「自分らしさはどうやって見つければいい?」—タイ・チェンマイ在住の抽象表現者・Kanae Nico×恋する旅ライターかおり【好きを追求するフリーランスのガチトークVol.1】

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こんにちは! 恋する旅ライターかおりです。ついに始まったこの新企画! 自身の好きやワクワクを追い求めてフリーライターとして生きる私と、同じく好きなことを追求するフリーランスのゲストとの対談を通じて働き方・生き方のヒントを発信したいと思います。

ソロとして好きなことを追い求めるのは、時に苦しい。なぜなら自分の直感や価値観を信じて突き進むしかないので、目に見える結果が出ないと不安と焦りで押しつぶされそうになるから。それでも、どうしても好きなことをして生きていきたい! そのためのエッセンスを提供したい!! その想いからこの連載の実現に至りました。

フリーライターとしてさまざまなジャンルで執筆している私ですが、「ワクワクしないこと」はどんどん手放すようにしています。世間の評価を得ることだけに捉われず、ワクワクする気持ちが湧いたらなんにでもチャレンジしたい。そんな気持ちで日々邁進しています。

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自身の作品と共に(Kanaeさんの作品が置かれているチェンマイのThe Meeting Room Art Cafeにて)

記念すべき第1回目のゲストは、2017年4月にタイ・チェンマイを訪れた際に取材した抽象表現家のKanae Nicoさん。個性を生かしたアート作品を生み出しているアーティストのKanaeさんに、チェンマイの素敵なスポットを紹介してもらいながら、同時にインタビューも敢行。

実は当初は記事にするかも未定だったこの取材。それなのに、連載第1回目のゲストになったということは……そうです! インタビューがめちゃくちゃ盛り上がり、実りある内容だったから!!! ぜひ、私とKanaeさんの熱いクロストークに耳を傾けていただけると嬉しいです。

〜プロフィール〜

◎Kanae Nico
抽象表現者・画家。タイ・チェンマイ在住(在住歴は約3年)。音、空気、観念、形のないものを視覚美術で表現する。ミックスメディア、アクリル、水彩での抽象画を主とするが、ファッションアート、写真表現、映像製作、壁画、ライブペイント等の分野で共同制作も行う。
http://kanaenico.link/
◎恋する旅ライターかおり/小林 香織
2014年ライターデビュー。約15年間の会社員生活を経て、フリーランスに転身。ライターを選んだのは、地球上にあふれている心ときめくストーリーを伝えたかったから。働き方を含めたライフスタイル、人生ストーリー、旅、恋愛、体験記など、幅広く執筆。今後はライターにとどまらず、自由に「ワクワク」と「好き」を追い求めたい。生き方の選択肢を提供し、誰もが自由にライフスタイルを選びとれる世界を創ることがミッション。
https://www.facebook.com/everlasting.k.k

好きを追求するために一番必要なのは、時間と気持ちの「余白」

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ニマンヘミン地区にある緑で埋め尽くされたカフェ「Rustic&Blue」。ハンモックの癒し効果はバツグン!

かおり:数日滞在しただけで、すでにチェンマイに恋しています(笑)。Kanaeさんはチェンマイ在住歴が3年ということですが、どんなところが気に入っていますか?

Kanaeさん:コストが安くて、食事がおいしく、人がやさしいところですね。あとは緑が多かったりアーティストが多く住んでいたり、クリエイティブな感性が刺激されるような場所が多いところも気に入っています。

かおり:私が一番ときめいているのがカフェのかわいさで、今訪れているこのアートカフェも草花をモチーフにした内装が最高にセンスいい! 今回の旅で一番のお気に入りスポットです!!

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ピン川沿いの「Woo – Cafe . Art Gallery 」

かおり:そもそも、Kanaeさんがチェンマイへの移住を決めたキッカケが気になります。

Kanaeさん:たまたま友人が住んでいて、「アートを本格的にやりたい」という話をしたら「チェンマイに来たら?」って誘われて。まったく視野に入れていなかった場所なんですが、1週間だけ下見に行ってみたら想像以上に暮らしやすそうだったので、タイミングが整ったところで移住しました。

かおり:当時はアート一本ではなかったそうですが、どうやって生計を立てていたんですか?

Kanaeさん:当時、日本でバイトを3つ掛け持ちしていたんですが、そのうちの1つがネット経由でチェンマイでも続けられる仕事だったんです。残り2つを切って、その仕事だけ持ってチェンマイに飛びました。

かおり:タイは英語が比較的通じますが、最初からある程度の英語は話せたんですか?

Kanaeさん:日本で英会話学校とフリースクールのスタッフをやっていて、英語を聞く耳だけは鍛えていたんですが、しゃべりはまったく。こっちに来てから実践で覚えました。

かおり:なるほど。だとすると言葉の壁もあるなかで、いきなりアートを始めるのは難しかったのでは……?

Kanaeさん:それが幸運なことに、こっちで見つけたアパートのオーナーが、バッグなどのものづくりをされている日本人の方だったんですよ。「ここに住みたい!」って直感で思えたような、素敵なアパートで。彼女との出会いが縁になって、チェンマイに来て1年目で展示会を開催することができました。展示会はチェンマイに来て、時間と気持ちの余裕ができたから実現したことでした。この展示会の接客のおかげで、英語力が一気に伸びたんです。

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チェンマイで開催した展示会の様子

かおり:二重の収穫ですね。その展示会が転機になったんですか?

Kanaeさん:直接的な転機になったわけではないんですが、その後、チェンマイ在住のミュージシャンたちと仲良くなり、あるサックス奏者に誘われてギャラリーに行ったら、そこで即興の演奏が始まって。私の描いた絵をスクリーンに映して、その絵のイメージに合わせた即興演奏。驚きつつもすごく心地よくて、それからアーティストたちとの交流が深まっていきました。

彼らと出会った感じたことは、すべてを「良い悪い」で判断しないこと。仏教国ということもあるのかもしれませんが、仕事として「売れるものをつくる」以外に、彼らは「自分の魂を養う作品をつくること」も当たり前に大事にしていました。要は自分が好きなものを追い求めることを忘れない。

日本では「いかに売れるものをつくるか」だけに捉われがちじゃないですか。だから日本では「売れるものを描かなきゃいけない」ってすごくあがいてた。その苦しみが絵に表れてしまっていたんです。

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かおり:本当にその通りだと思います。売れることが偉い。売れることが成功。それが、一般的な価値観になっている気がします。もちろん売れるということは、それだけたくさんの人の心を動かしたということですが、それがすべてじゃないし、むしろすぐ結果につながらなくても、自身のこだわりを大事にできている人のほうが勇敢だと私は思います。

ただ、これが会社員となると話は別なんですよね。まずは目標値をクリアしないといけないから、「売れる」ことを最優先にして、「好きなこと」「やりたいこと」は後回しにせざるをえない。あとは、与えられた役割をはみ出して何かにチャレンジすることも難しい。フリーランスになった今は、自分の意思一つで「ライター」の枠を飛び越えられるので、あらゆる可能性を追求しています。

無限にある選択肢からやりたいこと、できることを突き詰めていく

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Kanaeさんがチェンマイで出会った竹フルート・JAZZベース奏者のジョイさんと。昼間から人生論に花が咲く(笑)。

かおり:フリーランスも当然、一定の収入を得ないと生活できないし、家族を養っている人などは「売れる」ことを優先しなければならない現実がありますが、会社員に比べるとハンドリングしやすい気はしています。

Kanaeさん:しかもタイは生活コストが低く、日本に比べると制度等がシンプルなので、好きなことに費やす時間を増やせるのが大きなメリットです。だからこそ、私のアーティストへの道は開いていったと思っています。

かおり:チェンマイでアート活動に打ち込むなかで、日本にいたときとどんな変化がありましたか?

Kanaeさん:何よりも描く絵が変わりました。チェンマイに来る前は人物画や事象を描いていたのですが、こっちでアーティストたちの生き方に触れたり、自分自身を見つめ直すなかで、私が本当に描きたいのは「形のない抽象画」だと気づきました。

描き方も大幅に変わり、「売れるものを描こう」と技術を突き詰めるよりも、描く対象をありのままトレースして、心に生まれたインスピレーションをそのまま表現すれば、私らしい魅力が伝わるオリジナルの絵が描けることがわかったんです。

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Cosmic Garden(Acrylic on Paper )(2014)Kanae Nico

かおり:なかなか自分では気づけなくても、自分らしい感性ってきっと誰もが持っているんですよね。私は、その感性を取材相手の方に教えていただいたと思っています。ビジョンに心から共感して「応援したい!」と思えたある方のインタビュー記事を書いたら、その相手が心から喜んでくれたんです。「自分のストーリーなのに、ものすごく感動した!」って。

それがすごく自信になったし、自分が生み出した文章でこんなにも誰かを感動させることができるんだって涙が出るぐらい嬉しかった。その記事がバズったかというとそうではないんですが、届けたいピンポイントの人に届く記事になったと思っています。そして、私の想いを汲み取ってくれた編集さんともとても良い関係を築くことができて、「小林さんらしい、メッセージ性の強い記事をこれからも書いてほしい」との言葉をいただきました。

無限にある選択肢のなかから自分に一番フィットする方法を選んでいくことが、長い目で見て自分も誰かも幸せにできるんじゃないかなって。それが私の場合は、深く共感できる方のインタビュー記事や体験記なんだと思います。仕事って報酬と引き換えに、苦労しなきゃいけない、ガマンしなきゃいけないものだって思い込んでいたけど、フリーランスになって「自分の幸せを優先してもいい」って思えたんです。

Kanaeさん:すごく共感します。関わった皆が感動できる波。かおりさんならではの仕事をされたからの結果ですよね。自分がやりたいこと、できることを選んだほうが、結局効率もよく結果が得やすいんじゃないかなと私は思います。ワクワクしないことって、時間をかけて努力したわりに評価が低かったりして。

私の場合は極力自分の思いをそぎ落として、書く題材(小説や音楽、自然など)が持つ美しさを自分のフィルターを通して映し出すことがやりたいことであり、できること。私の絵を見た相手が、それぞれ好きなように幸せを感じとってもらえたらと思っています。ただそこにあるだけで心が落ち着く”自然”みたいな絵を描いていけたら。

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かおり:すごく素敵ですね。私の場合は自分の想いを削ぎ落とすことが苦手なので、なるべくピンポイントに狙いを定めて、できるだけ熱量を込めるようにしています。そこから深い価値観でつながれる相手と仲間になり、「一緒にその価値観を広めていきたい」と願っているんです。ただ、押しつけがましい書き方にならないように、冷静な目を失わないようにだけ気をつけています。

Kanaeさん:私たちはお互いがやりたいこと、できることは違いますが、「自分がワクワクすること」を最優先しているから、すごく共鳴できるんだと思います。チェンマイに来てから、「苦手なこと」「ワクワクしないこと」をどんどん手放していくなかで、アーティスト活動がうまく循環するようになりました。やりたいことを突き詰めるなかで、その精度を高まったからかもしれません。

自分軸がクリアになると、引き寄せられるように縁がつながる

かおり:チェンマイで実際にどんなアート活動を展開しているんですか?

Kanaeさん:クラウドソーシングや縁を通じて、電子書籍やCDジャケットの表紙を描かせていただきました。お互いの相性も良く、一度のみならず何度かご一緒させてもらい、とても思い入れの深い作品になりました。あとは、アートカフェにポストカードや作品を置いてもらったり。

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Kanaeさんが担当した田井中圭(たいなかけい)氏のFirst CD『たゆたう』のジャケット

かおり:しばらくはアート以外の仕事も続けていたそうですが、どのタイミングでアート一本に絞ったんですか?

Kanaeさん:実は私、2013年にチェンマイに移住して2年間住んだあと、事情があってしばらく日本に戻っていたんです。日本ではゲストハウスに住み込んで、細々とアートを続けていました。その後、2016年にまたチェンマイに戻ってきて少しずつアート活動の割合を増やし、2017年からアート一本に専念しています。

かおり:まさに今、本当に好きなことだけを追求できるようになったところなんですね! 好きなことを続けるには「人との巡り合い」も重要だと思いますが、縁を引き寄せるためにどんなことを心がけていますか?

Kanaeさん:おもしろそうだと思った場所には、とりあえず飛び込んでみることですね。チェンマイに来たばかりの頃、まともに会話もできないのに、「ギャラリーに来てみなよ」というアーティストたちの誘いについて行ったことから、いろいろな可能性が開いていきました。

そして、私にとってもう一つ欠かせない縁がソウルメイトであり、ビジネスパートナーでもあるロシア人カメラマンのラナとの出会いでした。彼女とは英会話スクールで偶然出会い、今やお互いに「姉妹」と呼んでいるのですが(笑)、プロフィール写真の撮影やアート作品のデジタル化など、私が技術的に足りないところをサポートしてもらっています。

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もっとも信頼できるパートナー・ラナさんと共に

逆に私が彼女の仕事をサポートすることもあれば、一つのアートを共作することもありますね。一緒に仕事をしたときは、お互いの貢献度によって報酬をシェアして。彼女とは、なんだか引き寄せられたような不思議な出会いでした。

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ラナさんと共作した堀 総太氏の長編電子小説『カメラトーク、セッション』

かおり:ラナさんと出会えたのって、自分が大切にしたい価値観、いわゆる自分の軸がクリアになったからじゃないですか? 私も自分の好きなことに集中するなかで、どんどん良縁に恵まれる機会が増えました。先日SoloProで取材した起業家の仲本千津さんとイベントでご一緒する機会がつくれたり、旅記事の執筆も今年になってグッと増えました。

今回のKanaeさんとの出会いもまさにそう! 出会って数時間なのに、ソウルメイトみたいな気がしています!(笑)。

Kanaeさん:嬉しいです〜〜!! まさにその通りで、自分が大切にしたいものがちゃんと見えていたから、ラナが自分にとって必要な存在だと感じられたんだと思います。かおりさんとも、送られてきたメールの文面とFacebookの投稿を読んで、「ぜひお会いしたい」と思ったんです。

かおり:(思わず感極まる)。私もです! Kanaeさんのメッセージは、思いやりとパワーにあふれていました。「もしも記事にならなくても、お会いしてお話したい」、そう思ったから、今回観光ガイドとともにインタビューをお願いすることにしたんです。記念すべき第1回のゲストとして、Kanaeさんのストーリーを書き残すことができて幸せです。

Kanaeさん:ありがとうございます!! 日本もしくはチェンマイで、私とラナとかおりさんでコラボして、イベントなどできたらいいですね〜!

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最後はお互いへの想いを伝え合い、固い握手を交わして、別れを惜しんだ私たち。実は後日、ラナさんも交えて食事の機会をつくっていただき、直接ラナさんともお話しできました。透明感と強い芯を持った美しいラナさんに惚れ惚れ。「また会いましょう」と約束して、現地をあとにしたのでした。

正直に言えば、私はまだ自分の好きなことだけに100%専念しているわけではありません。フリーライターで生きていけるようにはなったものの、「ワクワクしないこと」を完全に手放せてはいない状態です。ただ、常に自分の心と対話することを忘れないようにしています。

好きなこと、得意なことだけを追求する生き方を「ワガママ」だと思う人もいるでしょう。でも、誰もが個性を輝かせてワクワクしながら働くことができたら、きっともっと生きやすい世の中になると思うんです。だから、私は「好きを追求する生き方」をあきらめたくない。

共感してくださった方、恋する旅ライターかおりと対談してみたいと思ってくださった方、または異論がある方などなど、対談相手を絶賛大募集中で〜す!! ぜひ、こちらからメッセージをお寄せください。お待ちしています!

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