こんにちは。SoloPro編集長のもゆるです。ライターを軸に仕事をしているぼくは、今までいろいろな働き方を実験してきました。
・47都道府県全てを旅しながらリモートワークで仕事をする
・キャリアや働き方の分野で3700人以上を取材
・1つの会社、1つのサービス、1つのメディアで代表を務める
これだけ聞くとストイックに映るかもしれませんが、ぼくが意識しているのは「ゆるさ」です。具体的に言うと、ヒュッゲタイムを取り入れた「余白」と「対話」を大切にしています。
ヒュッゲ?馴染みない言葉ですよね。でも、これを意識しているからこそ自分らしい働き方ができているのです。
ヒュッゲとは…… ウエルネスかつ満足な感情がもたらされ、居心地がよく快適で陽気な気分であることを表現するデンマーク語およびノルウェー語である。どのような行為がヒュッゲをもたらすかについては、デンマーク語とノルウェー語ではほぼ同一の文化的カテゴリーではあるが、よりデンマークのほうが文化の中核として普及している。 ウィキペディアより |
今回のテーマは、コロナ禍の出会い・生き方・働き方を語ろう!~モデファシトーク Vol.1~(THE MODERATORS & FACILITATORS第1期卒業制作イベント)にてゲストトークした内容を編集しています。
先が見えにくい時代に、働き方の1つのヒントとして、今回は「ヒュッゲタイムを取り入れた、ノンストイックな働き方のススメ」を紹介します。
Contents
終電か徹夜か。ストイックな会社員時代
昔はストイックな仕事人間だったので、今は働き方が180度くらい変わったと思います。
イメージを伝えすると、毎週月曜日に出社してから帰るのは金曜日がデフォルト(当たり前)。他にも会社に泊まっている人はいましたが、寝ないで仕事できるようなショートスリーパーで、たまに家に帰る日も終電、始発でした。今は7時間以上寝ないとダメな人間なのに笑
当時は、ライターとして取材や記事作成を行なっており、1つのプロジェクトが終わると、次の仕事が降ってくるような環境でした。どんどん新しい仕事をこなすことが辛くも楽しかったのと、周りのみんなも頑張っているので休むという選択肢なくストイックに働いていたのです。
ある程度経験を積んで起業したあとも、同様に仕事ばかりしていましたが、ぼくの中で少し変わったのは、働き方を選べるようになったこと。仕事を家でするのも、オフィスでするのも、カフェでするのも自由。働く場所や時間を選べるって、幸せ度が上がることを感じたタイミングでした。
しかし、起業したあとすぐに東日本大震災が起き、広告関連の仕事はストップ。自分のパフォーマンスもイマイチ上がらず、何か変えないといけないと思ったときに、どこでも仕事ができるなら、昔からやりたかった自転車旅をしながらリモートワークをするというアイデアが浮かび、思い切ってチャレンジすることにしたのです。
仕事人間だったので完全に休むのは罪悪感がある。インターネットやWebサービスを使えばそれができるのでは?と思って、当時はめっちゃ挑戦するのが怖かったので、失敗しても言い訳できるよう実験と言っていました。結果、1ヶ月で東京から北海道まで自転車で走り、その間も売上は90万円近くを記録するくらい、走る→仕事→寝る→走る→仕事……というストイックな生活でしたが、充実感に満ちた毎日でした。
最初にヒュッゲタイムを取り入れたのは自分や自然との対話
対話というと、人と対になって話すことという意味ですよね。でも、僕の場合、まずは自分自身の心と対話すること。つまり内省が必要だと思います。
このストイックな自転車旅の中でも、夕日が沈むのをボーっと眺められる場所を通ることが多くあったのがぼくにとっては良かったんだと思います。
例えば、自転車で46都道府県を走ってあと1県で完走するとなった鳥取砂丘にて。沈む太陽を眺めていたとき、「そもそもなんで自転車で旅しているんだっけ?」「これから何をしたいんだっけ?」と1人でずっと考えていました。そうすると、やりたい仕事や世の中に発信したいことも自然と浮かんできたのです。
ぼくの場合は、まずは自分とつながること、そしてその土地とつながること、最後に人とつながることの順番で対話することで、居心地の良い働き方が見えてきたのです。
ヒュッゲタイムで得られるのは豊かな時間
その後、海外を旅する中でも、現地のairbnbで部屋を借りて仲間とヒュッゲタイムを取る体験をしました。ロウソクを囲んで、自分の生い立ちや、これから何をしたいかなどを飾らず話すような時間です。
他にも、山で焚き火を囲んで語り合ったり、サウナで1人内省したあと露天風呂で語り合ったり。
会社や家族だと、どうしても評価を意識したり、カッコつけたり、言うのが恥ずかしいことでも、心許せる仲間とだと、失敗談や苦手なことでも自然体に話せるし、その時間自体に豊かさを感じるようになりました。
また、今回のテーマである働き方においても次第に変わっていきました。
時間ができるとすぐに仕事をしてしまう体質だったのが、例えばSNSを投稿する際も一呼吸おいて自分との対話を重視して情報を発信したり、人と会う時も馬鹿騒ぎするような会はさけ、本質的な対話ができるような勉強会やイベントに参加することで、自分自身を活かせるプロジェクトに加われるようになりました。
結果、売上が上がり、仕事の稼働時間は下がり、空いた時間でさらにヒュッゲタイムも取れるようになりました。
明日からできる「余白」と「対話」の時間
ぼくの場合、旅で内省し、自然と繋がり、人と対話することで豊かな働き方を実現できました。
しかし、コロナ禍は、旅に出ることも人と話すことも推奨されていません。つまりヒュッゲがしにくい時代かもしれません。その中でおすすめなのは、2つあります。
1.余白を意識し、スマホを触らない移動時間を1日の中に取り入れること
2.会社や家以外で、自然体でいられるオンラインコミュニティに入ること。なければ自分で作ること
1は自分の場合、自転車で移動することです。在宅ワークは便利ですが、効率的に仕事ができてしまう分、余白が作れません。作ったとしてもダラダラとスマホを眺めたり、パソコンで映画を見たり、と自分と対話する時間を取れません。ランニングや散歩もいいのですが、スマホで音楽や音声を聴けてしまうので、自転車(イヤホンをつけての走行は法的NG)で走って公園に行ったり、カフェに行ったり、リフレッシュしてみましょう。外出自粛でも、人との接触が自粛なのであって、安全を考えながらの移動は自粛せず、むしろ心身の健康のためにもおすすめです。
2つ目は、オンラインでの対話。よくつるむ友人や会社の同僚とのZOOM飲みも楽しいのですが、サードプレイスとしてのコミュニティなどに参加してみるのもおすすめです。その際のポイントは、一方的に話を聞く場ではないことと、ファシリテーターが心理的安全性を担保してくれて、初参加の人でも気さくに話せる場であることです。無ければ自分で作りましょう(笑)
ちなみに、ぼくも5月から15週連続開催したオンラインインタビューイベント「はたサバ」(オンライン×○○スキルをテーマに、ゲストの働き方サバイバル戦略を聞く)を開催したり、働き方を”WorkGood”にするオンラインスクールを主催する中で、参加者が悩みを打ち明けられたり本音で話せる場づくりを意識していました。
……ということで、ヒュッゲタイムで「余白」と「対話」を取り入れてみましょう。
自分の心の声を無視した無理した働き方から、自分が心地よく成果を出せる自然体な働き方に変わることで、本当の豊かさを感じられるかもしれません。
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松田 然(もゆる)
働くをトトノエル専門家。
2010年に独立・起業。2013年に2社目となる、聴く・書く・伝える「合同会社スゴモン」を立ち上げ代表を務める。ライターになってから現在に至るまで3700人以上を取材しているインタビュアー。特に「働く」に関わる企業ブランディング、採用支援、組織活性などを得意としている。
企業ブランディング構築・支援サービス「TotonouWork」運営代表。プロの働き方発信サイト「SoloPro」編集長なども務める。
趣味は自転車とサウナ。自転車旅しながらリモートワークで47都道府県全てを走ったり、週平均3.7回以上サウナに入っている(サウナ・スパプロフェッショナル)。
ミッションは、「日本の働くをトトノエル」