経営者を育てるアメリカの親、労働者を育てる日本の親【ハワイ在住のママ起業家に学ぶ、これからの子育て】

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ハワイにて起業し、エステサロンの経営やオーガニックコスメ通販サイトなどをはじめ、5つの事業を経営しているイゲット千恵子さん。インタビュー後編では、海外で13年間子育てをした経験をまとめた著書「経営者を育てるアメリカの親、労働者を育てる日本の親」について伺いながら、これからの時代目指すべき教育や、女性の働き方についてお話いただきました。

前編はこちらから

8ヶ月で売上3000万円!? 子育て中のママでもできる、オンラインビジネスのはじめ方【ハワイ在住の女性起業家、イゲット千恵子さん】

イゲット千恵子
ハワイ在住 女性起業家(Beauty Therapy LLC 代表取締役)。20代でネイルサロンを経営し、結婚、出産、離婚、難病、国際再婚を経てハワイへ移住。自らのアトピーや病気の経験から40代で再び起業し、オーガニックスパ「グリーンスパハワイ」をオープン。誰でも安心して使えるオーガニックコスメ通販サイトは、SNSの発信のみで世界中に顧客を持ち、初年度は3000万円の売上を達成。海外での子育て経験から、2016年4月には著書「経営者を育てるアメリカの親、労働者を育てる日本の親」を出版。現在は世界各国でセミナー活動も行う。

ブログ:http://ameblo.jp/beautifulhawaii/
グリーンスパハワイ:http://www.greenspahawaii.com
オンラインショップ:http://greenspa.ocnk.net
日本でのセミナー情報:http://www.greenspahawaii.com/seminer/

経営者を育てるハワイの親 労働者を育てる日本の親
イゲット 千恵子
経済界
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Contents

日本はお金の教育が遅れている

―4/7発売の著書「経営者を育てるアメリカの親、労働者を育てる日本の親」は衝撃的なタイトルですが、この本を執筆しようと思った経緯を教えていただけますか?

13年間ハワイで暮らし、日本はお金の教育が10年遅れていると感じました。日本人はお金はもらうものだと思っているけれど、アメリカ人は「make money」つまりお金は自分で作るものだと思っています。その考え方は小さい頃から教育されていて、うちの息子が通っていた小学校でも、授業の中でどうやったら利益の出るビジネスができるか、ゲームを通して学んだりするんです。

このお金の教育は、経営者になりたい人だけが必要というわけではなく、サラリーマンでも必要。なぜなら経営者の立場になって考えられないと、どういう働きをすれば会社に評価されるか分からず、与えられた仕事しかできないため、十分な収入を得られなくなってしまうから。これまで日本の多くの会社は年功序列で、みんな同じようなお給料をもらっていたけれど、これからの子供達ってそういう時代じゃなくなると思うんです。このままでは、将来の子供達が生き抜けなくなる。そう危機感を感じたので、海外と日本の教育の違いを日本のお母さんに伝えたいと思い、本を執筆しました。

できないと制限を作っているのは、自分自身!?

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―この本では、子供に対する教育だけではなく、これからのお母さん像についても書かれているのだとか?

そうですね。これからは男性だけでなく、特に女性が活躍していかないと、日本の経済は衰退するばかりだと感じています。しかし日本の女性はアメリカの女性に比べて、旦那さんのお給料にしがみついて、扶養控除内で働きたいという人が多かったり、自分が求める条件で受け入れてくれる会社がないから働けないなど、社会のせいにしている人も少なくありません。でもお母さんがそんなに甘えていたら、将来子供も前向きに働けなくなってしまうと思うんです。

女性の生き方って、これから益々多様になっていく。結婚する・しない、子供を産む・産まない、キャリアを続ける・続けない、起業する・しないなど、取捨選択の幅が広がっていく。そんな時に「私は小さい子供がいるからできない」と誰かのせいにして、やりたいことをしないなんて相手に失礼。「ママができないだけじゃん」って子供は感じると思う。だって、できる人は何でもできるじゃないですか!? 日本には「私はここまでしかできない」と自分自身で制限をつけている人が多い気がします。

―胸が痛いです。確かにアメリカに比べると、そう思う女性は多いかもしれません。でも、なぜ日本の女性はそういう傾向があるのでしょうか?

それは日本がこれまで優秀な労働者を育てる教育をしていたから、人と違うことをしてはいけない、個性を活かしてはいけないという空気があるからかもしれません。「出る杭は打たれる」という言葉もありますし。でもこのままでは物価も長らく上がらず経済が衰退している日本から、いい人材がどんどん世界に放出され、母国に戻ってこなくなってしまう。だから、これからはお母さんも意識改革をする必要がある。そのために「家族企業」という考え方が必要になってきます。

これから必要なのは「家族企業」という考え方

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これは著書にも書いたんですが、家族を企業として考えるとお母さんは社長で、お父さんは財務部長みたいなもの。子供達もちゃんと役割を持っていて、全員が働いてくれないと、この「家族企業」がまわらなくなります。

仕事も家事もお母さんだけで完璧に両立するって、絶対無理なこと。それに洗濯や掃除なんて、誰がやってもいい仕事だから子供にもやらせる。そうやってお母さん達の意識が変わっていかないと、「家族企業」がまわらないだけじゃなく、働く意欲を持った子供も育たなくなっちゃうと思うんです。だからうちの息子は、家事全般できますよ。私が出張に行っても、主人のご飯も息子が作ってくれるんです。

―お料理もできるなんて、すごいですね!息子さんには、小さい頃から家事を教えていたんですか?

実は、私の病気は症状は良くなってはいるけれど、数値は発病した時と変わらないんです。だから私がいつ死んでも生きていけるように、息子には洗濯、掃除、料理など身の回りのことは自分でできるよう、小さい頃からやらせているんです。

料理をさせたきっかけは、息子の食べず嫌いを治すためでした。ほとんど食べられなかった息子が、クッキングスクールで自分が作ったものは食べたので、小さい包丁を用意して「料理はお母さんと一緒にするもの」という習慣を作ったら、味や切り方を覚えていって料理上手になっちゃったんです。

家事は息子が手伝ってくれるから、私はたいしたことしてないんですよ。でもそうやっていかないと、働くお母さんはやっていけない。日本のお母さんって全部やり過ぎなんです。仕事をして家族のお世話もしていたら、息が詰まるしストレスも溜まってしまう。

やっぱり家庭は、お母さんが要じゃない!? お母さんがいつも明るく前向きで頑張っているからこそ、子供もその背中を見て「自分も頑張ろう」と感じてくれるんじゃないかと思います。

 

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