変化が大きな時代は、人生の選択肢の幅を広げる情報発信を。その原動力は、好きを伝える熱量【オンライン×情報発信力:染谷昌利さん】 #はたサバ

記事のポイント
✅情報発信は、自分が好きなこと・面白いと思っている内容を「一緒にこれやろうぜ! 」と周囲に誘うイメージで
✅価値ある情報発信とは、「人類に役立つ事象(人の欲を満たす) × 希少性」
✅社会のムードが暗くなったときこそ、人生の選択肢を広げられる情報発信を心がける

新型コロナウイルスの影響で在宅ワークやオンライン上での仕事が増える中、自分のスキルとIT・テクノロジーを掛け合わせてどんなことができるのか ──。これからの働き方について想いを巡らす方もいるのではないでしょうか?

そこで働き方メディア「SoloPro」では、毎週月曜日21時〜「オンライン×働き方・スキル」をキーワードに、いろいろな業界の第一人者やチャレンジャーに、公開インタビューを実施。

「After/Withコロナ時代の働き方サバイバル戦略」略して、#はたサバ

7月20日(月)のゲストは、 株式会社MASH代表取締役の染谷 昌利さんです。

インターネット集客、ブログメディア収益化の専門家。書籍の著者や出版プロデューサー、企業のウェブサイトの運用パートナー、ネットショップなどのコンサルティング業務、 行政機関のアドバイザーなどの業務にも従事する、まさに情報発信のプロ。今回はそんな染谷さんを働き方メディア「SoloPro」編集長の松田然が公開インタビュー。

数々のイベントでファシリテーターを務めているオンラインファシリのプロ 小林 千夏さんも招き、オンライン×情報発信をメインテーマに、染谷さんが考えるWith/Afterコロナ時代の働き方やキャリア、そして情報発信を行う上で求められるスキルをお聞きしました。

【ゲストプロフィール】
■染谷 昌利さん

12年間の会社員生活を経て、インターネットからの集客や収益化、アフィリエイトを中心としたインターネット広告の専門家として独立。現在はブログメディアの運営とともに、書籍の執筆、企業や地方自治体のアドバイザー、講演活動、地域活性化イベントなども行う。All Aboutアフィリエイトガイドとしても活動中。主な著書に『ブログ飯個性を収入に変える生き方』『できる100ワザ Google AdSense 必ず結果が出る新・ネット広告運用術』(インプレス)、『世界一やさしい アフィリエイトの教科書 1年生』『世界一やさしい ブログの教科書 1年生』』(ソーテック社)、『成功するネットショップ集客と運営の教科書』(SBクリエイティブ)、『小さな会社のWeb担当者のためのコンテンツマーケティングの常識』(インプレス)』、『複業のトリセツ(DMM PUBLISHING)』がある。

公式ブログ:http://someyamasatoshi.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/masatoshi.someya
Twitter:https://twitter.com/masatoshisomeya
【インタビュアー】
■松田然(もゆる)
働くをトトノエル専門家。
2010年に独立・起業。2013年に2社目となる、聴く・書く・伝える「合同会社スゴモン」を立ち上げ代表を務める。ライターになってから現在に至るまで3700人以上を取材しているインタビュアー。特に「働く」に関わる企業ブランディング、採用支援、組織活性などを得意としている。

企業ブランディング構築・支援サービス「TotonouWork」運営代表。プロの働き方発信サイト「SoloPro」編集長なども務める。

趣味は自転車とサウナ。自転車旅しながらリモートワークで47都道府県全てを走ったり、週平均3.7回以上サウナに入っている(サウナ・スパプロフェッショナル)。

ミッションは、「日本の働くをトトノエル」


■小林千夏(こばやし ちなつ)
大手通信企業 人事(採用・育成)/ 問話デザイン/ S1グランプリ 企画責任者/グローバル人事塾 企画責任者

2012年大手通信企業に入社。法人向けのコンサルティング営業にて新人賞、MVP賞などを取得した後、営業の育成を担い、人事へキャリアチェンジ。複業として、イベントの企画運営、プロファシリテーター、企業研修講師など、口コミのみで活動を広げ、パラレルワークを実践中。

働き方、生き方を自分で自由に選べる力を身につけ、かかわる人にもそのキッカケとなる“場”を提供することをミッションとして活動している。

Contents

趣味だった情報発信、どうやって仕事に?

まずは、どのような仕事・活動をされているのか教えてください。

インターネットを使った情報発信を軸に、個人のブログの収益化や企業のネットプロモーションのお手伝いをしています。そのノウハウを伝えるため、セミナー開催や書籍の出版、オンラインサロンの運営も担っています。最近は、お笑い芸人さんのYouTube制作サポート(企画・運用・編集・収録など)もはじめました。

情報発信のプロとして幅広く活躍されている染谷さん。そもそも、インターネットを使った情報発信を仕事としてやっていこうとした経緯とは?

会社員を12年間やって、そのあと独立した流れですね。最初はブログの仕組みができ始めた2001〜2002年に、おいしいお店の紹介や、趣味の車についてのブログを投稿していたんですよ。

当時は、2003年ごろにmixiが始まりましたが、まだ「ブログってなに? 」という感じで、珍しかったですよね。

そうなんです、興味本位で始めたのがきっかけでした。ブログを初めて少し経ったときに、収益化ができると知りました。でも会社員だったこともあり、それだけで生活していこうとは思わず。ランチ代が稼げればいいなぁくらいでしたね。

実際に収益化するための勉強はどこでしたのでしょう?

ほとんど独学です。発信するうち、車好きの仲間と交流するようになり、その仲間たちと情報交換をしながら、学んでいった感じですね。当時は、インターネットでの稼ぎ方についての情報は多くなかったので。


なるほど。そこからどうして独立をしようと?

2008年に起きたリーマンショックを機に、勤めていた会社が経営不振に陥り、希望退職を募っていたんです。ブログを始めて6〜7年経ち、少しずつ収益化ができるようになっていた頃でした。退職金があれば、当分収入がなくてもブログを作り込める時間もあるし、頑張れば収益化できるのでは? と軽い気持ちで独立をしました。

1年間、どっぷりとブログ漬けの毎日でしたが、運良く家族3人が生活できるレベルまで収益を伸ばすことができました。軽い気持ちで独立とか考えちゃダメですね笑。

そこからブログでの収益化を軌道に乗せ、周囲へノウハウを教える立場になっていったんですね!

そうですね。ノウハウを伝える活動をし始めたのは、インターネットの収益化について学ぶイベントに参加したことがきっかけです。イベントの主催者などと交流するうちに、Google AdSenseの担当者と知り合い、「僕のノウハウをGoogle AdSenseの成功事例として載せたい」と声をかけていただきました。そこからいろんなイベントへの登壇依頼が来るように。現在は、36冊の本を出版するまでになりました。

■情報発信者養成コミュニティ「ギガ盛りブログ飯」も運営
https://lounge.dmm.com/detail/461/

相手が喜ぶ情報を、自信を持って発信する

モデレーターの小林です! 視聴者・読者の中には、収益化が目当てでなくても情報発信を頑張りたいと思っている方も多いと思うのですが。情報発信する上で大事なポイントを教えてください!

自分が好きなこと・面白いと思っていることを「一緒にやろうぜ! 」と周囲を誘うように発信することが大事なポイントです。そのための手段は、人それぞれで良いと思うんです。Twitter・Instagram・YouTube・ブログ…etc 何が正しいか、自分に合っているかはやってみないとわからないので、まず一歩踏み出すことが大切です。

もっというと、インターネットに固執する必要もありません。友達へいかに楽しく、面白く伝えられるか? これも情報発信力の一つです。

なるほど! でもそもそも、どんなことを発信したらいいの?という方もいると思うのですが……..。

今までご自身が経験してきたこと・行った場所・好きなこと、を紙に書き出すといいですよ。「漫画が好き・本が好き・筋トレが好き」なんでもいい。自分が熱量を持って発信できる内容の方が、読者が読んでいて面白い発信につながりますから。

なるほど……! 具体的な例はありますか?

僕は前職で採用担当をしていた経験から、面接のポイント・履歴書の書き方をブログで発信していました。旅行でパワースッポットをたくさん巡った記録をそのままブログにしたり、英会話教材の感想や途中経過をブログで発表したり。日常で起こる些細な出来事でも良いので、書き出した中で伝えたいなと思ったものを発信してみてください。

なるほど。

あとはコンプレックスが共感を生むこともありますね。身長が低いことをにコンプレックスに思っていた女性が、背が小さい人向けのファッションブログを開設して、コーディネートなどを紹介しました。ターゲット層は多くないかもしれないけど、ニーズに合っていますよね。

いいですね! 発信したいテーマが決まった後、ファンをつくるような発信をするにはどうすればいいのでしょう?

そのテーマに興味を持ち始めたばかりの頃の、過去の自分に向けて発信してみてください。

「なんでこれ知らなかったんだろう? 」という内容だったり、初心者に「最初はこれだけ押さえておけばOK」という基本的なことを教えてあげる気持ちです。

それなら、ハードル低く発信できそうです!

発信ができない人は、先生になろうとしてハードルをあげちゃうんですよね。部活の先輩くらいの位置付けでいいんですよ。後輩から「ちょっとこのスイングわかんないんですけど、教えてくれますか? 」と聞かれたことに対してするアドバイスのようなイメージです。そのくらいの方が、続けられますから。

それなら、気軽に情報発信ができそうですね。もう少し進んで、そこから収益化したい場合はどうしたらいいのでしょう? 今回、コロナ禍の影響で、より仕事としての情報発信に関心がある人が増えた印象もあるので。

まず、収益はあとからついてくるものだと知っておくことです。今日発信して明日すぐ効果が出ることはありません。インターネットの世界でも、継続しないと成果は出ない。スポーツや仕事と同じですね。

インターネットは、リアルタイムで反応が見られるためすぐに効果が出てしまうと勘違いしがちですよね。やはり、いきなり仕事にしようとすると難しそうですね。

まずは趣味で初めて、そこから仕事にするのがいいと思います。例えば、キャンプが好きな方が、道具も全部揃えて「みんなは手ぶらで来てね! 」という状態で仲間を募ってキャンプを主催するとします。そのとき、いきなり参加費で稼ごうと注力することは、お勧めしませんね。「キャンプ楽しいから、一緒にやろう! 」と熱量を持って誘えることの方が大事です。最初は割り勘でいいんですよ。

なるほど!

その発信を繰り返すことで、楽しそう!と集まってきてくれる人が増えます。ある程度続け、その場がコミュニティ化してきた段階で、「実はキャンプの参加費の原価4000円なんだけど、手間賃として1000円プラスの5000円もらってもいいかな?その分、もっと面白くするから 」と打診してみてください。そこで払えない、という人は価値観が合わない人です。了承してくれる人が10人いれば、1万円の収益になる。結果として、キャンプが仕事になり、得た収益で、さらに大きな企画をやっていくこともできるようになります。

すごい! 結果として、好きなことが仕事になっていますね! まずは情報発信を通じて、価値観が合う人を集めることが大事なんですね。

よく、価値のある情報提供を心がけましょうと言われるのですが、そもそも価値とは何なのでしょう?

価値とは、「人類に役立つ事象(人の欲を満たす) × 希少性」です。ダイヤのネックレスを欲しがるのは主に女性だと思いますが、なぜ欲しいと思うのでしょうか。それは「ダイヤのネックレスが胸元にあることで自分の魅力が上がる」あるいは「自分はダイヤのネックレスを身につけるにふさわしい人間だと自意識が上がる」からです。言い換えると、その人の役に立っているからです。

でもダイヤが街中に落ちてたらどうでしょうか?誰も興味を示しません。わざわざ拾って身につけようとは思いませんよね。ダイヤは所有者の充足と、希少性に価値を感じさせるのです。

でも僕が欲しいか? と聞かれたら……買わない(笑)

たしかに(笑)

僕は時計が好きで、歴史や機能やデザインにこだわっているものを見るとつい欲しくなります。でも「時間を見るだけならスマホでいいじゃん」と言う人もいる。要は、世の中に発信してみないと誰に刺さるのかわからないんですよね。刺さった人が、価値観が同じ人。それが自分の実生活半径1メートル以内で見つけるのが難しくても、世界中の人と繋がれるインターネットでなら見つけやすいんです。

コロナ禍や不況で社会のムードが暗くなり、情報発信が難しくなってしまったら……

コロナ禍や不況の影響で世の中のムードが暗くなって情報発信が難しくなった、と感じる人も増えたと思うのですが。こういう時期だからこその情報発信のコツは何でしょう?

人生の選択肢を広げられる発信の仕方が良いと思いますね。誰かにおすすめしたい、きっかけを提供したい。そんな気持ちが大事です。現在、テレワークが浸透してZOOMの使い方を説明した記事や本の需要が伸びていますよね。それは、使い方がわからないと言う世の中の人の困りごとを解決している内容だからです。そんなふうに、自分の持つ経験や知識を、誰かの役に立つ情報として発信するのがいいと思います。自宅でできるトレーニング方法でも、自宅の庭でできるキャンプでも一緒です。

なるほど! 情報発信をすると、こんないいことがあるよ! というのも染谷さんから聞きたいですね。

情報発信は、自分がやりたいことを実現させるツールになってくれます。将来、パン屋さんを開くとなったら、味だけで勝負するのは難しいかもしれません。でもインターネットを使った集客や宣伝を上手に行えば、地域で一番人気のあるパン屋さんも目指せると思うんです。たとえそこで、インターネット広告の収益化ができなくても、結果として、お店の収益が増えれば一番いい形ですよね。

たしかに!

あとは情報発信を磨くと、騙されなくなるんですよ。「調べる→発信→調べる→発信」を繰り返すことで、この情報正しいかな? 大丈夫かな? と学びの姿勢が身につきます。それを繰り返すうち、信ぴょう性のある情報を見極められるようになっていく。結果として「簡単にすぐ稼げる仕事」など怪しいワードに飛びつかなくなるんですよね。

騙されなくなる、そんなメリットもあるんですね!

あとは、小さな世界で悩まなくなります。会社という小さな世界で息苦しさを感じたとしても、インターネットを介して他人と繋がれることで別の世界を知ることができます。すると、なんでこんなことで悩んでいたんだろう? と思えたり、外で得た知識を社内でいかせたり、転職が必要な場合はすぐ踏み切れたりする。情報発信をして世界を広げることは、人脈や機会、仕事を生み出すことにもつながります。

選択の幅を広げるために、情報発信を

最後に、この企画で皆さんに聞いている質問ですが、染谷さんが考える、With/Afterコロナ時代の #はたサバ(働き方サバイバル戦略)を教えてください!

変化が大きな時代は、選択肢の幅を広げることが大事だと思います。会社からの収入だけ、インターネットの収入だけ、と1つに偏ってしまうとそれがダメになったときが怖い。でも3つ4つと収入源や居場所をつくっておけば、心の余裕になります。

染谷さんの活動も、幅広いですもんね!

先程も言いましたがオンラインへの偏りって危険だと思っています。小さな社会で王様になっても、環境が変わったらまったく生活できなくなってしまうこともあります。だからあえてオフラインの書籍へ力をいれたり、企業のサポートの仕事も増やしています。アフィリエイトの広告主が撤退したり、Googleの検索ルールが変わると収益が見込めなくなるので。

まさに、働き方戦略ですね!

自由とは、選択肢の幅だと思うんです。冒頭でもお伝えしましたが、情報発信はオンラインだけに留める必要はありませんから。選択肢をいくつか用意しておくと、いざ、というときも安心ですね。

それでは最後に、視聴者(読者)へメッセージをお願いします!

インターネットは、選択肢の幅を広げる経験を積みやすいツールでもあります。コロナ禍で大変な思いをされている方もたくさんいらっしゃると思うのですが、あえてピンチと決めつけず、こういう機会があったから情報発信に力を入れる時間ができたと、ひとつのきっかけとして捉えることも良いかもしれないですね。

 

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