「儲かるから」ではなく「情熱を注げる好きなこと」を選ぼう 【ベストセラー作家・宮本佳実さん×NY在住女性起業家・ひでこコルトンさん対談(1)】

「このまま今の仕事を続けてもいいのだろうか。」
「もっと私らしく、自由にやりたいことをして生きていきたいけれど、どうすれば……!?」

そんな風に思い悩む女性は多いのではないでしょうか。
そこでソロプロでは、「好きなことを仕事にし、自分をブランド化している」2人のカリスマ女性起業家の対談 in ニューヨークを企画!

「好きなことを、好きな時に、好きな場所で、好きなだけ」をコンセプトに、女性の新しい働き方、生き方(ワークライフスタイル)を発信されている宮本佳実さんは、2015年に著書『可愛いままで年収1000万円』を出版。以来ベストセラー作家の仲間入りを果たし、2018年4月には『大丈夫、あなたは「好き」を仕事にできるから。~人生のモンモン期をするりと脱出する方法~』を上梓されました。

またニューヨーク在住の料理家で起業家のひでこ・コルトンさんは、外資系投資会社に10年勤務した後、40代で全くの異業種である料理家に転身。主催する料理教室の生徒数は世界中で3000名を超え、現地の駐在員夫人やお忍びで通うセレブリティで常に満席!さらにティファニーやディオール、髙島屋などハイクラスな企業のフードコーディネートも手がけています。2018年7/4(水)には『ニューヨーク流 自分を魅せる力』を出版されました。

そんなお二人に、「好きなことを仕事にし、自分をブランド化する方法」をテーマに3回にわたって対談していただきました。

Contents

「好きなこと」を仕事にすると、なぜか上手くいく理由

ーー宮本佳実さんは、女性の新しい働き方、生き方を発信されるワークライフスタイリスト、ひでこコルトンさんはニューヨークで活躍されている料理家。それぞれやっていることは違うものの、「好きなことを仕事にし、自分をブランド化している」という共通点があると思います。今日はそんなお二人に色々伺っていきたいと思いますが、まずはなぜ今のお仕事をしようと思ったのか聞かせていただけますか?

宮本佳実さん(以下、宮本):実は、私は20歳ぐらいから作家になりたかったんです。当時はOLをしていたのですが、毎日満員電車で会社に通い、職場の人間関係で悩み鬱々とした生活を送っていました。そんな中、ハマっていたのがニューヨークが舞台のドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」。主人公のキャリーはライターの仕事をしていて、いつもオシャレを楽しみながら、自宅やお気に入りのカフェでコラムを書くという生活をしていました。

そんな彼女のライフスタイルに憧れ、「あぁ、私もあんな生活がしたい!」と思っていました。また作家の浅見帆帆子さんも大好きで、彼女の本を何冊も読んでいたので、「いつかキャリーや帆帆子さんみたいに書く仕事をしたいな」と思っていたんです。

ひでこコルトンさん(以下、コルトン):佳実さんは、憧れから今のワークスタイルを作っていったんですね。私は長年ニューヨークの金融業界で働いていて、仕事は楽しかったんですよ。結果を出せば評価される実力主義の職場でしたし、米国株を扱っていたのでアメリカ企業のトップの方達とお会いする機会もありました。とてもエキサイティングでやりがいのあるお仕事だったんです。

宮本:かっこいい!!

コルトン:でも9.11のテロで突然命を奪われた人や、リーマンショックで人生が狂ってしまった人がたくさんいて……。そんな人達を見る中で、「お金は幸せの絶対条件じゃない」ということを思い知らされたんですよね。

またずっと欲しかった子供ができたのに、朝から晩まで仕事ばかり。改めて自分の人生を考え、「おばあちゃんになっても今の仕事を続けたい?」と自問自答した結果、答えはノーでした。そして人生一度しかないので、いつ人生が終わっても後悔しないよう、これからは好きなことを仕事にしようと、40代の時に料理家に転身したんです。

ーー好きな仕事をして変わったことはありますか?

コルトン:料理は心からやりたいことなので、幸福度というのが全然違いますね。自分の夢を一つ一つ実現していくということは、何とも言えない満足感や幸福感があります。もちろん大変なこともあるけれど、「好き」という情熱があるから乗り越えられる。だから好きなことを仕事にして本当によかったなと思っています。

宮本:好きなことには、そういうパワーがありますよね。もちろん好きな仕事の中にも嫌いなことはありますし、私もこの仕事をしていて大変だったことはありました。でも今まで続けてこれたのは、好きだから、なんですよね。だから「儲かる」から選ぶんじゃなくて、「情熱を注げること」を仕事に選ぶのがポイントだと思います。

コルトン:それはどんなジャンルの仕事でも同じですよね。たとえば、ニューヨークの飲食業界は競争が激しいのですが、ちゃんとオーナーの熱い想いが伝わっているレストランってうまくいっているんですよ。でも「最近こういうレストランが流行っているから……」という理由だけで経営していると、消費者も賢いから「この料理、どこかで見たような料理だよね」とか「これ、どこかで見たような宣伝だよね」と気づいてしまう。

そういう賢い消費者を納得させられるだけのパッションがないと、ビジネスってうまくいかないと思うんです。だから、私は息子にも「自分が心から情熱を注げる好きなことをして生きてね」と言っています。

「好き」がわからないのは、感覚が麻痺しているだけ

ーーでも一方で、その情熱を注げる好きなことを見つけられない人も、少なくないのではないでしょうか?

コルトン:私の生徒様にもそういう方が少なくありません。でも好きなことがない人間なんていません。好きがわからないのは、それまで自分の意思ではなく他人の意見で色んなことを決めて生きてきたり、やりたいことを挑戦した時に周りから反対されたりして、感覚が麻痺しているだけかもしれません。

宮本:あとは好きなことを高尚なことだと思っているから、かもしれません。でも、ほんの些細なことでいいんですよね。犬が好き、猫が好き、コーヒーが好き、紅茶が好き、そのレベルでいい。たくさんの好きなことを掛け合わせていったら、仕事になっていったりするから

コルトン:好きなことって日々の生活で自然とやっていること。「朝昼晩、何をしているのか」「何をやっている時に自分は楽しいと感じるか」を考えてみる。そしてさらに、なぜ好きなのか分析してみるといいと思います。もしショッピングが好きだったら、何をショッピングするのが好きか。靴が好きだったら、何で靴が好きなのか?そうやって分析していくと、自分というものがわかっていくと思います。

宮本:幼少期好きだったことを考えてみるのもオススメです。子供の頃って誰もが何の制限もなくやりたいこと、好きなことを周りに言えたし行動できたと思います。その時のことを思い出してみると少しずつ感覚が呼び戻されると思います。

そしてもう一つ、私が好きなことがわからないとおっしゃる方によくご提案するのは、「毎日好きを選択すること」。ランチを選ぶ時も「何でもいい」じゃなくて、「今日は何を食べたいか」ということを考えて選択する。家に帰る時も、「今日はどの道から帰りたいか」を考えて選択してみる。そういうことの積み重ねが、自分の素直な感覚を呼び戻していくと思います。

誰だって「好き」を仕事にできる!

ーー好きなことを仕事にしたいと思っていても、「それって、一部の才能がある人だけでは?」と感じる方も多いと思うんです。

宮本:私も昔は、学校を卒業したら、どこかの会社に勤めるしか働く方法はないと思っていました。でも今は、色んな働き方があるし、いろんな選択肢の中から自分で選べるんですよ。今の時代に必要なのは、自分の好きなことと自分の適性を見極めて、誰と組むか、どうやって働くかを選択する力

たとえば営業が苦手であれば、営業が好きで得意な人と組めばいい。もしチームで仕事をしたければ、チームを組めばいい。組織の中で働きたかったら、会社員になればいい。よく好きなことを仕事にしましょうというと、起業しなきゃいけないと思う人が多いですが、会社員だって好きなことを仕事にすることだってできるんですよ。

コルトン:私の本『ニューヨーク流 自分を魅せる力』や佳実さんの本『可愛いままで年収1000万円』の担当編集者Oさんも、子供の頃から本が大好きで、今その本を作る仕事をしてとても幸せだとおっしゃっていますしね。

それに私の生徒様にも、料理が大好きでいつか料理の道に行きたいと思っていた方がいましたが、起業をしたいわけではありませんでした。会社員という働き方で好きなことをしたかったのです。その方は上司に希望を出し、現在料理に関わる部署で働いていらっしゃいます。会社員だって部署異動や転職だってできるし、まずは副業から始めてもいいですしね。

宮本:だから、みんな好きなことを仕事にできると思います。でも多くの人が、「好きなことなんてお金にならない、仕事にできるわけがない」と思い込んでいる。

だけどその好きなことを仕事にしている人を探してみると、意外にいるんですよね。実際に私は、今の仕事をする前は、お洋服をコーディネートするのが好きだったので、パーソナルスタイリストの仕事をしていました。

最初は好きなことが仕事になるのだろうかと不安もありましたが、ネットで調べてみたら、そういう仕事をしている人が結構いたので、私もできるかもと思い最初の起業をしたんです。

コルトン:「好きなことを仕事にできる!」と思っていれば、できる方法が見つかるけれど、「そんなことできるわけがない」と思っていたら、その方法は見つからないですよね。

宮本:そう!「できない」を「できる」に変える変換力、それがあるかないか。それだけだと思います。

第2話はコチラ

>選ばれる私になる! 自分を魅せる方法 【ベストセラー作家・宮本佳実さん×NY在住女性起業家ひでこ・コルトンさん対談(2)】

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ひでこ・コルトン:
NY*おもてなし料理家/ COLTONS NEWYORK 代表取締役 NY 在住約30年。外資系投資銀行に 10年勤務した後、40代で会社を立ち上げ「NY*おもてなし料理教室」を主宰。 NYならではの調理法や華やかなテーブルコーディネートが話題を呼び、現地の駐在員夫人や、お忍びで通うセレブ リティで常に満席。生徒数はNYや日本だけでなく世界中で3,000名を超え、予約が取れない料理教室に。 また、大使関係者や社長クラスのプライベートパーティー や、ティファニー、ディオール、高島屋などハイクラスな 企業のフードコーディネートも企画実施。
2012年より米国フジテレビの料理コーナーにレギュラー出演。日本でも TV、新聞、雑誌など幅広く登場。著書に『NY のおもてなしレシピ』(講談社)がある。

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宮本佳実:
ワークライフスタイリスト。1981年生まれ、愛知県出身。高校卒業後、アパレル販売員、一般企業で人事・受付、司会者を経験。28歳で起業を決心し、パーソナルスタイリストとなる。名古屋で主宰する「女性のためのスタイリングサロンビューティリア」は全国から顧客が来店するサロンに成長。その経験から「好きなこと起業」の楽しさを多くの人に伝えたいとコンサルティング活動を開始。現在はサロンを組織化し、自身はワークライフスタイリストとして「可愛いままで起業できる!」をコンセプトに活動。

 

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