「伝わる、頼れる、相談できる」看板・印刷工房グランド鷺巣社長の“変化”への挑戦

横浜を中心に地域密着型の事業を展開している看板・印刷工房グランド

2代目社長として、また2児のパパとして、会社と家族を支えている代表の鷺巣 卓也さん。新卒から勤めていた会社を20代後半に辞め、父親が運営する工房の現場に入った当時は、とにかくがむしゃらに働いた結果、得るものも失ったものも多かったと当時を振り返ります。

そして、その過程があったからこそ、社長を引き継いだ今は、お客様の声を大切にしながら制作するステッカーやキーホルダーなどの強みを武器に、地域に欠かせない看板・印刷工房へと成長。事業の優先順位を意識し、本当に大切なものを大切にしながら、自分らしい事業のあり方も取り入れることができてきたとも話します。

今回は、その変化の過程を振り返るとともに、鷺巣さんのライフスタイルを紹介します。

Contents

働く上で、本当に重要なことを見極める重要性

“自分の限界を超えるまで働き、力ずくで結果を出す”

新しい仕事をはじめる際や、起業初期はそういった姿勢が必要になることもある……。

新卒から勤めていた会社を27歳で辞め、父親が経営する看板・印刷工房グランドにて働くことになった鷺巣さんも、まさにその壁を乗り越えてきた一人。

「子供の頃から家の間取り図などを眺めるのが好きで、新卒で不動産関連の会社に入りました。でも、入社当初から一生ここで働いているイメージは見えなかったのも正直なところでした。給料は良くても、理不尽な休日出勤が多かったり、人生のロールモデルとなる先輩がいない環境だったので、5年ほど働いた後に、実家の印刷工房に戻って働くことを決意したんです。仕事をするなら、誰かに求められていることを担うことが重要だと感じました」

しかし、お父様のように“職人”になりたいとは思わなかったという。そして、冒頭で触れた通り、転職当時は、文字通り力ずくで結果を出すスタイルを試みた。

「僕の得意領域は営業だったので、最初は飛び込み営業からの新規顧客開拓を行いました。無理して仕事を取りにいくこともあったので、技術者としてしっかりしたものを納品したい父とはよく衝突しましたね。『せっかくニーズはあるんだから、このくらいやってよ』と。社長になった今だからこそわかりますが、当時の僕は目の前の結果を出すことに必死でした」

働き盛りの若い頃は多少の無理は乗り切れる。そう思っていた矢先、酷使した体が悲鳴をあげ体調を崩してしまう結果に。このままでは、お客様にも家族にも迷惑がかかる……そう感じた鷺巣さんは、そこから少しずつ事業のスタイルや働き方を変えることで、会社は大きく変わっていった。

「僕のターニングポイントになったのは、『エッセンシャル思考』という本を妻が教えてくれたことです。“より少なく、しかしより良く”をキーメッセージに、99%の無駄を捨て1%に集中する方法論を紹介している本だったのですが、この考え方にだいぶ救われましたね」

父から事業を引き継ぎ、会社を担っていく立場になったことで、本当に重要なことを見極め、それを確実に実行するための体制を構築していくことが大切だと考えるようになった鷺巣さん。そこから、看板・印刷工房グランドは成長の第二次フェーズに入っていく。

お客様の声を聴き、ニーズに応えるための意識変化

お客様、一緒に働く関係者、そして自分自身。三方よしになるように、仕事の優先順位を明確にし、事業戦略やワークスタイルを少しずつシフトしていったグランド。まず意識したことは、事務所のある横浜エリアのお客様の声を大切にすることでした。

「僕たちは、ステッカーやキーホルダーの制作など物理的なモノを商材としているため、事務所や現場にて直接コミュニケーションができる距離感で、実際に会って相談したいというお客様の気持ちに応える体制を構築していきました。

というのも、個人商店として事業を展開する他の印刷所は、お客様から問い合わせがあっても作業中はなかなか連絡が繋がらなかったり、デザインの打ち合わせには乗れないという職人気質の会社も少なくありません。

僕たちの場合、コミュニケーションスキルを活かすことを強みに掲げ、お客様から要望を直接聴くことを重視していきました。そのために変えたことは、印刷のオペレーション作業は機械を導入することで生産性を上げ、今まで一人で行っていた請求事務やデザイン作業を家族と役割分担し、現地調査や看板の取付などはプロの業者に外注することでクオリティを保ちつつ新たな時間を生み出したこと。結果、さらに自身の強みに注力することができました」

制作物のデザイン調整などの柔軟な対応、速さ、丁寧さといったところもさらに伸ばしたことで、マーケティングや情報発信にかける時間が増えたり、価格競争や相見積もりにはならないリピートのお客様も増え、経営の安定に繋がったといいます。

「小学校6年生の時の卒業文集で、未来の夢は親父の跡を継ぐこと、と書いていました。一方、職人気質でバブル時代の苦労も知っている父は、僕に事業を継がせる気はなかったと思います。でも、結果的に父親もまだ現場で汗を流していますし、経営は私が引き継ぐことで役割分担ができました。小さい頃の目標も、時代や地域のニーズに応える形で叶えることができたと思います」

働くをかっこよく、遊ぶをまじめに

自己中心的利他という言葉がある。利他とは、他人の利益となるように考え行動することであり、仕事やビジネスも基本はそれで成り立っている。

しかし時代の流れとともに、自分らしく生きることで、結果的に仕事がうまくいき、自分も周りも幸せにするという価値観が芽生え、そういった生き方をする人も増えてきた。

鷺巣さんも、今までがむしゃらに働くことで成果を出し、事業を仕組み化した次のフェーズとして、自分らしい生き方を追求している。それは、会社の規模感にあった事業成長や、家族の幸せを目指すという、時代にマッチした考え方でもあり、結果的にお客様や地域社会にとってもより良いものを還元できる会社になる。

コンセプトは、“働くをかっこよく、遊ぶをまじめに”

「今はお客様からの問い合わせに対応できるだけのキャパがまだあり、もっと仕事を増やすことはできます。しかし、家族経営であるため、忙しくしすぎて、妻や子供との時間がなくなってしまっては本末転倒です。地元のお客様や、リピーターの方々を大切にすることで、『伝わる、頼れる、相談できる』というグランドらしさを意識した経営を今後も志していきたい。

さらには、今までは自分のやりたいことをする時間は傍に置いて仕事をしてきましたが、学生時代からの趣味であるサーフィンも再開したので、例えば海(波)のある地域に滞在しながら仕事をすることで、場所に囚われない働き方をもっと実験してみたい。そのためには、会社に自分がいなくても、事業が回る仕組みを作ることも大切だと思っています」

例えば、先日は伊豆下田のコワーキングスペース兼ゲストハウスに短期滞在し、仕事をしながら合間合間にサーフィンやサウナをしたり、沖縄の久米島で1週間の親子ワーケーションプログラムに参加したりと新たなライフスタイルにも取り組んでみた。そして今後も同様の実験は続けていきたいと鷺巣さんは語る。

「家族から『パパ、かっこいい!』と思ってもらえるよう、会社の経営を今以上に安定させながらも、自分自身の心身の健康も意識し、今後もいろいろなことに挑戦したいと思っています」

人生の紆余曲折を経て、理想の生き方を志すことにシフトした鷺巣さん。今後のさらなる活躍が楽しみだ。

看板・印刷工房グランドはこちら

https://grand-1.com/

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください