半年働き半年休む。HEART QUAKE代表千葉順さんが実践する、仕事を圧縮して自由な時間を手に入れるための6つの方法

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テーマ:起業家や個人事業主が仕事に追われず、自由な時間を手に入れるには?
アンサー:6つの方法で仕事時間を圧縮し、効率的に働く。

千葉順:
1982年生まれ。神奈川県川崎市出身。高校時代に人工知能に興味を持ち、成蹊大学工学部(現:理工学部)に入学。卒業研究は「プログラミングを学ぶe-learningシステムの開発」。2005年、株式会社ワークスアプリケーションズ入社。システムエンジニアとして会計システムの開発に従事し、同社を代表する10人の社員に選出。毎年4万人が志望する同社のインターンシップ運営リーダーも務めた。10年に独立、企業研修、セミナー開催などを行う会社としてHEART QUAKEを立ち上げ、代表を務める。
松田然:聞き手 SoloPro編集長。千葉順とは創業当時からの友人
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「頑張るだけが人生じゃない」。起業は自由になるための手段

松田
起業家や個人事業主は、理想のライフスタイルを掲げて独立したものの、結局目の前の仕事に追われて理想とはかけ離れた毎日を送っている人も多い。その点、チバジュン(千葉順)は会社の代表として結果を出しつつも、ゆとりを持った生活をしているように見えるんだよね。今日はその辺のポイントを聞いていきたいんだけど、そもそも起業したきっかけって何だったの?
千葉
社会人3年目くらいの時に、旅先の宮古島でお風呂に入っていたの。扉があるのを見つけて、てっきり露天風呂があるものと思い込んで勢いよく飛び出したら、その先には何もなくて……。転落して、そのままICU行き。1週間くらい入院して、初めて「死」を意識したんだ。そこで真剣に考えた。何かやり残したことはないかなって。

それで思い立ったのが、ずっと憧れていた起業をするということ。高校生くらいの頃は先生になりたいと思っていたし、ゲームを作りたいと思っていた時期もあったから、ジャンルは教育ビジネスに決めた。

とはいえ、最初はこれといってプランがあったわけじゃないし、崇高な理念があったわけでもない。自分が理想とする生活を実現するためっていう位置付けで始めたんだ。

松田
理想の生活って?
千葉
時間、場所、お金の制約から解放されたかったんだよね。当時よく読んでいた『「週4時間」だけ働く。』とか『金持ち父さん貧乏父さん』に強い影響を受けていて。

それに、高校時代に同級生のお父さんが山一証券に勤めていて、すごく優秀な方だったのに、突然の倒産で職を失ってしまった。それを見て「どんなに優秀で頑張っていても、失業のリスクはある」と知ったんだ。その時のことがいまだに頭の中に残っていて、「がむしゃらに頑張るだけが人生じゃない」って思ったのかもしれないね。

仕事圧縮法その1:自分とコンテンツを切り離す

松田
なるほど。じゃあ実際に起業してからはどんな事業を?
千葉
最初は前職までの経験を活かしてプログラミング研修なんかをやっていたんだけど、ある日知人の紹介で、ゲームを使った研修をやっている人に出会って。他のプレイヤーとカードの交換をするゲームなんだけど、その過程では交渉したりする必要があるから、自然とチームビルディングが学べるっていうもの。それがすごく魅力的に思えたんで、すぐにライセンス契約を結んで、自分たちでも販売することにしたんだ。
松田
どこが一番魅力的に映ったの?
千葉
レバレッジがきくことだね。研修ビジネスは人とコンテンツが密接になっているから属人化してしまうことが多い。でも、ゲームっていうコンテンツの形で自分から切り離せば、1日5件の研修依頼があったとしても対応できるよね。

それは当初の「時間の制約からの解放」っていう起業の目的にもかなってる。そこが素晴らしいと思って、このゲーム研修をやることにしたんだ。

仕事圧縮法その2:時給1万円を実現する

松田
その頃にはもう十分に時間的な余裕を持っていた?
千葉
そうだね。自分も起業1年目は余裕がなかったし、貯金もどんどん減っていった。けど、時給が1万円を超えたあたりから、仕事を選べるようになったんだ。事業が軌道に乗るまでは時給2500円の面接代行の仕事なんかもあったんだけど、余裕が生まれてからはそういった受託の仕事を断れるようになった。
松田
けど、それを実現するのは簡単ではないよね?
千葉
もちろん。でも方法はいくつかあると思う。1つは、当たり前のようだけど、時給1万円もらえるようなスキルを身に付けること。僕の場合は元々プログラミングができて、それを求めてくれる人たちがいたから、講座を持つことができた。それを続けていたら、企業や大勢の学生相手に教える機会が増えていって、次第に「やりたいこと」につながっていったんだ。

2つめの方法は、「can(できること)」と「must(求められること)」の輪が重なるところでビジネスをやること。僕の場合は徐々に「やりたいこと」につながっていったと言ったけど、世の中には「will(やりたいこと)」をやるために起業する人が多いと思うんだよね。ただ、現実的には「can」と「must」の重なるところにチャンスがある場合が多い。

そして3つめは、クライアントを選ぶこと。僕らも今後は、事業そのものは変えることなく、対象となるターゲットを広げたり、法人中心に変えようと思ってる。

仕事圧縮法その3:2度同じことがあったら仕組み化する

松田
他に仕事を圧縮するために心がけていることは?
千葉
ワークスアプリケーションズ時代の同期から、「同じことを2回やっていたら、それは仕組み化できる」と言われたのが強く印象に残っていて。例えば原稿チェックという単純作業を昨日も今日もやっているんだとしたら、チェックの仕組みを作る。自分で作れないなら、すでにある仕組みを探してきて導入する。

「またこれやってるな……」と思ったものは、無くせないか、自動化できないか、アウトソーシングできないかってことは常に考えている気がするね

松田
頭ではそう分かっていても、なかなかできない人が多いんだよねえ……。例えば、私の周りにはライターさんが多くいるんだけど、結局自分でやった方が早いからといって抱え込んでしまいがちで。
千葉
確かに「今」は自分でやった方がいいかもしれない。けど、仕事量が今の10倍になったらどうだろう? 少し増えた程度なら深夜も働く、土日も働くでなんとかなるかもしれないけど、10倍になったらどう考えても無理。前職時代には「仕事量が10倍になっても耐えられる仕組みを作りなさい」ってよく言われたよ。
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仕事圧縮法その4:目標を達成したら、あとは休む

松田
年間の売上目標はどうやって決めてるの?
千葉
まず自分たちがいくらお給料がほしいか決めて、そこから逆算して年間売上目標を決めてる。僕らが提供している研修商材は基本的に人件費しかかからないから、それに研究費200万円と諸経費を合算したのが、年間の売上目標になる。
松田
過去6期はどの程度達成しているの?
千葉
正確には分からないけど、6期目に関しては昨年10月にスタートして、今年4月には達成したよ。
松田
じゃあ年間で見れば大幅に目標を上回ったんだ?
千葉
いや、目標を達成したら、あとは休むことにしてる。だから今年の5月から9月はずっとお休み。もちろん休み期間中でも問い合わせがあれば対応するし、金額の大きな案件であればやることもあるけど、基本的に外へ営業に出て行くことはしないよ。

休み期間中は心の余裕と実験のための時期。本は年間100冊くらい読んでいるし、普段行けないセミナーに行ったりもする。そうそう。ブログにも書いたんだけど、この夏はポケモンを全部集めて、カラオケで95点取って、ハーフマラソンで2時間切るという目標を全部達成したよ(笑)。

仕事圧縮法その5:やらないことを決める

松田
仕事をする上で他に決めていることは?
千葉
基本的にはテレアポと値下げは「しない」って決めてる。テレアポをしない理由は、単純にやりたくないから。さっき言った仕組み化の話にも通じるけど、僕の場合はやりたくないことがあって、それをやらないでいい方法を模索してきた感じ。ブログを書き続けているのも、テレアポがやりたくないから。

値下げに関しても、僕はビジネスは等価交換だと思っているから、値下げって概念がそもそも分からなくて。だからもし値下げを要求されたら、「じゃあ導入事例として写真と御社名を掲載させてください」って言うね。それを断られたら交渉決裂。「こちらが値下げする代わりに、あなたは何を差し出すんですか?」って思ってしまうよね。

松田
そうやって「やらないこと」を決めるのも、理想の生活を実現するためには必要なことかもしれないね。

仕事圧縮法その6:最も集中できる朝5~8時に重要なタスクを行う

松田
ちなみに、1日の生活サイクルは?
千葉
毎朝5時に起きてコーヒーを飲みながら7時半まで仕事をして、8時からヨーグルトを食べながら朝ドラを観る。8時15分から5分間だけ体幹トレーニングをして、その後に奥さんが出勤するのを見送る。そこからは図書館やカフェで仕事をして、打ち合わせやアポがなければ16時には帰宅。夕食の買い出しをして、ご飯をつくって、奥さんの帰宅を待つ。奥さんが帰ってきたら20時半から夕食を一緒に食べる。その後、テレビを観たり、奥さんと仕事の話をして、23時には寝る。そんな生活サイクルかな。
松田
朝の5時~7時半が仕事の中心って感じだね。
千葉
そうだね。その時間帯に最も重要なタスクをやるって決めてる。村上春樹は朝に重要な仕事をやるらしくって、僕も彼の生活スタイルを参考にしているんだ。もともと夜遅くまで起きているのが苦手な方だから、今の生活リズムが自分には合っていると思う。今ではもう目覚ましがなくても起きられるよ。

目指すのは周囲まで巻き込んだ”暇経済圏”の創出

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松田
すごく勉強になったよ。じゃあ最後に今後の目標や構想を教えて。
千葉
7期目となる今期は稼ぎにいこうと思ってる。それに伴って、意思決定権を取締役にスイッチするつもり。今まで僕が6年間社長として会社を経営してきたけど、自分の思考やマインドが会社の成長スピードに追いついていないところがあると思う。だから自分に投資する時間をつくろうと思って。
松田
稼ぎにいこうと思った理由は?
千葉
今の生活には満足してる。そんなに働かなくてもそこそこの暮らしができるようになってきた。でも、この年で自分一人そんなに暇になってもしょうがないな、とも思っていて。

だから今後は、自分の周りにいる人たちも一緒に暇にしてしまおう、と。そのため自分たちでビジネスを作って、そこに友達も転職させてしまうことまで考えてる。ゆくゆくは”暇経済圏”みたいなものを作っていきたいんだよ。

 

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