「仕事と休暇を兼ねて、どこに“移働”する?」〜日本国内のワーケーションスポットを語り合う会【イベントレポ】

「働き方を変えたい」「あの場所へ行ってみたい」などの想いを持っていても、なかなか行動に移せない方もいるのではないでしょうか。

そんな仕事やプライベートも充実させたいと望む人のために、“ワーケーション”という切り口から国内を旅するように暮らす魅力を伝えるイベント、【「2020年はどこに“移働”する?」〜日本国内のワーケーションスポットを語り合う会】を開催しました。 

全国各地を移動しながら働く人々=移働者(イドウモン)を3名、ゲストに迎え、おすすめのワーケーションスポットや心地良く過ごせる場所、ワーケーションのメリット・デメリットについてお話しいただいたイベントをレポート形式でご紹介します。

◎ワーケーション(Workation)とは…
ワークとバケーションを組み合わせた造語で、非日常の場所で働きながら、時に休んだり、時に観光したり、時には自分と対話する時間をとったりと、仕事やワークスタイルをより良くしていく手段として注目を集めています。

【ゲスト】

柴田 大輔(しばた だいすけ)
1988年秋田県生まれ。神奈川県鎌倉市在住。幼少の頃から、家族・学校・社会のコミュニティに疑問を抱く。鎌倉を拠点にシェアハウスやゲストハウスの運営。他にもカフェ・バル・家具屋に関わりながら、街のコミュニティづくりに携わる。2017年4月よりBETTARA STAND日本橋のコミュニティービルダーになり、映画上映・まちづくり・地域と連携した飲食のイベントなどを多数企画する。2018年8月よりはじまり商店街(https://hajimari.life/)共同代表。イベントの企画・運営やコミュニティ支援を軸に、暮らし方・働き方・コミュニティを中心にライフスタイルに関わる企画プロデュース、遊休地の有効利用、まちづくり支援、イベント・ワークショップ、などを主に手がける。コミュニティビルダーは「ヒト・モノ・コトを編集する」存在。

 

児玉 真悠子(こだま まゆこ)
1980年東京生まれ。東京都世田谷区在住。フリーランス編集者・ライター/一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 編集チームリーダー。国家資格キャリアコンサルタント。大学卒業後、2社の出版社を経て、ダイヤモンド社の書籍編集者へ。第二子育休中に、夫の転勤先の大阪でプロボノにリモートで参画し、フリーランスの魅力を知る。2014年に編集者・ライターとして独立。「ライフイベントに応じた柔軟な働き方」への関心が高い。昨夏は山口県萩市、今冬は長崎県五島市で「子連れワーケーション」を実践。五島市では、小5と小1の子どもを地元の小学校へ体験入学させた。今春は沖縄での「子連れワーケーション」を計画中。

 

星 久美子(ほし くみこ)
株式会社LIFULL 地方創生推進部 Living Anywhere Commonsプロジェクト 拠点開拓・コミュニティ活性担当。新卒でLIFULLに入社後、地域コミュニティサイトの立ち上げを担当。その後、地域と都市部の移住・交流のマッチング事業を行うNPOに転職し、相談員育成やマーケィング、全国的な移住イベント等の企画運営等に携わる。東日本大震災後は、スキルを活かした企業や都市部人材を地域に派遣するプロジェクトのコーディネートに従事する。2017年LIFULLに戻り、地方創生事業の立ち上げを行う。現在は、約月の1/3は4歳の息子と地域に足を運び、LivingAnywhere Commonsの拠点の開拓、拠点立ち上げ期のコミュニティづくりを担当。


【ファシリテーター】

松田然(まつだ もゆる)
1980年東京生まれ。10年前に起業してから10年で10回引越しを実施し、現在は東京在住。ライターカンパニー「合同会社スゴモン」代表。”働き方実験家”という肩書きで活動しており、働き方をアップデートするメディア「SoloPro」編集長や、キャリアコーチング、自転車旅ライター(仕事をしながら47都道府県走破)など、いろいろな働き方を実験している。現在のテーマは移動しながら働く「移働」。ほぼ、全国で仕事をしながら旅や休暇を実施するワーケーションの経験あり。

Contents

ワーケーション(旅先で仕事や休みをとる)のメリットとは?

松田然(以下、松田):まずはワーケーションのメリットについて聞きたいと思います。みなさんいかがでしょうか?

児玉 真悠子さん(以下、児玉):昨年から“ワーケーション”を意識するようになりました。私はもともと出版社で書籍の編集をしていたんです。パソコンが1台あればできる仕事であるうえ、一人でプロジェクトを回すことも多く、正社員でありながらほとんど個人事業主みたいな感覚でした。

松田:はい。

児玉:しかし、当時はあまりにも多忙で休みもなく、好きな旅行ができないとジレンマを感じていたんです。そこで、どうしてもカナダへスノーボードに行きたくなって、パソコンを持って行ってみたんです。いざ行ってみると移動中は仕事をできる、良いアイデアやタイトルが浮かぶ、企画書もすぐに書けるなど素晴らしいことばかりでした。

松田:移動先の方がクリエイティブになったということですね。

児玉:そうですね。私の場合、旅先で仕事をするワーケーションをするメリットはそこにあります。

柴田 大輔さん(以下、柴田):僕、集中力がないんですよ。2時間、座っていられないんです(笑)。だから、2時間座ったら1時間立つ、お店を移動するなどしています。場所を変えた途端に仕事が捗るんですよね。あと、最近の僕のワーケーションベストスポットは、横須賀線です。自宅がある鎌倉から東京方面に行くときに乗るんですけど移動中は絶対に座れるんです。

児玉:わかります。私も新幹線の中が作業場所です。乗車時間が決まっているので、この時間までに必ず終わらせようと集中できるんですよね。乗り物酔いしない人間で良かったです。

柴田:乗り物酔いしたら身も蓋もないですもんね。

松田:「移動中」はひとつのキーワードになりそうですね。僕も自転車旅しながら仕事もするのですが、サイクリング中はMacも開けないし、スマホを眺めることもできない。目的地という明確なゴールがある中で、素敵な景色を見ながら企画を考えたりするので、とても効果を感じています。

星さんは何がメリットだと思いますか?

星 久美子さん(以下、星):仕事に集中すると、家族とのプライベートの時間を取るのが難しくなってくるんですね。ワーケーションに行くと、自分の時間や趣味などリフレッシュの時間が取りやすくなる気がします。

ただし、パソコンひとつあればどこでも仕事ができるので、「ママはずっと仕事しているね」と子どもから突っ込まれることもあります。しかし、地域の人と交流したり、美味しいものを食べたりできるので子どもの方から「次は出張いつ?」と聞かれることも増えました。家族や地域の人と繋がれるのはメリットとして大きいと感じています。

松田:「一人ワーケーション」と「家族のワーケーション」、「仲間とワーケーション」。それぞれ、楽しいことも、大変なこともありますが、誰と行くかというのはすごく大事ですね。

旅先で仕事をする際の注意点とは? 

松田:旅先で仕事をする注意点は何だと思いますか?

柴田:一人ワーケーションをしていて感じるのは寂しいこと。デメリットが「寂しい」ってちょっと極端なんですけど(笑)。

あとは、Wi-Fiの接続具合ですね。僕、Wi-Fiがないと生きていけないんです。だから、モバイルのWi-Fiを持っている人はすごいと思っています。

児玉:私は持っていく仕事を通常の半分にするなど、事前に調整しています。フリーランスは、時間をある程度自由にやりくりできるので、ワーケーション前は土日も仕事をガッツリします。そして、子連れワーケーションの時は朝早く起きて、4時〜7時まで3時間仕事して、日中は子どもと遊び、夕飯が終わって一段落してから、2、3時間を仕事にあてています。大体、1日仕事時間を4、5時間確保できるようにすると、ワークとバケーションのバランスが保てて、満足度が高いですね。とはいえ、夕飯後、疲れて寝てしまうこともあったり(笑)スケジューリングはまだまだ課題ですね。

松田:〆切がある仕事は、ワーケーションにとって向き不向きがありますよね。

児玉:そうですね。あと、ワーケーション先のコワーキングスペースの椅子って重要ではないですか? 椅子の高さによって腕の疲れ具合も関係してくるので、私は冬はコート、夏はストールを敷いて高さを調整しています。旅先でいかに快適に仕事をするかを試しています。

松田:僕も旅先ではコワーキングスペースで仕事をしています。ただ、これからワーケーションを始める方はいきなり旅先で仕事をするより、都内のカフェやコワーキングスペースなどを利用してワーキングスポットを変えながら働くことに慣れてみるのも良いかもしれませんね。

:あとは「忘れ物」。私はそそっかしいのでアダプタを忘れてしまうんです。PCのアダプタがなくて「充電どうしよう」となり、充電の残り時間との戦いみたいな状況になりがち。どうやったら改善できるんでしょうか?

柴田:スマホに「これを入れた?持った?」と確認してくれるアプリを入れる……とか?

僕も仕事柄プレゼンをすることが多いので、モニターとパソコンを繋げるコネクタが必要なんです。あれ、無いところは無いんですよね……。

松田:僕も忘れがちなので、自宅用と旅先用とイベント会場用で3つのコネクターを持っています。それでも無くすこともあり、必要な時には焦ったことはあります(笑)。

児玉:以前、充電器を忘れてパソコンの充電が切れてしまった時は、スマホで原稿を音声入力しました。試行錯誤すれば意外と何とかなるものです。

松田:そうですよね。他にみなさんは、どのように工夫して仕事に取り組んでいますか? 

児玉さんなら、例えば〆切があってもワーケーションへ行くのか、〆切を終わらせてから行くのか……とかどうでしょう。

児玉:常に〆切がないことがないので(笑)ほとんど持っていきますね。

松田:頭にずっと〆切のことが浮かんでいる状態ですね。

児玉:そうですね。ただ、ワーケーション期間中に〆切がある仕事は持っていかないようにしています。なるべく前倒しで納品するか、8割ほど仕上げた状態で持っていくことが多いですね。

柴田:僕は銭湯に行きます。湯に浸かってサウナに行き、整える。その後、ドライブかけて仕事をします。

松田:リセットできますよね。旅先で仕事の後の温泉やサウナは最高ですよね。整う。

柴田:むしろ、それを求めているかもしれません。

今まで滞在してよかった場所を教えてください。

松田:ゲストのみなさんが今まで滞在してみて良かった場所を教えてください。今回は、国内限定でお願いします。

柴田:僕は「心地よい場所」をプロットにして地図にしています。簡単に作れますよ。GoogleMapでマイプレースを選択して、新規作成すると自分のお気に入りMAPを作れます。

松田:京都には何度も行っているんですね。

柴田:京都は移拠点先にしたいくらいです。

あとは、香川県高松市の仏生山温泉。もともと温泉郷ではなく、地元のおじさんが掘ったら温泉が出ちゃったらしいんです。今はおじさんの息子さんが地元に帰り、町づくりの仕事をしながら温泉を経営しているんだそうです。町もじわじわ盛り上がってきていますよ。

松田:いいですね。児玉さんは?

児玉:2019年1月に長崎の五島に行ってきました。五島は世界遺産になったこともあって観光客がたくさんいるのですが、1、2月は閑散期。市としては「どうにかしたい」ということで「五島ワーケーションチャレンジ」という企画が1ヶ月半開催されたんです。仲間がいると安心感があるし、参加者みんなが仕事を持ってきているので、働く意欲が自然とわきました。また、五島市の計らいで、子どもを地元の小学校に体験入学させることができたので、日中は東京にいるのと変わらず仕事時間が取れました。ビーチでは海には入れなかったものの砂浜で走り回ったりできましたし、温泉やお店も空いていて良かったです。

松田:あえて「ベストシーズンを外す」というのも良いかもしれませんね。

児玉:そうですね。同じような感覚で軽井沢にも行き、「BEB5軽井沢」という星野リゾートが若者向けに開発した場所に泊まりました。一階が24時間利用可能なワークスペースで、実際にベンチャーの人が合宿に来たりもするそうです。ワーケーションを心地よく過ごすには、宿選びも大事だと思います。素泊まりで心地よく泊まれるところは貴重。そういうところがもっと増えたら良いですね。

:私も柴田さんと同じく寂しがり屋なので、人と出会えるかどうかは重要です。ワーキングスポットに滞在中、何にお金をかけたいかというと、私の場合は食や人との繋がり、体験。リピートして行きたくなる場所は、「ここに行けば誰かと繋がれる」場所ですね。

LivingAnywhere Commons」を展開している静岡の下田は漁師町なので、実直で豪快な地元の方々がいるんです。でも、一緒にお店でご飯を食べると、再訪問した時に「あの時来た子か」と声をかけてもらえるんでんす。人の温かみや第2の故郷と思える場所を、このプロジェクトを通して増やしていきたいですね。

松田:僕は毎週のように富士山の麓、静岡県小山町へ通っています。実は小山町でコワーキングスペースを運営していて、地元の方と首都圏の方の交流の場やイベントをする場所にしています。東京から90分ほど、施設の隣には温泉もあり、窓からは富士山が見えます。ワーケーションをするうえで移動が長すぎると疲れてしまう人は、関東近辺でワーケーションスポットを探してみるのもいいのかなと思います。

:それだと、首都圏から近場では千葉県の館山はおすすめですよ。昨年の5月に1週間、テレワークをやろうというイベントを行い、2020年も5、6月くらいに開催予定なんです。昨年は台風被害に遭ったこともありましたが、海も近く、山の幸ではイノシシが獲れるのでジビエも食べられますよ。

児玉:子連れワーケーションでワーク時間を確保するためには、地元の学校で体験入学できるかがポイントですね。今、私が注目しているのが離島留学を受け入れている自治体です。自治体が関係人口創出に力を入れているところを目掛けて行ったほうが歓迎されやすいと考えています。やはり、歓迎されないと子どもたちも「また行きたい」とはならないので。なるべく歓迎してくれそうな場所にアタリをつけて行きたいと思っています。

松田:地元の方が「歓迎してくれる」というのもポイントになりそうですね。

児玉:あと、私は山口県萩市で民家をリノベーションしたお試し住宅を使いました。10日間で1万円(※退出時に5,000円ほどクリーニング費がかかります)。Wi-Fi環境もあります。キッチンも付いていて、すごく良い場所でした。お試し住宅をちゃんと作っているところは、積極的に「よそ者」を受け入れようとしていると感じます。自治体ががんばっていて、おもしろいイベントもあるので、そういうところに参加すれば人との繋がりもできると思いますよ。

この記事は全国のお試し住宅が一覧できててオススメです。

松田:私も山口県萩市には1週間くらい滞在しましたが本当に暖かい人との繋がりがたくさんできました。吉田松陰先生ゆかりの地なので、生き方を内省するような時間をとるのにも最適な場所でした。ワーケーションは作業としての仕事をするだけではなく、地域の人とのコミュニケーションや自分自身と対話する時間をとることも貴重な経験になりますよね。

【ワークショップ&質疑応答】お金、拠点、コミュニケーションの図り方…ワーケーションのリアル

セッション終了後、ワークショップでチームごとに「どこでワーケーションをしたいか?」「ワーケーションの課題とは?」について話し合いました。話し合いの内容は、質問を集めて表示できるサービスSli.doに投稿。そこからいくつか質問をピックアップして、ゲストに答えていただきました。

ーワーケーションの費用はどれくらいかかる?

松田:お金のリアル。ここ知りたいですよね。

児玉:一番かかるのは交通費ですね。新幹線なら自由席を取れば子連れでも安く抑えられますが、3人で飛行機代が10万円ちょっとかかります。だから、滞在費や食費で調整します。お昼はカップラーメンの時もありますよ。私の場合、基本が素泊まりなので、キッチンや電子レンジが付いていれば自炊もします。

:私も1回にかけるワーケーションの費用は交通費と滞在費含めて10万円程。食費は別です。家族3人で飛行機に乗るとお金がかかるので、車を使います。目的地へ行く途中もひとつのワーケーションスポットだなと考えていますね。温泉に浸かって仕事をして、美味しいものを食べてからまた次のところに行くみたいなことをしています。

柴田:僕は1人でワーケーションすることが多いので、3日くらいで5〜7万円くらい。できるだけ移動費と滞在費を抑えています。ファーストキャビンを知っていますか?イメージとしては、ちょっといい感じのカプセルホテル。寝やすいしお風呂もありますし、Wi-Fiも飛んでいます。大都市にもあるので移動先としてファーストキャビンは使いやすいですね。ご飯は、僕は地域の料理を知りたいので外に食べに行きます。移動費と滞在費を抑えて美味しいご飯を食べるスタイルです。

松田:最近はおしゃれで使いやすいカプセルホテルや民泊施設も増えましたよね。私は自転車移動が多いので移動費はあまりかからないのですが(笑)マイルを使ったり、知り合いの紹介で安く泊めてもらったり、会社の経費として落ちるよう旅の予算は工夫しています。

ー現地に滞在中のコミュニケーションの図り方について

:地域でワーケーションをすると、仕事とプライベートが一緒になってしまうことがあって。意識しないと地域の方とのコミュニケーションばかりになってしまい、作業時間を取れなくなってしまうんです。

柴田:業務時間を確定させたほうが良いですよね。交流は楽しいんですけど、ずっと交流してしまいがち。良いことなんですけど、本気で仕事が終わりません。

松田:僕もゲストハウスに泊まったら22時までを交流にあてて、その後24時まで仕事をするなど時間を決めています。せっかくワーケーションに行ったからこそ、地域の人と話したい気持ちもあるので、仕事よりコミュニケーションを重視していますが。

柴田:地域にいるのに、ずっと仕事をしているのも嫌ですよね。

児玉:私は、夜をコミュニケーションの時間にあてています。あとは食事の時間。お昼の時にコミュニケーションをとるようにすると、メリハリをつくりやすいのではないでしょうか。

松田:周りの人と繋がることも大事ですよね。今はSNSで簡単に交流できる時代なので、緩く繋がっていると、地方の人からすると東京の人のライフスタイルは新鮮かもしれませんし、こういう仕事をしているんだみたいなところを何かのタイミングに思い出してもらえて、また声をかけていただけるかもしれません。それはただの観光ではなく、ワーケーションとし滞在しているからこその価値だと思います。

ー 普段や旅先での活動拠点はどうしている?

児玉:子どもがいるとメインの拠点を持たざるを得ないので、たぶん都内の自宅は持ち続けるだろうと思います。ただ、子どもが大きくなった、あと10年後くらいにどうしているかはわかりません。夫とは「50代になったら、二拠点あるいは他拠点生活をしたいね」とよく話しています。

松田:僕の首都圏に家があると便利ですが、実は2月は2週間中まだ1日しか都内の家にいないんです。旅ばかりしているので、過去に1回だけ3ヶ月ほど家を無くしてみたんですけど、それはそれで疲れました。毎晩、宿を探すような生活だったので。

柴田:なんとなく家には帰りたいですよね。

松田:家には帰りたいです(笑)。

:ワーケーションが広まる中で「Living Anywhere Commons」プロジェクトが生まれたのは、東京とか首都圏における住宅費は生活費を圧迫しているという点に着目したためです。これから「移働」の時代に向けて家をどうスリム化するか、家の形がどう変わっていくのか、そこの場所がどうなっていくのかについて自分自身も考えていかなくてはいけないと考えています。

私は子どもがいる中で、家を持ち続けなくてはいけないのかという部分で葛藤しています。ただし、家なのか居場所なのかは答えはまだ出ていませんが、自分が帰れる場所、拠り所になる場所は必要かなと思います。

最後にワーケーションしたい方へ登壇者からメッセージ

質疑応答が終わった時点でファシリテーターを務めてきた松田が、夜行バスで和歌山にワーケーションへ。

イベントの主催者が自由すぎるので(笑)最後に、登壇者から、参加者の方へ一言いただきました。

柴田:僕がいかに寂しがりかというのが伝わったと思います。ぜひ、コワーキングもそうですけど、いろいろな場所で自分がどうやって心地よく仕事をできるか。そこを考えることから始めるだけでもワーケーション体験が始まると思います。移動中の自身の様子をチェックしながら仕事をしてみても良いかもしれません。あと、ぜひ銭湯に行ってください。日本人は疲れています。 

児玉:私が感じているフリーランスの共通点は、飽きっぽいということ。だからこそ、さまざまなプロジェクトに関わりたい、同じ人間関係の中で仕事をするよりいろいろな人と働きたくなるのかなと。そういう意味で、ワーケーションは本当に刺激的です。同じ仕事でも、働く場所を変えるだけで飽きずに仕事ができます。 

あと、実は、私の中で「子連れでワーケーションをしよう」という発想はありせんでした。しかし、いざやってみたらできました。これだけインターネットが普及し、会議も取材もオンラインで済ませられるようになり、行ってみたかった所に諦めずに行けるという選択肢ができたんです。いつか行こうではなく、今行こう。子どもがいるからって諦めずに、これからも行きたい所に行き続けたいと思います。 

:1人でワーケーションを始めることに対して、敷居が上がっていたのではないかと思っていました。しかし、今回のセミナーを通して、ワーケーションに関心のある方のコミュニティができていると感じています。1人でワーケーションへ行くのがハードルが高い、地域の人にいきなり話しかけるのはちょっと怖いというのがあれば、このタイミングでお互いに声をかけてみて、お試しで一緒に行ってみると良いのではないでしょうか。今日のこの場の出会いがコミュニティとして広がっていくと、出てきた悩みをみんなで解決できるのかなと思います。この会を通じて、実際に来週、来月ワーケーションに行ってみようという話が生まれたらステキですね。

 

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ABOUT US

ライター。2017年より個人活動をスタート。過去実績に飲食業界や旅行関連、大学案内、不動産会社の広報紙などで取材・インタビュー記事を執筆している。本や音楽、演劇などのカルチャー関連のモノに興味あり。趣味は読書とライブに行くこと。カメラやイラスト、デザインも学ぼうと目論んでいる。