多忙なママフリーランスが生み出した、「自由」と「助け合い」を叶えるコミュニティ運営のコツ

せっかくフリーランスになったんだから、何にもしばられず自由に働きたい!!

と思っているものの、病気のときや仕事に追われているときには誰かを頼りたくなる人心。

そんなフリーランスの良さ「自由」を保ちつつ、必要なときには助け合える仕組みを整えたツワモノたちがいます。

その正体は、ママフリーランスのコミュニティ「mamimu」。

mamimuとは

ママフリーランスのコミュニティ。2018年4月現在、約35名いるメンバーはそれぞれ、下は胎児から上は高校生までの子供がいるお母さん。Webディレクターやデザイナー、ライターなど、クリエイティブ職種をメインに、管理栄養士、キャリアカウンセラーなど幅広い職種の人が所属している。

妊娠に子育てに家事に仕事にと、忙しく人生を送るママたちだからこそ、「環境の変化に振り回されず、安定して仕事をし続ける」ことに誰よりも真剣に向き合ってきたはず。

今回は、そんな彼女たちがこの数年で試行錯誤を繰り返しながら築き上げた、とっても貴重な「コミュニティ運営」のコツを伺ってきました。

<今回お話を伺った人>

橋本紗織(はしもと さおり)さん

mamimuマネジメントメンバー・Webディレクター

4歳女児と2歳男児の母。いくつかの事業立ち上げに参画のち、出産を機にフリーランスに転身。ウェブ制作を中心にオンラインを駆使して在宅で働いている。

廣畑七絵(ひろはた ななえ)さん

mamimuマネジメントメンバー・ライター

6歳男児の母。高知県出身、ノンフィクションライター。国際協力関係機関職員を経て、出産を機にライターに転身。まもなく第二子出産予定。

 

「助けて」が気軽に言えるコミュニティは、ママフリーランスの命綱

坂口:フリーランスって、病気とか入院みたいな突発的なトラブルに弱い働き方だな〜と思うんですけど、世のお母さんたちって突発的なトラブルだらけじゃないですか。子供が熱出したとか、なんなら急な妊娠とか。みなさんそういうときどう対応してるんですか?

橋本:たとえば最近まで私、身内が亡くなって数ヶ月間仕事をお休みしてたんですけど、そのときは、mamimuメンバーに状況を共有して案件を引き継いでもらいました。先が読めない状況で、クライアントへの約束もままならなかったんですが、メンバーが私の状況をこっそり伝えておいてくれたらしく、復帰後にその案件のクライアントからお声がけいただき、今ではまた仕事をご一緒することができています。

廣畑:私は今妊娠してるんですけど、mamimuには「産休代打」って言葉があって。言葉どおり、出産で仕事を離れなきゃいけない間だけ自分の代わりに案件を担当してくれる人のことを言うんですけど。以前、出産を控えたメンバーが「誰か産休代打お願い!」ってコミュニティのfacebookグループに投稿したのをきっかけに、みんな真似して、出産のときには産休代打を探すようになりました(笑)。

坂口:すごい。助け合いの仕組みができているんですね。

橋本:特に仕組み化しているわけじゃないんですけど、助け合いが生まれる背景には「密なコミュニケーション」があると思っているので、結構そのへんはメンバー同士がうまくコミュニケーションできるように意識してますね。

コミュニティを「無理なく」密にする、3つの取り組み

坂口:密なコミュニケーションを生むために、mamimuではどういうことをやってるんですか。

橋本:mamimuの活動内容は基本、チームワーク(仕事のシェア)・ナレッジシェア(情報や経験の共有、勉強会)・プロジェクト(ワーケーションやメディアの立ち上げ)の3つなんですが、それらを支えるコミュニケーションを密にするために取り組んでいるのは、オンライン週報月一のおしごとカフェ(近況報告専用イベント)です。

<オンライン週報>

Facebookグループのアンケート機能を利用し、毎週「最近どんな感じ?」を互いの状況を報告し合う

橋本:はじめは、月曜の朝にオンラインで朝礼をするかって話になったんだよね。でも、よく考えたら、子供がぐずったら30分なんてあっという間に経っちゃう。それで「固定の時間は無理!」となって(笑)。負担なくそれぞれのペースで投稿することができるFacebookのグループで近況を投稿するシステムにしました

廣畑:週報を始めたのは、メンバーが増えてきて、あまり絡みがない人の様子が分からなかったり、「助けて」が言えずにひとりで苦しんでしまっている人が出てきたりしたので、もっとコミュニケーションを活発にしたい、気軽に相談できる場を作りたいと思ったのがきっかけです。

橋本:それぞれの状況を投稿しておくことで、「今週いっぱいいっぱい!」ってときに余裕がある人がいたらお願いできたり、やばそうな人がいたらすぐに助けてあげられたり、ちょっとした用があるときに「余裕ありそうだから聞いてみよう」と判断したりもできるんです。

<月一のおしごとカフェ(近況報告専用イベント)>

▲子連れで過ごしやすい和室での開催

 

  • 月に1度、リアルで顔を合わせて仕事の近況を共有する会(オンライン参加も可能)。

廣畑:月一の近況報告会は、メンバーがリアルで顔を合わせる機会として始めました。もともとは全体ミーティングをしていて、近況報告会になったのは最近だよね。近況報告することで互いの学びや経験がシェアできるので、勉強にもなって一石二鳥なんです。

橋本:全体ミーティングをしていたころは3ヶ月に1度の開催ペースだったんですけど、それだと2回連続で来れないと半年も会えないことになるので、近況報告会になったタイミングで月1開催にしました。

廣畑:そこからマネジメントメンバーを中心に開催を続けて半年ほど経ったころ、新メンバーから「マネジメントメンバーの負担を減らそう」という意見が出て。そこから毎月持ち回りでメンバーに幹事をお願いするようになりました。

橋本:毎月の幹事は、オンライン忘年会をしたときに、あみだくじで決めました(笑)。メンバーが増えてきて、mamimu内での交流が固定になりがちだったので、あえて古参と新規のメンバーを混在させたグループにしています。

「チームで働く」は、ママフリーランスの生存戦略

坂口:mamimuとしてお仕事を請けたりもしてるんですよね?

橋本:あー、そこ、よく誤解されがちなんですが、「mamimuとして仕事を請ける」ってことはしてないんです。mamimuはあくまでコミュニティであって、お仕事の斡旋はしていないので。ただ、それぞれのメンバーがとってきた仕事を、mamimu内のメンバーに依頼しあう、という動きは多いですね。

坂口:ということは、mamimuメンバーでチームを組んでお仕事をすることも?

廣畑:あります。チームで取り組む案件は、Web制作のようなプロジェクト形式のお仕事がメインですね。だいたいディレクターが話をもらってきて、デザイナーやエンジニアをアサインするパターンが多いです。

橋本:あとは、本来ひとりでも運用できるSNSを4人持ち回り制で担当する、みたいなワークシェアリング形式の仕事をすることもあります。その場合は、誰かがディレクターとして窓口担当をしつつ、複数人を取りまとめる形でお仕事を請けています。

坂口:ひとりでできる仕事を数人でシェアすると、売上の取り分が下がりませんか?

廣畑:たしかにそうなんですけど、助け合いがしやすかったり、それぞれに貯まったナレッジを共有できたりするので、結果的にメリットのほうが大きいんです。

橋本プロジェクト形式のお仕事の場合は逆で、単価が上がることも多いですね。ママフリーランスには出産後にキャリアをスタートした人も多いので、ひとりだと単純作業系のお仕事ばかりになってしまうんです。でも、「ディレクション」「デザイン」「コーディング」が少しずつできる人が集まれば、それら全部ができる人と同じくらいの価値になれるので。

廣畑ひとりだと自分の実力分の案しか出ないけど、みんなで力を合わせればより良い案も出るしね。あとチームで仕事をすることで、自分の個性が見えること、他の人のやり方を学べることも大きなメリットだと感じます。

橋本:代理店の案件とか、「今から3時間以内に修正して」なんてこともよくあるんですけど、個人で請けていると「これから別件の打ち合わせだから無理!」となってしまうところ、チームの誰かが「私やっとくね」なんて対応してくれたりするし。

廣畑:なにより、時間と場所に制限がある育児中の苦労が理解できる者同士、助け合いの精神があるから、ひとりで働くよりも圧倒的に気持ちが楽になるよね。

トラブル回避のコツは「居心地のいい」仲間選び

坂口: 2015年に発足してから3年、トラブルとかはなかったんですか?

橋本:ありましたよね。

廣畑:新しく入ったメンバーに「mamimuらしさ」を伝えきれていなかったことで雰囲気や価値観がぶれて、コミュニティの勢いが削がれてしまったことがありました。なので、今ではこの点をすごく意識して運営しています。それぞれ個性も違うし、リモートワーク中心に活動している人たちの集まりだからこそ、手を抜いちゃいけないな、って。

橋本:去年、人数を大幅に増やしたタイミングがあったんですが、入会にあたって一人一人と丁寧に対話する時間が持てなかったんだよね。普段、新規メンバーを迎えるときには紹介制かつ審査制で、必ず「まずお互いのことを知るための時間を作る」「3か月のお試し期間を経てから正式入会を決めてもらう」など慎重にしてるんですが……。

廣畑:そのときは、予想以上に関心を持ってくれる方が多くて、全員にきちんと対応することができなかったんです。そしたら後々、チームや仕事への考えがmamimuとはちょっと違うかな、という人が数名いて。結局コミュニティの雰囲気が不思議な感じになってしまって、すごく悩んだんですけど、その方たちにはお断りをさせていただきました。

橋本:今では、そういった齟齬や誤解が起こらないように、コミュニケーションをしっかりと、わかりやすい言葉でしなければと反省しています。

坂口:入会希望者に会うときは、どういうところを見ているんですか。

廣畑実力や経歴よりも、直感的な部分を大事にするようにしています。「一緒に頑張りたい」と思える人同士なら、実績は少なくても助けたくなるし助けてもらえる。だからコミュニティが自然と活性化するんです。

橋本:コミュニティごとに雰囲気や価値観って違うので、mamimuとは合わなくても、ほかのコミュニティでは活躍できたりすると思うんです。実際そういう方を見てきましたし、もしないなら作ればいいんです。肝心なのは、お互いに「居心地の良さ」を感じられるかどうか。それがあるかどうかでコミュニティの価値は変わってくるんじゃないかなと思います。

数人のコミュニティでも、助け合いの仕組みは作れる

坂口:メンバーが多ければ多いほど仕事の可能性は拡がると思うんですが、今後mamimuは拡大していく予定はありますか?

橋本:うーん、正直そこについては考え中ですね。今、メンバーが35人に増えて、たぶんメンバー同士、全員の顔と名前を覚えるのが厳しいような状況なので。

廣畑:オンラインで集まると、みんなスッピン眼鏡で誰かわからなかったりするもんね(笑)

橋本:ほんとそれ(笑)。人数も増えたので、今年はしっかり腰を据えてチームビルディングをやる一年かなと思ってます。イベントをどんどん打っていくとかではなく、コミュニケーションをより円滑にするための一年。

廣畑:ウェブサイトのリニューアルや自分たちのメディアの立ち上げなど、mamimuでの活動を発信することで、メンバーじゃなくともゆるく繋がれる方も増えたらいいなと思っています。

何かコラボできそうなことや、私たちが役に立てそうなことがあれば気軽に連絡してください!

>>mamimu公式サイトはこちら<<

というわけで、mamimuのお2人にお話を伺ってきましたが、いやー、なかなか結構、コミュニティ、良さそうですね。

会社のように組織としての拘束力はないけれど、いざとなったら助け合える関係性の仲間がいる、って心強い。

いきなり数十人規模というのは難しいけれど、助け合いが目的なら、仲のいいフリーランス数名で集まるだけでも、コミュニティの目的は達成できるのではないかと思います。

「ひとりで頑張る」ことに不安を抱えている人は多いはず。

ぜひ周りを見回して、仲間を探してみてはいかがでしょうか?

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

坂口ナオ

東京都在住のフリーライター/編集者。2013年、別業種よりライターに転身。Webの取材記事をメインに活動を拡大し、2015年、編集者として株式会社LIGに入社。顧客のオウンドメディア運用(企画〜編集)、自社メディアの編集を担当する。2018年、再びフリーライターとして独立。現在はライティングに主軸を置きつつ、編集業で培ったマーケティングの視点を生かし「本当に読まれる記事」の制作に力を入れる。
サイトURL:nao-sakaguchi.com
Twitter:@skgc_n