独立して10年目。自分らしい生き方にコミットして失ったものと得たもの【前編】

2010年7月20日、ぼくは会社員を辞めてフリーランスになりました。

2019年7月20日(今日)、独立して10年目に突入。

その間に、2社起業し、国内外を旅しながら仕事をするような生活になり、人間関係の酸いも甘いも嚙み分け、住む場所も働く場所も転々とし、いろいろな人に助けられ……

当初思っていたキャリア像とはだいぶ違い、辛く、面白く、大変で、楽しく、大変で、大変で、とてもぼくらしい生き方ができているなぁと思っています。

この記事は自分の約10年を振り返ると共に、これから新しいことに挑戦したい方へのメッセージとして書きました(そのため、少し先輩風な口調ですが、反面教師なところもたくさんあるので、独立する前のぼく宛ての手紙として)。

Contents

■誰かにきっかけを与える仕事

もゆる
どうも。このメディアSoloProを3年ほどゆるゆる運営している編集長の然(もゆる)です。本業はライターを12年ほど、ライティングカンパニーの代表を6年ほど行なっております。

人と喋るのが苦手だったので、文章を書くライターならできると未経験からはじめてみたら、取材を通じてたくさん人と話す仕事で(今まで4000人程インタビュー)、思ってたのとちゃう!! でも楽しいといった感じで続いています。※人と喋るのが苦手なのではなく、交渉や駆け引きが嫌いなだけで人と会うのは好きだと気づきました。

ところで、個の時代と言われている今、自分らしく”個”を輝かせて生きている人もいれば、仕事に追われ、周りの目に囚われ、お金や安定に執着し……本来のその人らしさが出せていない人もたくさん見てきましたし、インタビューもしてきましたし一緒に働いてきました。ぼくもそうでした。

SoloProを立ち上げた背景は、”ソロ(個人)”で自分らしく生きている人を”自分自身のプロ”と定義し、そんな方を取材したりコラムなどで記事にすることで、誰かにきっかけを届けたいという想いから。

だからビジネスありきでもクライアントありきでもなく、自分の興味ありきで運営しております。

そして、なぜぼくがこんなことをしているのかを10年前の会社員時代から振り返ってみたいと思います。

■独立する気はゼロ。それでもフリーランスになった理由

現在は東証一部上場企業でもある人材系の会社に中途で入ると、すぐにリーマンショックが直撃。日本全体が暗い雰囲気になったことが記憶にある方もいると思いますが、特に採用事業を軸にしていたこの会社は大打撃でした。

売上が減り、社員も減る、ボーナスもなし、でも毎日深夜まで残業し、土日出勤も当たり前という感じで悲劇のヒーローになるには最適な環境だったかもしれません。

しかし、周りの仲間は”いい奴”ばかりで、仕事も楽しく、会社って面白いなぁと感じている自分がいました。初心者クリエイターとして入社し、もともと独立する気はゼロ。転職支援の会社だったのでいろいろな会社を見た中でも隣の芝生は青いと思わず、この環境で力を付けようと思っていたのです。

人間関係や給与の問題から転職や独立をしたい人は多いと思いますが、自分のスキルを上げて成長することに投資できる環境なら将来のリターンは大きいので、若いうちは”成長”を軸に社会人としての基礎力を磨く環境に飛び込みやり抜く姿勢を持つことに賛成派です。

守破離の守ね。

守破離とは、武道や芸能など世界で良く使われる言葉です。 最初の段階では、指導者の話を守る。 できるだけ多くの話を聞き、指導者の行動を見習って、指導者の価値観を自分のものにしていく。 すべてを習得できたと感じるまでは、指導者の指導の通りの行動する。

そんなぼくが、なぜ独立したかというと「チャレンジをする人を増やしたい」という中二病のような理由から。

リーマンショックで世の中が沈んでいる時だったし、周りの仲間もネガティブな理由で会社を辞めていく現状を見て……”チャレンジ”ができる環境を作りたいと思ったのです。

当時のメジャーなSNSはmixiでしたが、これからは人とのつながりを作るサービスがもっと流行ると思っていたので、チャレンジしたり応援することで繋がるWebサービスを自分で作りたいと思ったのです。さらには、人のチャレンジを応援するのに、ぼく自身がチャレンジしないでどうするんだという想いが溢れ、上司に会社を辞めて新しい挑戦をしますと伝えました。

(なんというロジックのない辞め方……。 身勝手な理由で辞めてもなおフリーで仕事をいただいていたのでとても感謝しています)

貯金は少しありましたが、相当切り詰めないと生活できないなぁと一人でぼやきながら、池袋のファミレスでノートに事業戦略を書いていた時は、不安より楽しみが30倍溢れていました。

■チャレンジを増やすより、減らすが正解!?

フリーランスでライターをする傍ら、エンジニアではないので、アイデアを形にするにはお金がいると思い、いろいろなビジネスコンテストに応募しました。

そのタイミングでは資金を得ることができませんでしたが、活動報告をしていたTwitterを見て元同僚の中島大が仲間に加わりました。

現在は自転車業界最大級のメディアにまで成長した「FRAME」を運営する株式会社自転車創業のCEOですが、2010年当時は、一緒に株式会社SUGOLOGという会社を創業したのです。

そして、作っていたのがゴール(目標)のレシピサイト「Golpi」

結論から言うと、日の目を見ることなく、2年ほどで静かに開発は終わりました。

そのきっかけの1つになったのは、東日本大震災。リーマンショックで仕事がほとんどなくなることを経験していたぼくですが、開発費を稼ぐために行なっていた受託事業のクライアントからの売り上げもほとんどストップ。歴史的な震災の後で現地の支援や募金が行われていた頃、ぼく自身もほとんどお金が尽きこれからどうしていこうかと不安に駆られていました。

またその頃、株式会社SUGOLOGの役員をしながら、フリーランスのライターとしても活動したり、カナダ留学してい時にお世話になっていて留学センターU23の社員としてもジョインしていたり、ボランティアとしてNPO活動もしていたので、並行していろいろなチャレンジしすぎて軸がぶれていた時代だったかもしれません。

ぼくに必要なのはチャレンジの足し算ではなく引き算でした。

■やりたいことは自分のココロに聞いたら見えてきた

東日本大震災後、日々内省をし、自分がココロから求めていることを思い出す作業をしていたぼくにとって、「過去でもなく、未来でもなく、今やりたいことは何?」という問いから出てきたチャレンジは、2つ。

1つは、行きたいところに行きたいときに行きたい。でも仕事があるし、お金も時間もないし……と、働き方を理由にできないことが多かったので、その言い訳を無くしたい。

もう1つは、ずっとライターをしてきたのに、周りのライターのチャレンジも応援できていないのに社会のいろいろな人のチャレンジを応援できるのか? という課題から、チャレンジを応援する範囲を狭めて、自分自身もライターとして新しいチャレンジをすること。

 

1つ目は、すごいシンプルに、旅をしながら働けば、仕事を休まなくていいしお金も稼げるからやろうと決めました。ボランティアに行けなかった東北地方へ自転車で行くと決め、さらには日本の最北端、北海道の宗谷岬まで1ヶ月かけて走りました。

その間にどんな仕事をしたのか、働き方をしていたのかはブログで発信しています。走って仕事して走って仕事して、今考えるとかなりロックです。

【旅×仕事+自転車】ほぼ毎日50キロ以上走りながら、売上87万円

人それぞれの価値観にもよりますが、
「心がふるえる体験」の多さは
「人生の豊かさ」に比例すると私は思っています。

その上で、旅中は何回も
Awesome!!(日本語訳:スゲーー!!)
と叫ぶような景色や人に出会う経験ができたのは、一生の宝物です。

これは売上に換算できないプライスレスな価値であり
ビジネスをする上でも
今後もこの感情をお客様やユーザーに提供できるようなプロジェクトを仕掛けていきたいと感じています。

結果、このチャレンジを通じて今も行なっている旅をしながら仕事をするスタイルの基礎ができました。

ぼくのワークスタイルはいろいろなメディアで記事にしていただきましたので、興味ある方は読んでみてください。

 

■アントレmagazine

好きを仕事にしたいなら、「実験」することからはじめよう。自転車旅ライター松田然の働き方戦略

■キャリアコンパス(DODA)

24時間仕事人間から、好きなだけ旅をして月100万円以上稼ぐ働き方へ! 松田然流・理想のライフスタイルのつくり方

■anotherlife

働きながら旅をする!僕がワークスタイルの「実験」をする理由

■自分探しトラベル

”移働”のススメ【前半】

”移働”のススメ【後半】

■sidelines

複業・副業は、自分の体で実験してみることのススメ/働き方実験家 松田然さんインタビュー

■フリーライターのよりどころブログ

“旅しながら働く”ライター松田然さんが教える自分らしい働き方に必要な3つの軸

■.HYAKKEI

【自然ビト01 】ワークライフミックスとしてのアウトドア/.HYAKKEIライター松田然

■crowdworks

岐路に立ったら、常に面白いコンテンツになるほうを選ぶ:ライター松田然さん

■MakeLeaps

【日本国内の旅×仕事+自転車】を実現。スゴいものを生み出す松田然さん

etc……

もう1つ、ライターのチャレンジに関しては、SUGOMONというライティングカンパニーを2013年9月に立ち上げ、現在は6期目です。

ぼくもそうでしたが、常に仕事の締め切りがある、お金や時間に余裕がない、周りの目を気にしすぎるなど、ライターの働き方には課題を感じていたので「こんな生き方をしてもいいのでは?」というライターのロールモデル(凄い者=スゴモン)を育てたいという想いがありました。

そして、ぼく自身もそんな人になりたいと思い、47都道府県を全て自転車で走りながら仕事をするスタイルの人として活動をはじめました。結果、旅先で多くのライターさんにお会いし、クライアントも全国に広がり今も国内外を回りながら活動ができています。

このメディアSoloProを立ち上げのはそれから3年後、フリーランスや会社員問わず、個人の時代が来ると言われる中で、何か自分でチャレンジする際に背中を押してあげる情報発信がしたいなと想い立ち上げました。

このように、チャレンジ=自分らしい生き方をすることにコミットして活動してきた9年間。その過程で失ったものや得たものがたくさんありました。

ただ、今回は長くなったので、後半の記事で後日アップします!

1つだけ言えるのは、生きている限り、何があろうと自分だけのコンテンツづくりが続いており、悩んだり失敗したりと波があった方が面白いストーリーになること。そして、チャレンジしていると成功しても失敗しても成長という果実は必ず得られちゃうんだけど、詳しくは後編へ続く。

 

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