働き方の選択肢がポジティブに変化した。プレゼンも時代に合わせて変わるのか?【オンライン×プレゼンテーション:渋谷 雄大さん】 #はたサバ

記事のポイント
✅プレゼンは、コミュニケーション。「相手目線」で相手の「ココロを動かす」ことが大事

✅オンラインセミナーでは、参加者を巻き込むと満足度が高い(チャットの質問・感想から話を展開し、その日ならではの内容にする)

✅働きやすい環境をつくるためには、プレゼンのスキルを活かして自らアピールすること

新型コロナウイルスの影響で在宅ワークやオンライン上での仕事が増える中、自分のスキルとIT・テクノロジーを掛け合わせてどんなことができるのか ──。これからの働き方について想いを巡らす方もいるのではないでしょうか?

そこで働き方メディア「SoloPro」では、毎週月曜日21時〜「オンライン×働き方・スキル」をキーワードに、いろいろな業界の第一人者やチャレンジャーに、公開インタビューを実施。

「After/Withコロナ時代の働き方サバイバル戦略」略して、#はたサバ

7月6日(月)のゲストは、株式会社MOVED 代表の渋谷 雄大さんです。

イベント支援・セミナー・講演事業などを担う会社経営をする傍ら、サイボウズ株式会社のエバンジェリストとしてもご活躍する渋谷さん。今回はそんな渋谷さんを働き方メディア「SoloPro」編集長の松田然が公開インタビュー。

数々のイベントでファシリテーターを務めているオンラインファシリのプロ 小林 千夏さんも招き、オンライン×プレゼンテーションをメインテーマに、渋谷さんが考えるWith/Afterコロナ時代の働き方やキャリア、そしてプレゼンテーションを行う上で求められるスキルをお聞きしました。

【ゲストプロフィール】
■渋谷 雄大さん
株式会社MOVED 代表取締役社長東京都江東区出身。

スポーツ業界にて鍼灸師として活動後、独立等を経て、新しいキャリアを求めICTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT研修講師・コンテンツ開発を経験。その後サイボウズ株式会社のエバンジェリストとして年間150回以上の講演・セミナーを担当。2018年9月に株式会社MOVEDを創業。自身のリアルな経験を活かした伝わるプレゼンの指導を強みとしている。

株式会社MOVED 
Twitter:https://twitter.com/carebody
著書「伝わるプレゼンの法則100」大和書房
【インタビュアー】
■松田然(もゆる)
働き方実験家・SoloPro編集長 

2007年に未経験からライターとなる。その後、すぐにリーマンショックが起こり不眠不休の激務を通じてココロの体力を付け、2010年に独立・起業。2013年に2社目となるライターカンパニー「合同会社スゴモン」を立ち上げ代表を務めると同時に、ライターになってから現在に至るまで13年で4000人以上を取材しているインタビューライター。

いろいろな人の働き方や生き方に触れたことで、自分の旗を立てる、働き方のサードプレイス「SoloPro」を運営し、メディアやコミュニティ作り、キャリアコーチングなども行っている。
趣味では、自転車旅人としてリモートワークをしながら47都道府県全てを走破したりトライアスロンに挑戦したり……その際に出会った全国の仲間と一緒にプロジェクトを動かし、地方の働き方支援(行政と連携した地方創生の取り組み)や、各種メディアでの情報発信や場づくりなども行う。
総じて、いろいろな働き方を実験している人なので、肩書きは「働き方実験家」。

オーストラリアで出会った「家族との時間を大事にする」働き方

まずは、どのような仕事・活動をされているのか教えてください。

株式会社MOVED 代表取締役社長として、プレゼンテーション研修・IT業務の改善支援・セミナーや講演に関する事業を手がけています。その傍ら、サイボウズ株式会社の会社員としてエバンジェリスト※1 の活動もしています。

※1:「エバンジェリスト(evangelist)」とは、IT業界の新しい職種、あるいはその役割を担う専門人材のことです。もともとはキリスト教の「伝道者」の意で、ITのトレンドや技術について、ユーザーやエンジニアなどに分かりやすく説明し、啓蒙することを仕事とします。自社技術の価値を伝え、高める専門職として、最近、IT関連企業でポストとして新設するところが増えています。当然、技術やサービス全般に精通したエンジニアや開発者出身の人がほとんどです。引用:https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=163

会社を経営しながら、会社員も……!?

はい。実は、起業とサイボウズの社員になるタイミングは同時だったんです。会社員としての仕事があることで、起業にチャレンジしやすかったのと、サイボウズの事業により深く携わりたい気持ちが大きくて。経営者と社員の二足のわらじで活動していくことを決めました。

サイボウズは働き方に柔軟な会社としては有名ですよね。社員自ら出社・退社時間を決められたり、勤務日数を調整できたり。複業をされている方も珍しくないと伺いますが、複業が会社経営とは面白いキャリアですね。

でもそもそも、なぜIT分野を仕事に? たしか渋谷さんと初めて出会った頃は、スポーツトレーナー・鍼灸師をしていたよね?

より時間をコントロールできる働き方がしたいと、思ったことがきっかけです。その手段として、IT分野がフィットした形ですね。

具体的に、どんなきっかけだったの?

21歳のとき、スポーツトレーナー・鍼灸師としての活動を広げるため、オーストラリアに留学をしました。そのとき目の当たりにした、ホストファミリーの「家族との時間を大事にする」働き方に衝撃を受けたんです。彼らの仕事のスタンスに、自分の人生のつくり方や働き方を見直したい、と思いました。

理想のライフスタイルから逆算して働き方を考えるきっかけを、海外で得たんですね。

オーストラリアから帰国後、スポーツトレーナーの仕事を離れ、フリーランスとしていくつかの仕事を手がけました。その中で芽が出たのが、ITの分野だったんです。その後、ICT関連の教育や研修を手掛ける会社にも入社し、組織の中での経験も積みました。

モデレーターの小林です。ITは、オンラインで業務が完結したり、PC1つで仕事ができたりと、渋谷さんが描いていた理想の働き方との親和性も高いですもんね! でも、そこからどのようにして、プレゼンの世界に?

一番のきっかけは、サイボウズで「エバンジェリスト」として働かないかと誘っていただいたことです。サイボウズに入社したことです。前職のご縁で、「エバンジェリスト」として働かないかと誘っていただきました。そこから講演・セミナーで登壇する機会が一気に増えましたね。怒涛のようなプレゼン漬けの日々……! 同じ内容のプレゼンを、500回くらいやったかな(笑)。

すごい……! 

本当に、鍛えられました(笑)。貴重な経験でしたね。

サイボウズのエバンジェリストとして働き始めたことが、プレゼンのプロとしての活躍するきっかけだったんですね〜!

プレゼンは、「相手目線」の気持ちを持つことが大事

その後も、年間150回以上の講演・セミナーを行い、プレゼンのノウハウが詰まった著書「伝わるプレゼンの法則100」も出版された渋谷さん。どのようにしてプレゼンスキルを上達させていったのか、気になります!

私僕の場合は、圧倒的に場数が多かったことが、上達した要因だと思います。もらったフィードバックを元にPDCAを回し、試行錯誤を繰り返しました。その積み重ねがノウハウとして蓄積され、今に至っています。

やっぱり場数は大事ですよね。でも、僕は、人見知りだったこともありプレゼンに苦手意識があって(汗)。やはり、プレゼンは素質やセンスもあるのかなと思うのですが、いかがでしょうか?

いいえ。プレゼンのスキルは、後天的に身につけられます。センスとは、今までの経験の積み重ねです。まずは基礎となるノウハウを勉強し、それを活かして場数を踏めば、どなたでも上達すると思いますよ。

視聴者の中には、「プレゼンが上手くなりたい! 」と思っている方も多いと思います。今日からでも実践できる、プレゼンの大事なポイントを教えてください!

まず大事なのが、「相手目線」ですね。

プレゼンって、意識しないと自分目線の気持ちになりやすいと思うんですよ。「これ買って! 」「俺すごいだろ! 」と自分の主張を伝えて終わり、みたいな……。

たしかに。自分がどう見られているのか? ばかりを意識してしまうことが多いです。

でもそれだと、相手にとってのメリットが伝わらず、自分ごとにしてもらいにくいされくいんですね。相手に喜んでもらうためには、どうしたらいいだろう? という気持ちを持つだけで、ぐっと伝わりやすいプレゼンになりますよ。

自分が伝えたい内容を相手に知ってもらうこと、がゴールではないんですね。

その通り。プレゼンのゴールは、相手の「ココロ」を動かすことです。今日はいい話が聞けてよかったな、と思ってもらうのも大事ですが、本質的な目的はその一歩先。ワクワクしたり、誰かに伝えたくなったり、商品を買いたくなったり、行動を起こしてもらうことが重要です。

だからこそ、相手が何を求めているのか? という相手目線の気持ちが大事になるんですね。

おっしゃる通り! 重要なのは、「私」ではなく「相手が、どう思うか? 」です。具体的には、プレゼンの最中、使う主語を「私」から「あなた」に変えることで、自然と相手目線で話すことができますよ。

主語を……変える?

アメリカ合衆国の元大統領 バラク・オバマさんが、「Yes! We Can! 」と繰り返していたフレーズが印象に残っている方も多いと思います。主語を、「I(私)」にするのではなく、YouやWe(あなた・あなたたち)にして伝えると、「あなた」が主役という印象を与えられるんですね。聞いている側は「自分に対して語りかけているんだな」と自分ごとにしやすくなります。

なるほど。

会社の商品・サービスをプレゼンするときも、ぜひ主語を「弊社(I)」から「あなた(You)」に変えてみてください。話すときの感情移入も、しやすくなりますよ。

プレゼンは、相手への贈り物。相手目線の気持ちや、相手のココロを動かす本質は、営業やライティングにも通ずる大事なことですね。

あとは「主観」を入れることもポイントです。

どんなに流暢に喋れても、感情が込められていなければ伝わりません。淡々と情報だけを並べるのではなく、実際にプレゼンする商品・サービスを使ってみた感想を盛り込むと、聞いている方たちは使用感をイメージしやすくなります。さらにプレゼンターが楽しそうに話す姿を見て、興味を示すことも。

相手目線をベースに主観を入れて伝えることで、「あなたみたいになれるなら、買おうかな! 」とワクワクする未来予想図や想像を駆り立てることが重要です。

「相手目線になる」「主観を入れて伝える」は、日常会話でも活かせそうですね。

まさに。プレゼンはコミュニケーションですから。会社の上司や家族と良い関係を築きたいときも、相手目線の心がけは活かせます。相手を観察して「これは言っちゃダメだったな」「こういう伝え方の方が良かったかな」と反応を見ながらPDCAを回す。そうすることでコミュニケーションが改善されたり、自分の要求が通りやすくなったらいいですよね。

なるほど! 渋谷さんが、経営者・会社員・家庭(渋谷さんは4児の父親! )を、両立させる裏側には、プレゼンの極意を踏まえたコミュニケーションがベースになっているんだな、と感じました。

参加者を巻き込めるオンラインセミナーは満足度が高い

新型コロナウイルスの影響で変わったことはありますか?

今まで登壇していたセミナーは、ほとんどオンライン開催になりましたね。

すでに数多くのオンラインセミナーを開催されていると思うのですが、オンラインならではの意識している点は、ありますか?

参加者を巻き込むこと、を意識しています。チャットでいただく質問・感想を拾いながら話を展開すると、盛り上がるんですよ。同じテーマで開催しても、参加者のコメントによってその日ならではのトークができるので、満足度も高いですね。

確かに。参加者の反応をダイレクトに受け、求められている内容に合わせた展開ができるのは、オンラインの良いところですよね!

ただオンラインだと、ご飯を食べながら、散歩をしながら、の視聴も可能なので、参加者とどうコミュニケーションをとるか? 巻き込むための工夫は必要だと思いますね。

オンラインセミナーで使うプレゼン資料作りのポイントはありますか?

スマートフォンから参加される方も多いので、資料はシンプルで見やすいレイアウトにする必要があります。

スマートフォンから細かい文字は、見れないですもんね。

オンラインは入退室も自由にできるので、「今どのテーマについて話しているのか?」がわかる資料になっていると尚、親切です。もゆるさんと小林さんのZOOMの壁紙のように、今回はこういうテーマで話すイベントなんだなとわかるような工夫も、途中から参加した方にわかりやすいのでいいと思います。

働く場所・時間が選べる時代からこそ、働き方を見直す

最後に、この企画で皆さんに聞いている質問ですが、渋谷さんが考える、With/Afterコロナ時代の #はたサバ(働き方サバイバル戦略)を教えてください!

オンラインでセミナー開催ができるようになり、働き方の選択肢が増えました。今までは、登壇のために会場に行かなければならず、東京から離れられませんでした。でもオンラインで完結できれば、世界中どこにいても登壇できます。旅をしながらでも働ける。そういう意味では、そもそもWith/Afterコロナ時代がサバイバルなのかな? という疑問もありますね。

ビジネス面ではこれから不況になるなどネガティブ面もあるので、サバイバルと表現していますが、働き方に関してはたしかに!Beforeコロナも、満員電車で通勤しなければならなかったり、仕事が理由で暮らす場所を選べなかったりと、それこそサバイバルな働き方だった気がします。働き方の選択肢が広がったことは、むしろポジティブな変化とも捉えられますね。

もちろん、リアルで会う価値には敵わないので、通勤しても良いと思うんです。大事なのは、選べるということ。オンライン・オフライン、どちらも仕事ができるようになったことで可能性が広がったように思います。

渋谷さんがオーストラリア留学で目の当たりにした「時間をコントロールできる働き方」を、誰もが実現できる世の中へ近づきつつあるのかもしれませんね。

一方で、働きやすい環境をつくるために、自分からアピールしていくことも大事です。例えば、地方で働くのなら「なぜ、その地域で働きたいのか? 」「どんなことをしていきたいのか? 」自分のストーリーを話せると良いですね。自分から発信していくことで、仕事やチャンスにつながります。その手段としても、ぜひプレゼンのスキルを使っていただきたいですね。

では最後に、視聴者に対してメッセージをお願いします!

時間をコントロールする働き方は、ネット環境やITツールの発達により、格段に実現しやすくなりました。その一方で、リアルに人と会う価値は無くなりません。

どちらも選べるようになった今、「なぜ自分はこの働き方を選んでいるのか? 」働き方を 一度見直してみるのも良いかもしれません。そうして、後悔しない働き方・幸せな生き方を選択をしてほしいですね。

 

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