選ばれる私になる! 自分を魅せる方法 【ベストセラー作家・宮本佳実さん×NY在住女性起業家ひでこ・コルトンさん対談(2)】

今回ソロプロでは、「好きなことを仕事にし、自分をブランド化している」2人のカリスマ女性起業家の対談 in ニューヨークを企画!

4月に『大丈夫、あなたは「好き」を仕事にできるから。~人生のモンモン期をするりと脱出する方法~を出版されたベストセラー作家の宮本佳実さんと、7/4(水)に『ニューヨーク流 自分を魅せる力』を上梓されたNY在住の料理家で起業家のひでこ・コルトンさん。

お二人は、普段どのように自分をプロデュースをし、夢を実現されているのかーー。

対談の第2回目は、「選ばれる私になる!自分を魅せる方法」についてお話いただきました。

対談第1回目:好きなことを仕事にし、自分をブランド化する方法

Contents

同じメッセージを伝え続ける

ーー対談の第2回目では、セルフブランディングについてうかがっていきたいと思います。まず、ブランディングで意識されていることはありますか?

宮本佳実さん(以下、宮本):覚えてもらうまでに時間がかかるので、どれだけ同じメッセージを伝え続けるか、ということを意識しています。「この人は、こういうメッセージを伝えている人だ」と完全に理解してもらうまで、SNSでも同じことをコンコンと言い続けるんです。

なぜかみなさん、SNS等で発信をしようとすると、「違うことを書かなければ!」「いつも新しい情報を書かなければ!」と思っていらっしゃる方が多いんですけど、本当は同じようなことをずっと言い続けなければいけないんですよね。読者はそれを求めているんです。

ひでこコルトンさん(以下、コルトン):確かにそうですね。私はニューヨークのおもてなし料理教室をやっているので、世界のトップ、クリエイティブ、モダン、都会的、インターナショナルなど「ニューヨークのおもてなし」に返ってくるような世界観を発信しています。

なのに、もし急に子供向けのデコスイーツのレッスンを企画するなどブランドイメージとまったく違うことをしたら、生徒様もビックリされてしまいますし、期待を裏切ることになってしまうでしょう。

宮本:以前、『売れる私になる方法』という本にも書いたんですけど、私はこれを『あだち充理論』って呼んでいるんです。あだち充さんの漫画といえば、『タッチ』とか『H2』とか。どの作品も絵のテイストは変わらないし、青春の甘酸っぱいロマンスというのも一緒。読者はあの世界観を求めているんですよね。

なのに、もしあだち充さんが、いきなりホラー漫画などいつもと全然違うテイストの作品を出されたら、読者は「あれ?期待したものじゃなかった……」となってしまうと思うんです。

私たちは自分のことだから、「1回言ったから伝わるだろう」と思いがちですが、そうじゃないんですよね。伝えたいメッセージや世界観を覚えてもらうまでは、「ちょとクドいかな?」と思うぐらい何度も伝え続けることが大切だと思います。

トップブランドほど努力している

宮本:去年の夏にニューヨークに初めて来て以来、この街に魅了されてしまい、今は数ヶ月おきに訪れています。去年クリスマスの時期にもニューヨークに来たのですが、その際「クリスマス・スペキュタクラー」というショーを観ました。

それをひでこさんにお話したら、ホリデーシーズンにニューヨークに来てあのショーを観ることは、アメリカ人のステータス。それぐらいアメリカ人の間では有名なショーなのだと教えてくださったんです。

でもそれぐらい有名なショーにもかかわらず、ニューヨークの至るところでビラが配られているし、大きな看板広告を見かけるし、イエローキャブにまで広告が掲載されているし……。もうクリスマス・スペキュタクラーの広告を見ない日はないぐらい。あんなに有名なのに、すごいなって思ったんです。

よく「イベントやセミナーの告知を書いたのに、全然お客様が来ないんです」という人がいるけれど、みんなクリスマス・スペキュタクラーを見習わなきゃって思いました。

コルトン:テレビCMだって何度も繰り返し放送するから、お客様もそのブランドを認識し、次第に興味を持ってくれるようになる。トップブランドほど、そのことを理解し自分たちのメッセージを届けようと努力していると思います。それもあの手、この手で。

宮本:本当にそう!あのエルメスだって、お付き合いのあるお客様には毎月のようにお手紙を送っているそうです。もう、やることが手厚い。一流のところほど、その地位に甘んじず、そういうことを疎かにしないですよね。

自分が腹落ちしていない投稿はバレる

宮本:あと私がSNSの発信で意識しているのは、「すごい話」ではなく、「自分の体験」を書くことです。高尚なことを言おうとして、人から聞いたいい話をそれっぽく書いても、やっぱり自分で腹落ちしたことを書かないと、それって相手に伝わると思うんです。

「誰かから聞いたすごい話」じゃなくて、「自分で体験して気づいたこと」を書けばいい。日常で気づいた小さなことでいいんです。それがコツな気がする。

コルトン:背伸びしたくなる気持ちもわかります。でも、本で読んだことをそのまま書くとか、誰かの真似をしても、そういう投稿には熱さが感じられないし、説得力に欠けますよね。説得力っていうのは、心の中から湧き上がってくるマグマから生まれる。だからSNSの投稿も、その人自身の言葉で語っているかどうか、そこですよね。

あとは繰り返しになってしまいますが、やっぱり「自分の好き」を極めることが大切だと思います。好きなことを極めていくと、発信するメッセージもどんどんユニーク且つクリエイティブになって、その人ならではのオリジナルになる。そうなると、誰も真似できないオンリーワンなブランドが出来上がると思うんです。

ブランドの価値を守るためにも、断ろう!

ーーその他に、ブランディングで意識されていることはありますか?

コルトン:ブランドの価値を守り、ブランドのメッセージを弱めないためにも、私は「断ること」を大切にしています

以前、フジテレビの料理番組の出演依頼があった際も、出演条件にエプロンをつけることがあったため、出演をお断りしたことがあります。

宮本:えっ!?料理番組に出演なんて、料理家としては名誉なことだと思いますが、なぜ断ったのですか?

コルトン:エプロンをつけることで、私が表現したい「ニューヨーク流のパーティ」という華やかな世界観を表現できなくなってしまうと考えたからです。

とはいえ、エプロンはつけたくないからと出演を断る料理家はあまりいないので(笑)、最初は驚かせてしまいましたが、テレビ局側も私の想いに納得いただき、最終的にはエプロンなしで出演させていただけることになりました。そして、キャスターをはじめ番組制作チームの方も、私のメッセージを理解してくださり、番組の中でもそれを伝えてくださるようになったんです。

断ることに対して、ネガティブなイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、実はNOと言うことは、自分の信念を伝えること。愛する商品への情熱や世界観を相手に伝えるチャンスでもあるんですよね。

宮本:そうですね!私も自分のブランディングにそぐわないことは一切しませんし、しっかりお断りします。

コルトン:さすが!!

宮本:SNSの投稿一つとってもそうです。「こういうのは、私のブランディングにそぐわないからブログには載せない」というように徹底しています。

たとえば以前、取引先の男性の方とご飯を食べた時に一緒に写真を撮ったのですが、後日その方が「宮本佳実さんとご飯を食べました!」とFacebookに投稿していたことがあったんです。でも「すみません、男の人と一緒にご飯を食べるなんて、私のブランディングにそぐわないのでやめてください」とお願いし、取り下げていただいたことがありました。

コルトン:よしみさんも、しっかりコントロールされているんですね。見ている人は見ているから、そうやって自分の世界観を守ることは大事ですよね。

ーーでも日本人って、断るのが苦手な国民ナンバーワンじゃないでしょうか?「はっきり断りましょう」と提案しても、なかなか実践できない人も多いと思います。

宮本:そうですね。日本では直接的に伝えると角が立つことも多いと思うので、まずは相手を尊重し、その上で自分の信念を丁寧にお伝えすればいいと思いますよ。

コルトン:あとは、「タダでやってほしい」、「安くやってほしい」など値引き交渉をされた時も、しっかり断らなければなりません。でもなかなか難しいですよね。そういう場合はメニュー表を事前に作って、「申し訳ありませんが、いつもこの価格帯でご提供させていただいております」とお伝えするといいと思います。

私はニューヨークに進出したいという企業の方から、「今度ランチでもしながら、お話を聞かせてください」とご連絡をいただくことが多々あるのですが、その際もコンサルティング費用を提示し、それでもお願いしたいと言ってくださる方とのみ打ち合わせをします。

宮本:私もそういう場合は、ひでこさんと同じようにメニュー表をお送りして、その内容にご納得いただいた方とお仕事をしますね。

コルトン:そうすると、お客様にとってもいいんですよね。同じ1時間でも濃い時間を過ごせますし、コンサルティングの内容を明記しているので、トラブルにもなりにくい。その方がお互い気持ちがいいし、そのサービスがよかったら、次のお仕事にも繋がるんですよね。

競合他社の真逆をいく

コルトン:あとは、そうですね。「異色を放つ」ということを意識しています。みんなと同じことをしていたら、埋もれてしまう。だから、人と違うことをするんです

たとえば、ニューヨークにはイエローキャブという黄色いタクシーがたくさん走っていますが、どれも見た目は一緒。だからお客様はどれを選んでも同じだと思ってしまいます。

でも、もし1つだけ真っ赤なタクシーが走っていたら、きっと目立ちますよね? 中には一度乗ってみたいと思う人も現れるでしょうし、写真を撮ってSNSでシェアする人も現れると思います。人と違う、それだけで選ばれることが増え、他者よりも高い利益を上げることができるんです

じゃあ、どうやったら異色を放てるかというと、「あなたの業界の何に逆らいたいですか? あなたの業界の何が嫌ですか?」この質問に答えると、その方法が見えてくると思います

宮本:この質問、すごいです!! 私は以前、ブライダル業界で司会の仕事をしていたのですが、その時にクレイジーウエディングというオリジナルの結婚式をプロデュースする会社が立ち上がって、一気に人気になったんです。

それまでのウエディング業界って、限られた選択肢の中からプランを選び作っていくパッケージ形式だった。それはとても効率的なビジネスモデルだけど、「なんでみんな同じような結婚式なんだろう」と不満に思うお客様も少なくなかったと思うんです。

クレイジーウエディングはそこに目をつけて、そのカップルのパーソナリティやバックグラウンドを反映し、完全にオリジナルの結婚式をプロデュースしていった。業界の常識を覆したんです。

「業界の何が嫌で、何に逆らいたいか?」と聞かれると、競合とは真逆のビジネスアイディアが次々に浮かぶなって思いました! これは、すごくいい質問ですね!

コルトン:ここを抑えておかないと、競合他社には勝てないんですよ。競合他社と同じ市場を狙ってもレッドオーシャンになるだけなので、競合他社の真逆からいかないと。「Me too」ではいけないんです!ですから、もし自分をブランド化したい方は、その視点から考えてみるといいと思いますよ。

第3話はコチラ

ゼロからはじめる、自分ブランドの作り方 【ベストセラー作家・宮本佳実さん×NY在住女性起業家ひでこ・コルトンさん対談(3)】

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ひでこ・コルトン:
NY*おもてなし料理家/ COLTONS NEWYORK 代表取締役 NY 在住約30年。外資系投資銀行に 10年勤務した後、40代で会社を立ち上げ「NY*おもてなし料理教室」を主宰。 NYならではの調理法や華やかなテーブルコーディネートが話題を呼び、現地の駐在員夫人や、お忍びで通うセレブ リティで常に満席。生徒数はNYや日本だけでなく世界中で3,000名を超え、予約が取れない料理教室に。 また、大使関係者や社長クラスのプライベートパーティー や、ティファニー、ディオール、高島屋などハイクラスな 企業のフードコーディネートも企画実施。
2012年より米国フジテレビの料理コーナーにレギュラー出演。日本でも TV、新聞、雑誌など幅広く登場。著書に『NY のおもてなしレシピ』(講談社)がある。

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宮本佳実:
ワークライフスタイリスト。1981年生まれ、愛知県出身。高校卒業後、アパレル販売員、一般企業で人事・受付、司会者を経験。28歳で起業を決心し、パーソナルスタイリストとなる。名古屋で主宰する「女性のためのスタイリングサロンビューティリア」は全国から顧客が来店するサロンに成長。その経験から「好きなこと起業」の楽しさを多くの人に伝えたいとコンサルティング活動を開始。現在はサロンを組織化し、自身はワークライフスタイリストとして「可愛いままで起業できる!」をコンセプトに活動。

 

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