に151人)。フォロー数は405なので、”約3人に1人のユーザーがフォローバックしてくれた”という計算になります。もっと効率的な方法があったのかもしれませんが、なんせ開催まで時間が無いという状況。こちらからのアプローチによっておやマルシェの存在に気付いていただけたので、今回はこの地道なSNS活動を選んで良かったのだろうと思います。
■情報発信はコミュニケーション
SNSの配信は出店者の皆さんとのコミュニケーションツールとしても役立ちました。
配信前に内容の確認などを入れることで各出店者さんとのやりとりが生まれ、顔を合わせて挨拶ができていない方とも準備段階から関わりを持てるようになりました。そういったコミュニケーションが運営と出店者との温度感を保つことに繋がります。
そして、出店者の皆さんにも、出店するだけでなく「一緒におやマルシェを盛り上げる」という意識を持って準備段階からおやマルシェ作りにご参加いただけたと感じています。出店者の皆さんにも個人SNSアカウントでおやマルシェ情報のシェアにご協力いただきました。
世界観が人を集める!手作りにこだわった会場装飾
いよいよ、前日に! 来場者の目を引く会場装飾をみんなで飾りつけます。こちらの装飾アイテムは小山町運営メンバーが全て企画し、芝生エリアをはためいたリボンガーランドなどは手作りで!
前日夜は運営メンバーと出店者の皆さんにも手伝っていただいて会場の装飾をしました。当日も朝早くから出店者のご家族やボランティアの方々が会場設営や装飾のお手伝いをしてくださり、思いが形になった素敵な空間が完成しました!
川を挟んだ道路を車で走行していた方が会場装飾を目にしておやマルシェに立ち寄ってくれたほど!
小さな子供から大人まで家族みんなで楽しめるマルシェに
いよいよ、おやマルシェ当日!
晴天に恵まれ、澄んだ空気に映える美しい富士山が顔を出しました。
小山町のメンバーは早朝から準備。東京の運営メンバーは前泊したり、始発で東京から小山町へ。静岡県小山町は高速バスを利用すれば、新宿から1時間半、渋谷の池尻大橋からは1時間ほど。土井はJRを利用したのですが、東京駅から会場の最寄駅である駿河小山駅まで1回の乗換えで1時間50分ほどで到着しました。(小山町は都心から意外と近いんです。)
電車で移動すると、どんどん山間に入っていき、駿河小山駅があるJR御殿場線は30分に1本しか電車が走ってないエリア。正直、「おやマルシェにお客さんは来てくれるのだろうか……」と不安になりました。
ところが、会場に近付くと素敵な会場装飾が目に飛び込んできて、出店者の皆さんはイキイキと開店準備をされていて、「これだけ活気溢れるイベントだからたくさんの方にご来場いただけるはず!」と移動中に感じていた不安はすぐにワクワクへと変わりました♪
それでは、ここからは写真を中心に、当日の様子をお伝えいたします。
子供向けイベント&遊び場にも工夫を!
小山町運営メンバーはみんな小さなお子さんがいるママ。お子さまゲストが飽きないように、ママ目線で様々な企画や遊び場を用意しました!
■クイズラリー
5箇所に設置されたクイズを全問答えるとお菓子をプレゼント。解答用紙を手に会場内を駆け回りクイズを探していた子供たち。全て答えてお菓子交換にやってくると、みんな達成感に満ちたいい笑顔をしていました。
■工作コーナー
無料で楽しめる工作コーナーを用意。付き添いのスタッフはなしにして、説明書きを読んで工作していただくフリースペースにしました。工作の内容は、松ぼっくりを使ったクリスマスツリーと枝を組み合わせて作る星形のオーナメント。親子で取り組む姿が微笑ましい光景でした。
■キッズスペース
滑り台の遊具やボールプールを設置! 運営や出店者のお子さんは準備時間から1日中会場にいてもらうことになるので、臨時の託児スタッフを雇って保育をお願いしました。皆さんが販売や仕事に集中できるよう環境を整えておくことも大切だと実感。子供たちもこの笑顔♪
■ちびっこ販売員
手にしているカゴの中には富士山をモチーフにしたサブレ。ちびっこ販売員が1枚100円で販売して歩きました。初めて経験するお店屋さん。最初は照れて小声で販売していたちびっこ販売員たちも徐々に自信を付け、最後には「クッキーいかがですか〜?」と大きな声で呼びかけていました。頑張った甲斐があり、富士山サブレは見事完売! おやマルシェの1日でまた一歩成長しました!
第2回おやマルシェ総括!来場者数は…!?
■来場者カウント方法
今回のテーマに合わせて、クリスマスツリーを描いた用紙を用意(当日、私が手書きするというラフなもの)。
飾りに見立てた丸シールを貼ってもらうという方法で来場者数をカウントしました!内訳がわかるよう、男性(緑)女性(赤)子供(黄)で色分け。
今回の会場は芝生エリアのどこからでも入場できるため、1つの入り口で来場者をカウントするということができませんでした。シールを貼っていない来場者もいるので、カウント方法については今後の課題となりました。
おやマルシェ開催時間は、10時から14時の4時間。開場から2時間が来場者のピークで、60個ほど用意したワンコイン弁当は40分で完売しました。ワークショップやハンドメイド作品の販売店舗もお客様で賑わい、小山町運営メンバーが用意したお子さまゲスト向けの企画も子供たちに大人気で、年齢問わず楽しめるマルシェとなりました。
そして、気になる来場者数ですが、シールをカウントしてみると……前回の第1回おやマルシェの来場者約160名に対し、なんと今回は【約400名】の方にご来場いただきました!
「なんだ、たった400名か。」と思われるかもしれませんが、開催場所である小山町は人口が2万人に満たない上に若者世代が少ない小さな町。ご来場者はほとんどがお子さま連れの若者世代家庭だったので、400名が集うことがどれだけ貴重なことなのかご想像いただければ嬉しいです。
また、SNSでの告知を見て、遠方からもおやマルシェを目的に小山町を訪れてくれた来場者の方もいました。地道な広報戦略でしたが、小山町や小山町近隣の方にお届けできたことが実感でき、スタッフ一同で喜び合いました!
「大好きな町をもっと元気にしたい!」
おやマルシェには小山町を愛する思いがたくさん詰まっていました。地方だから東京のようなイベントは開催できない……なんてことはありません。
地域を愛する人たちが発起人になり、それぞれの得意分野を活かして企画し実行する。最初からうまくいくなんてうまい話はありませんが、行動に移すことで見えてくることは必ずあります。おやマルシェの運営を通じ、たくさんの可能性を感じることができました。
企画から運営までご尽力いただいた小山町運営メンバーの皆さん、本当にお疲れ様でした。東京運営メンバーがいなくてもおやマルシェが継続していけるよう、これからもサポートを続けていきたいと思います。
ぜひ、この記事を最後まで読んでいただいた方も、地元やコミュニティイベントなどを盛り上げる際の参考や、もっとこうした方がいいなどのご意見をいただけると嬉しいです!
⭐️2月14日、地域イベント開催@半蔵門LIFULL HUB
2020年はどこに”移働”する?日本国内のワーケーションスポットを語り合う会https://peatix.com/event/1421160/
最新情報をお届けします
コメントを残す