ワーカホリックでも休み上手になれる!「良い働き方は、良い休み方から」 【 #ワーケーションラボ Vol.1】イベントレポ

「社畜」「ワーカホリック」「愛社精神」なんて言葉が、若干のポジティブなイメージと共に使われることもまだまだ多い現代日本。でもやっぱり長い目で見たら、休み方も働き方も稼ぎ方も自在にコントロールできるほうがいいはず

そんな「働き方」と「休み方」について悩みを持つ個人事業主や会社員の方を対象に、2018年11月12日、「良い働き方は、良い休み方から【ワーケーションラボVol.1】」が半蔵門のLIFULLHUB開催されました。

主催は、都内からのワーケーション(ワークとバケーションを組み合わせた造語)先としてコワーキングスペースや交流の場を立上げ予定の静岡県小山町。そんな小山町と、働き方についての実験と検証を続けるメディア「Solopro」がコラボし、今回のイベントが実現しました。

登壇したのは、理想の働き方と休み方を自身でデザインし、実践を続けているこちらの3名。

松田 然(まつだ もゆる)
SoloPro編集長 / ライター / 合同会社スゴモン代表。旅をしながら仕事をするライフスタイルを取り入れ、月の半分を自宅がある東京ではなく国内外を転々としている。特に自転車旅が好きで、仕事をしながら47都道府県すべてを走破。ライターカンパニー 「合同会社スゴモン」代表や、個のワークスタイルをアップデートするメディア「SoloPro」編集長も務め、これからの時代にあった働き方を自ら実験している。
黒田 悠介(くろだ ゆうすけ)
議論メシ代表 / FreelanceNow発起人 / ディスカッションパートナー / フリーランス研究家 / 「文系フリーランスって食べていけるの?」編集長、他。年間30社の事業立ち上げを支援するディスカッションパートナーとして活躍しつつ、ライフワークとして、自らの働き方を通してフリーランスの可能性を探る「フリーランス研究家」としても活動。約2千人のフリーランサーが所属するグループ「FreelanceNow」の発起人でもある。
横田 親(よこた いたる)
自動車部品の会社に勤めながら、小商いを立ち上げる塾を個人で運営。そのほか、地域のコミュニティ作りや面接事業など様々な事業を手がけている。株式会社リクルートエイブリックに6年間勤めた後、移住先の兵庫県丹波市で市議会議員になるなど、異色の経歴の持ち主でもある。傘をかぶっている理由は、「変な格好をしていると、保守的な人が話しかけてこない」から。保守的な人との関わりが減ると、人生が加速するのだそう。

司会を私、坂口が務めさせていただき、この3人が考える「休み方が上手くなる方法」について、それぞれの実体験と共に語っていただきました。

(1)余裕のある働き方への第一歩は、好きな仕事に注力すること

坂口
みなさん、普段はどんな働き方・休み方をされているんですか?

松田
今は、国内外を飛び回りながら働くスタイルを実験し、中でも自転車移動が好きなので47都道府県を全て走りました。でも、会社員時代は極度のワーカホリックで、8年前に独立してからもしばらくそんな感じでしたね。2011年の東日本大震災をきっかけに「自分がやりたいことを諦めない働き方がしたい」と試行錯誤して、その結果、旅と仕事がグラデーションするような働き方にたどり着きました。

横田さん
僕は、自分が喜ぶ働き方を追求しているので、48時間でもぶっ続けで働き続けられますね。やるときはやるし寝るときは寝るタイプなので。ぶっ続けで働いたら24時間寝るみたいな感じです。あとは、仕事の合間に2時間空いた時間があれば、すぐサウナに行きます。サウナに行くと、一瞬で疲れが回復するんですよ。

黒田さん
このイベントに登壇するに当たって、1日の時間の使い方を振り返ってみたんですけど、睡眠に7時間、情報収集に3時間、コミュニティ運営に3時間、社交に3時間、移動に2時間、食事に2時間、ゲームや漫画などの好きなことに2時間、残りの1〜2時間で仕事をしていました。

坂口
私、黒田さんの働き方が超理想です。1〜2時間働いて、あとは人と会ったり自分の好きなことに使ったり。でも、そんな働き方、到底できる気がしません……。

黒田さん横田さん
できるできる(笑)

黒田さん
私、この生活をするのに3年かかったんですよ。そのために、まずは時間単価を2〜6万円に上げました。それくらいの単価で働くと、1日2時間働けば最低4万円稼げて、20日稼働で最低80万円稼げます。もうひとつはコミュニティ運営。今、190人いるコミュニティを運営していて、月にひとり4,000円の会費が入ってきます。工夫次第で、いくらでも稼ぐことはできるんです。

坂口
じゃあ、黒田さんが人に会う時間を毎日確保しているのは、コミュニティ作りのためでもあるんですか?

黒田さん
そうです。それに、人との繋がりが増えると仕事の依頼も増えるし、自分はできないけどあの人はできます、と言えるケースも増えていきます。そうすると、苦手なことをほかの人にお任せして自分の好きなことだけする時間が作れるんですよ。そうやって3年間、ひたすらディスカッションだけをやり続けたら、めちゃめちゃ上手になりました。好きなことだけをやり続けると、それがものすごい強みに変わるんです。するとさらに単価を上げることができますよね。

松田
私も、より自分の得意なことに注力するために、さまざまな強みを持った仲間とチームを組んで仕事をしています。チームで仕事をすると、得意なことだけに専念できるので成果も出しやすいし、お互いが休みを取りたいタイミングでサポートし合えるんです。みなさんも、こういうイベントに来ている人は属性が近い人が多いので、ただ登壇者の話を聞きにくるだけではなく、周りの参加者にどんどん話しかけて悩みを共有するといいですよ。今後につながる縁を作るチャンスです。

坂口
なるほど……。でも、フリーランスはともかく、会社員だと好きなことだけやり続けるのは難しそうですよね。

横田さん
会社員でも、やればいいじゃないですか。僕、向いてる仕事に集中すると、結果は絶対ついてくると思っています。しかも疲れない。僕が48時間もぶっ続けで働けるのは、そういう仕事をしているからです。でも向いてない仕事は絶対結果出えへんし、疲れるんですよ。いい働き方休み方をしたいなら、会社員でもそこは追求したほうがいいです。「得意な仕事だけやらせてください、そしたら今よりもいい結果出すんで」って言えばいいんですよ。

坂口
え〜〜〜〜。絶対受け入れてもらえない気が……。

黒田さん
難しければ、アウトソースするという手もありますよ。「自分の人件費を削ってもいいですし、やり方はお任せしますけど」って言って、苦手な仕事はアウトソースしちゃうんです。同じ理由で、まだ仕事が選べない成長段階の会社の経営者の方にも、毎月アウトソースの予算を確保することをオススメしています。

横田さん
それもダメだったら、会社をやめればいいんですよ。我慢が慢性化している組織は、みんながお互いの幸せを確保しあう組織には敵わないんです。我慢して働いてる人より、楽しく働いてる人のほうが絶対いい仕事するから。我慢を強いるような会社はいずれ淘汰されていくはずなので、辞めても大丈夫です。

(2)休み方が下手な人は、自分の「やりたいこと」がわからない人

横田さん
働くことがしんどいことで、休むことが楽しいことだって考えてる人って多いですよね。でも僕、世の中の幸せって、別に制限されていないと思うんです。仕事も楽しいものにできるし、休もうと思ったら休めるし、休みながらお金をもらおうと思ったらもらえると思うんですよ。

松田
僕の場合も、「こうありたい」という生き方と、働き方が連動していますね。友人から遊びの誘いが来たときに、フットワーク軽く応じられる生き方がしたいと思っているので、じゃあ、そのためにはどういう稼ぎ方をしたらいいかな、というのを逆算して作っている感じです。

横田さん
そうそう。自分がこうなりたいと決めたら、あとは動くだけなんですよ。そのための方法がわからなければ、「俺はこうなりたい」って周りに言えばいいんです。そうすると「そういうやり方あるよ」と教えてもらえるから。

坂口
え、じゃあ、何をしたらいいかはわからないけど「一生楽して暮らしたい」と思ったらそれを周りに言えばいいんですか?

横田さん
うん。でも「楽」って何? 働いてる状態? それとものんびりしてる状態? 誰かと楽しく喋ってる状態? それを半年続けられるか考えてみて。ひとりで家の中でのんびりするのを半年続けられる奴おる? 寂しくて耐えられないと思うよ。「仕事したくないわ〜」って人は、しないで半年過ごしてみ?「私誰からも必要とされてない……」ってなるから。それってつまり、望んでることが違ったってことよね。「楽」をきちんと分析していくと、それは絶対実現可能だと思うんですよね。

僕、休み方が下手な人っていうのは、すなわち「自分のやりたいことが分からない人」だと思うんですよ。やりたいことがある人は、やりたいことやればリフレッシュできるんで。じゃあなぜ自分のやりたいことが分からないかと言うと、理由のひとつは「誰かの都合に合わせて生きてきたから」なんですよね。人の都合に合わせたほうが相手が喜んでくれて、自分のやることが明確になるんで。そういう姿勢が身についてるから、自分のやりたいことが見つからないんだと思います。

(3)「やりたいこと」探しのコツは、感情を動かすこと

松田
そういう人がやりたいことを見つけるのに、オススメの方法があります。

みなさんの中に「自分探しの旅」をしたことある人います?(会場の参加者で手を挙げた方がポツポツ) ……あれって、やってもなかなか「自分」は見つからないですよね(笑)。でもその代わり、あるものが見つけられます。それは「自分の得たい感情」。日常を離れた旅先では心が開けているので、「こういうことやると楽しいな」とか「こういう人いいな」と気付ける。それが、自分自身のやりたいことのヒントに繋がると思っています。

黒田さん横田さん
(めっちゃうなづく)

黒田さん
おっしゃる通りで、旅先に行くと心が開けるんですよね。たとえば、満員電車に乗ってるときって周りに関心を持たないじゃないですか。あれって心を閉ざしてるからだと思うんですよ。情報が溢れている都会では必要なことですが、閉ざしてばかりいると自分自身も自分の心が見えなくなってしまう気がします。その点、都会を離れることは、ノイズがなくなって、自分の心に向き合えるいい機会になるんじゃないでしょうか。

横田さん
自分の感情に敏感になるって、大事ですよね。なんで僕の場合、自分の「嬉しい」感情を取り戻すためのルーティンを作っています。まず、自分が嫌いになるまで寝るんです。起きたくて仕方なくなるまで。で、起きたら麻婆豆腐を食べる。そのあとはカラオケかサウナに行く。で、やりたければ仕事をして、やりたくなければまた寝る。このルーティンを回すと、めっちゃテンション上がるんですよ。で、「こんだけ甘やかしたから、やろか」ってなる。こういうゴールデンセットを自分で決められると強いですよね。

黒田さん
私もゴールデンのルーティンがあります。一週間とか、まとまった時間がとれたときは、本をたくさん持って山奥にこもるんです。で、ひたすら読んで、飽きたら散歩をする。不眠不休とは言いませんが、眠る時間も削って自分が満足するまで読んでますね。こないだも首都圏から近いけど電波が通じないところに行ってそれをやりました。そうやって、時間を作ってまとめてやるのもありかなと思います。

(4)自分の「やりたい」が見つかったら、とにかくやる

横田さん
そうやって自分の感情を手入れして、ちょっとでもアンテナが動くようになったら「とにかくやる」ことですね。やってみて面白ければ続ければいいし、なんか違うなと思ったらまた別のことを探せばいいんです。

黒田さん
僕も自分の仕事を確立するとき、心が動いたものはすぐにやるようにしていました。羊毛フェルトとかうどん作りとか、とにかく何でも。テレビで見て気になったらすぐに材料を買いに行ったりしていましたね。今の仕事は、そういうのを100個ぐらいやって、たまたま楽しくて継続できたやつが残っているだけなんです。

横田さん
あと、何をやればいいかまったく分からなかったら「何かやりたい」ということをイベントにするのも手ですね。「〇〇(主催者の名前)が何かするイベント」と名付けて、今すぐFacebookでイベントページ作るんです。「何すんの?」と言われたら「わからん、とにかく来て」と言えばいい。で、来てくれた人に「何やったらいいかわからんねん」て聞いて、言われたやつを全部やる。

松田
企画して人を呼ぶ側になると、参加するだけより、もっと周りを巻き込めるようになりますしね。主催することによるリスクもほとんどないし、イベントを企画するのはお得だと思います。集客が大変だったり、運営も大変ですが、自分の好きなことだったらいい経験になります。

横田さん
そうそう。イベントやるのに100万円かかるんだったらやらんほうがええけど、場所おさえるだけっしょ。大したことないやん。

黒田さん
「やりたいこと」をするための予算を自分につけておくと、心が動いたときにやるやらないの判断で迷わずに済むのでオススメですね。たとえば、月に3万円までならやる、って決めるとか。

横田さん
小さく始めて、着々と実績を積み上げていくといいと思います。数をこなしていけば必ずそれが新たな仕事に繋がっていくので。

黒田さん
いきなり「これをやるぞ!」と決めるんじゃなくて、気になったものにいろいろ手をつけてみて「やっぱこれがいい」と決めるのが大事ですね。

(5)ワーケーションは日本人にぴったりの働き方

今回、働き方と休み方を分析するイベントを行った背景には、ワークとバケーションの中間のような働き方「ワーケーション」を研究する、という意図があります。

そこで、登壇者の方に「ワーケーションってどう思う?」との質問を皮切りに、それぞれの実体験を聞いてみると、黒田さんからは「出張の際に妻と京都観光をした話」、横田さんからは「普段、仕事の合間にサウナに行く時間を作っている」など、働く時間の合間に休みを取り入れているお話を聞くことができました。

坂口
私、「休む!」って決めても、結局休めないことが多いんです。要領が悪いだけなのかもしれないですけど……。以前、3日間場所を沖縄に移して働いたことがあるんですけど、働きつつ観光もするつもりでいたら、ほぼ観光できずに終わっちゃいました。「これが終わったら出かけるぞ!」というタイミングでクライアントから修正の依頼が来て、やらざるを得なくなったりとかして……。

黒田さん
たとえばですが、お店の場合、営業時間じゃないのに入ってくる人っていませんよね? それと同じように、営業時間を決めるといいと思います。「私、午前中は営業時間じゃないんで」って言ってしまう。僕の場合、基本的に午前中は仕事を入れないことにしていて、それを周りにも伝えるようにしています。

松田
そういう「キャラ作り」って大事ですよね。私は、自転車旅をしていたとき、日中は自転車で移動して、夜に宿で仕事をするスタイルで働いていました。「日中ずっと移動なんて疲れるんじゃないのか」って言われるんですけど、好きなことをしているので脳がリフレッシュして、宿に着いたときには最高のコンディションになっているんですよね。そのころ、クライアントにはあえて自転車で旅していることを伝えて「この人は日中は連絡がつきづらい」と認識してもらうようにしていました。

坂口
頭では理解できるんですが、休んでいる間も仕事のことが気になっちゃいそうだな……。

松田
ワーケーションて、そういう「休むのに罪悪感を持ちやすい」人に合った働き方だなと思っています。たとえば、「一週間休んで沖縄行ってきます」となると「そんなに休むのかよ」という反応がまだまだ多いですし、本人もそのことを気にしてしまうんじゃないかと思うんです。でも、ワーケーションなら、打ち合わせも出られるし連絡も取れる。それなら、ちょっと行きやすいですよね。ITリテラシーが低いとセキュリティとか、まだいろいろ課題はありますけど。

(6)静岡県小川町は、都内からのワーケーションにぴったりの場所

今回のイベントの主催である静岡県小山町(おやまちょう)は、静岡県の最北東、富士山の裾野に位置する町。自然が豊かで、その景観の美しさゆえに数々の映画のロケ地としても有名な小川町。

であるにも関わらず!

新宿からバスで1時間半、片道1,500円程度で行くことができ、バス停を降りて徒歩3分のところに、コワーキングスペースづくりを計画中なんですよ〜〜〜〜! しかも、その隣には温泉も、宿も揃っているんです。

つまり、ワーケーションするには最適な場所なんです。

今後、ワーケーションラボと題し、数々のイベントも開催予定。気になった方は、こちらのグループに登録していただくと、追加の情報を見逃さないで済みます◎

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というわけで! ワーケーションラボVol.1「良い働き方は、良い休み方から」のイベントは終了。

休み方を良くするという話からキャリアの話にまで広がり、かなり刺激的なお話もありつつ、途中、登壇者ふたりが「今日は休み方のイベントだからw」とお菓子を食べ出すなど、終始ゆるやかな雰囲気で進行した本イベント。

参加者のみなさんも「有益だった!」「聞けてよかった!」と満足してくださるイベントとなれたかなと思います。

 

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坂口ナオ

東京都在住のフリーライター/編集者。2013年、別業種よりライターに転身。Webの取材記事をメインに活動を拡大し、2015年、編集者として株式会社LIGに入社。顧客のオウンドメディア運用(企画〜編集)、自社メディアの編集を担当する。2018年、再びフリーライターとして独立。現在はライティングに主軸を置きつつ、編集業で培ったマーケティングの視点を生かし「本当に読まれる記事」の制作に力を入れる。
サイトURL:nao-sakaguchi.com
Twitter:@skgc_n