1年間に12冊出版!? クレイジーな挑戦を好む男、ブロガー兼作家の藤沢篤さんに聞く「電子書籍」のメリットとは?

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こんにちは! 恋する旅ライターかおりです。神奈川県平塚市に、クレイジーな生き方を推奨するプロブロガー兼作家が住んでいると聞き、自宅から往復4時間かけて会いに行ってきましたよー!

彼の名は「藤沢 篤」さん。

2013年にブロガーとして独立し、ブログ歴4年目。過去14冊出版している電子書籍のなかの1冊「「勝手にコミットしろ。」糖質制限フジザップ: 4ヶ月で体重8kg、体脂肪4.8%落とした僕のやり方。」が書籍化され、ブログ界では一目置かれている存在なんです。

そんな彼のブログタイトルは「ふじさわブログ No Crazy,No Life」。外見は爽やかで一見クレイジーには見えないのに、あえてクレイジーと謳うキャラクターを紐解きながら、電子書籍の仕組みや得られるメリット、藤沢流のラクに楽しく書ける秘訣まで、余すことなく答えていただきました。

 

〜藤沢 篤 ブロガー/電子書籍作家〜
高知県出身、1987年生まれ。新卒で大手企業に入社したものの、8ヵ月で退職しフリーターへ。その後ブログを立ち上げ、2013年ブロガーとして独立。東南アジアバックパッカーを経て、2016年1月から12月まで、毎月1冊の電子書籍を発売。そのうちの1冊「勝手にコミットしろ。糖質制限フジザップ」が書籍化される。現在は、ブロガー、作家、セミナー活動、メディア出演、記事執筆などマルチに活躍。フリー写真素材「PAKUTASO」モデルも務める。

Contents

ブロガー・藤沢篤が1年間で12冊の「電子書籍」を発売したワケ

かおり:
ブロガーさんって興味津々! 「勝手にコミットしろ。糖質制限フジザップ」が書籍化された経緯についてもお聞きしたいです。でも当時の美しい腹筋は、どうやら旅立ってしまわれたみたいですね(笑)。

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藤沢さん:
ええ、残念ながら(笑)。当時の筋肉を取り戻すべく、今もいろいろ実験しています。

かおり:
ファイトッ! まず最初に聞きたかったのは、「藤沢篤が人生をかけて果たしたい野望」です。

藤沢さん:
まだ探している途中ですが、現状は「自分が発信した情報を受け取った人の人生が、より良くなってほしい」と思ってます。オピニオンリーダーのような。働き方や生きる場所が目まぐるしく変わる現代で、どんなコミュニティに属したら幸せになれるのかとか、お金や時間がどれくらい大事なのかとか、わかりづらくなっていると思うので。

かおり:
私も世の中にメッセージを届けるライターとして、「自分らしく生きられるヒント」を伝え続けたいと思っています。熱い野望をお持ちの藤沢さんが電子書籍に注力したのは、どんな理由からですか?

藤沢さん:
自分よりも若くてパワーのあるブロガーがたくさん出てきて、「このままだと埋もれる」と思ったので、差別化を図りたくて。

かおり:
それでも、1年間、毎月出版するなんて、やることが大胆ですね。

藤沢さん:
東南アジアのバックパッカー旅をしたあとに、12ヵ月連続の出版を決めました。日本に帰ってきたら刺激がなくて退屈になっちゃったから、人生の濃度をギュッと高めようと思って。誰もやらないようなことだから、座右の銘の「No Crazy,No Life」にもつながるし。

かおり:
海外旅のあとに感じる退屈、めっちゃわかります。それにしても、クレイジー(笑)。「フジサップ」が書籍化されたキッカケって、なんだったんですか?

藤沢さん:
ライザップが流行っていた時期に電子書籍で出版したら、Kindleで1,500冊売れました。この数字は電子書籍ではかなりのヒットです。その売れ行きを見て、電子書籍販売サイトのFastbook(ファストブック)さんから連絡をいただいて、「Fastbookでも電子書籍を書いてもらえたら、出版社に出版の提案をしてみます」と。そのお話を受けて、担当者と一緒に出版社にプレゼンにいったら、「やりましょう!」ってなって、トントン拍子で書籍化が決まりました。

かおり:
藤沢さんの狙いがズバリ的中した感じですね。狙ってヒットを出すって、最高に気持ちいいんだろうなぁ。

藤沢さん:
そりゃ、もちろん!(笑)。電子書籍の12冊連続出版と同時に、紙の書籍を出版することも目標にしていたので、結果的に両方が叶いました。

電子書籍の出版で得られる2つのメリット

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かおり:
ライターの私にとっても、電子書籍ビジネスは気になる市場なんですが、実際に出版してみて、どんなメリットがありましたか?

藤沢さん:
なんといっても、「信用度が上がること」が一番だと思います。ブログって玉石混交の世界なので、世間から信用を得るのが難しいですが、電子書籍はテーマに沿って深掘りして書いているし。初対面の人でも「電子書籍作家」といえば、ちゃんとしている人に見てもらえますよ。紙の書籍ならなおさらで、商業出版の著者である事実を伝えると、一瞬で信用が得られます。

かおり:
会社の看板がないフリーランスは、「信頼の蓄積」が何より大事ですよね。この業界って案外狭いから、ちょっとでも悪い噂が広まったら、生きていけなくなるって自分に言い聞かせてます。その逆も然りですね。

藤沢さん:
あとブログは流し読みする人が多いけど、電子書籍は読者の「読書環境」を整えられることもメリットかな。Kindleを立ち上げると、「よし、読もう」って気持ちになるじゃないですか。

かおり:
確かに! しかもちゃんと最後まで読んでもらえたら、濃いファンになってもらえそう。

藤沢さん:
本の内容を気に入ってもらえれば、根強いファンになってくれることはあるでしょうね。だから、ブランディングのためのツールとしてはいいと思いますよ。僕の場合は自分が言いたいことをぶちまけて、その考えに共感してくれた人に集まってほしいという思いがあって、僕みたいに「世の中に届けたいメッセージがあふれている人」には、オススメします。

かおり:
でも、誰にでも出版できる電子書籍を利益につなげるのは難しそうですよね。

藤沢さん:
僕のようにブログの読者が一定層いる、またはSNSのフォロワーが多いなど、購入を促せるコミュニティがないと売ることは至難の技。だから0→1のステップとして活用するのは、オススメしませんね。電子書籍は、ある程度ファンがいる人と相性がいいツールだと思います。

電子書籍の気になる印税と契約条件

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かおり:
電子書籍を出版するにあたって気になるのが印税なんですが、仕組みがイマイチわかりづらくて……。

藤沢さん:
電子書籍の王道Kindleで説明すると、以下のような印税の仕組みになっています。

印税率
1、70%
2、35%
選べるのはこの2パターンのみ(2017年5月現在)。それなら70%がいいよねって思うけど、70%には35%とは異なるいくつかの条件があるんです。特筆すべきは、以下の3つ。

70%をセレクトしたときに課せられる条件
1、本の売値を日本円で1,250円以下にしなければならない
参考:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/A301WJ6XCJ8KW0

2、KDP(Kindleダイレクト・パブリッシング)セレクトへの登録が必須
KDPセレクトに登録すると、Kindle ダイレクト・パブリッシングでのみ独占的に販売することを許可したことになる。
また、読者が好きなだけ本を読める購読プログラム(Kindle Unlimited )と、Kindle を持っている Amazon プライム会員が 1 ヵ月に 1 冊好きな本を選んで期限なしに利用できるライブラリー(Kindle オーナー ライブラリー)に自動的に登録される。このシステムで読まれた場合は、読まれたページ数分の印税が入る仕組み。
参考:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/select

3、配信コストがかかる
Amazon が決定した電子書籍ファイルのメガバイト (MB) 数に、定められた配信コストを掛けた金額が差し引かれる。
参考:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/A29FL26OKE7R7B#price_matching

かおり:
それでも、本の印税率に比べると、めちゃくちゃ高いですね!! 一方35%にすると、販路はKindle以外でもいいと。

藤沢さん:
そうですね。noteとか他の媒体でもファンがいる人なら、35%を選んでKindle以外でも販売できるようにするのもアリかもしれませんが、僕は基本的に70%の契約にしていますね。読み放題でかなり読まれるし、ある程度、書籍が売れるとAmazonのランキングにランクインして注目度が上がるので。あと、Amazonは広告も勝手に出してくれますからね。

電子書籍の出版に必要な最低限のスキル

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かおり:
電子書籍出版について、だいぶイメージが湧いてきました。実際に14冊を出版している藤沢さんが、制作過程のなかで一番苦労したことはなんでしたか?

藤沢さん:
僕の場合は連続で12冊出版したから、発売した書籍のPRと同時進行で、次の書籍の制作に取りかからなければいけないことが一番大変でした。ブログやSNSでプロモーションして、表紙を作成して、構成も立ててみたいな。

かおり:
電子書籍をつくる際は、すべての工程を1人で担当したんですか? それともチームを組んで?

藤沢さん:
表紙のデザインと校正だけ、外部に委託しました。表紙はお付き合いのあるデザイナーさんに、校正は読者から募って2名の方にやってもらって。読者の2名にはギフト券を送って、誤字脱字だけチェックしてもらっています。表紙はものすごく重要なので、少なくとも表紙だけはプロにお任せするべきだと思います。

かおり:
ということは、文章を書くスキルと時間、そしてデザインを委託できる予算があれば、電子書籍の出版は叶えられるんですね。

藤沢さん:
ある程度、しっかりした文章を書ける能力は必須だと思います。

藤沢流・楽に楽しく書くための秘訣

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かおり:
藤沢さんのブログを読んで一番に感じたのが、「情報量が豊富でわかりやすい」ということです。学校などで学んだわけではないそうですが、どうやって執筆スキルを身につけてきたのかなって。

藤沢さん:
ブログの語り口や電子書籍の構成は、参考となる元ネタがあるものがほとんどです。永江一石さん、藤沢数希さん、ちきりんさんなど、トッププレイヤーのブログや作家の中谷彰宏さんの書籍とか。

引っ越しが人生に与える影響を書いた「あのさ、いつまでもそうやってウジウジ悩んでないでさ、さっさと引っ越しすればいいじゃん!」は、近藤麻理恵さんの「人生がときめく片づけの魔法」を参考に、構成を立てました。

かおり:
教わらずに読んだだけで真似できるのは、藤沢さん自身が賢いからだろうなって。

藤沢さん:
トップブロガーのみなさんは共通して、数字の裏付けデータを活用していたり、論理的な文章構成だったり、とにかく賢い文章を書かれています。僕も、賢い人をさらに賢くするようなコンテンツをつくりたいので、情報の裏を取りにいくような念入りなリサーチをするなど、日々努力しています。

あとストーリーを書くときは、数々のヒット映画でも使われている「神話の法則」をよく取り入れていますね。 ヒーロー、メンター、悪者など7つのキャラクターがいて、12のステージに沿ってストーリーが展開されていきます。

かおり:
法則通りのストーリーでも、読者の方は法則なんて意識していないですしね! 他に、読まれる文章を書くために心がけていることって、ありますか?

藤沢さん:
テーマにもよりますが、一番は“情熱”じゃないかなって。ターゲットにどうしたら伝わるかを想像しながら書く。そこから、読んだ人の心に引っかかるような文章が生まれてくると思っています。

かおり:
私は毎回、タイトルに悩みまくるんですが、藤沢さんの電子書籍は、グサっと刺さるような割と強めのタイトルが多いですよね。「勝手にコミットしろ」は命令形だし。

藤沢さん:
タイトルは僕もめちゃくちゃ悩みますよ。決め手は、思いついた瞬間にププッて自分が吹き出すかどうか。「勝手にコミットしろ。糖質制限フジザップ」を思いついたときも、「我ながらバカなタイトルだなー」って思ったし(笑)。

かおり:
私も電子書籍が書けるような気がしてきました! でも、電子書籍のメリットを得るためのファンづくりが必要ですね。まずはブログから!

取材後、近所に住む藤沢さんの友人も一緒にみんなでビーチバレー! すっかり仲良しに(笑)
取材後、近所に住む藤沢さんの友人も一緒にみんなでビーチバレー! すっかり仲良しに(笑)

2017年10月から、世界一周に旅立つ予定だという藤沢さん。場所を選ばずに働くことができ、収入が積み重なるシステム構築としても、ブログや電子書籍と相性がよかったと話してくれました。

藤沢さんは好奇心旺盛でリサーチ能力に長けており、電子書籍のネタに困ったことはないそう。生きているとすべてがネタに見えてくる「ブロガー脳」を持っていて、そのおかげで電子書籍を書くことも難しくないのだとか。

すべてのフリーランサーにオススメできるわけではありませんが、世の中に届けたい熱いメッセージがあり、一定数のファンがいる人であれば、出版してみる価値はありそうです。ぜひ、チャレンジしてみてください!

 

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