価値を生み出す「3か月」の使い方。シェアNo.1クラウド会計ソフト・freee藤井浩平さんのワークスタイルに学ぶ

2013年に誕生し、今やシェアNo.1(※)のクラウド会計ソフトとなった「freee(フリー)」。フリーランスや個人事業主の強い味方といえるサービスのため、SoloPro読者のなかにもfreeeのユーザーが多いかもしれません。

※MM総研(東京都港区、所長:中島 洋)が実施した従業員300人以下の中小企業等に対するクラウド会計ソフトの法人導入実態調査(2017年9月発表)の結果

このサービスを運営するfreee株式会社では、3か月を1つのサイクルとし、最短で結果を出すことに注力しているとのこと。これは同社の創業者・代表取締役CEOである佐々木大輔さんが提唱する「3か月で成功体験をつかむメソッド」があるから。

そこで同社の個人事業部で部長を担う藤井浩平さんに、ご自身の実際のワークスタイルを伺いました。そこから見えた、最大限に価値を生み出すための「3か月の使い方」をお届けします。

〜プロフィール〜
藤井浩平
freee株式会社 ユーザーカンパニー 個人事業部 部長。新卒で大手IT系企業に入社し、ECコンサルタントとして、上場企業の新規通販部門の立ち上げなど300店舗以上の販売戦略の立案・提案に関わり、2016年6月全社最優秀賞にあたるMVPを受賞。2016年夏にfreee株式会社に転職、個人事業主の会計を、スマホでラクにするべく日々奮闘中。



Contents

新しい価値創造をしたい。それが転職の一番の理由

 

かおり:藤井さんは新卒で入社された大手IT系企業で、バリバリ活躍されていたそうですね。そんななか、なぜfreeeへ転職を決めたのでしょうか?

藤井さんまだ完成されていないビジネス、かつ、より世の中の価値になるインパクトのある仕事がしたかったからです。以前のIT系企業はある程度の歴史があり、すでに事業モデルが完成されていたので、十分なやりがいを感じられていなかったんですよね。

かおり:実際に転職されてみて、いかがでしたか?

藤井さん:大正から平成にワープしたかのように、何もかもが違っていました。たとえば以前の職場では効率化に対して無頓着なところがあり、自ずと非効率なやり方が当たり前となっていましたが、freeeにはムダだと思えるシステムやルールは、何一つありませんでした。

オフィスに電話機もなかったですしね。これは、「電話を置くと取る人が必要になるから」というシンプルな理由です。最初こそ戸惑ったものの、今ではこの徹底したムダを省くスタイルが最強だと思っています。

かおり:これだけ「働き方改革」が叫ばれていても、まだまだ非効率な働き方から抜け出せない企業は多いと聞きますが、さすがですね!

3か月を区切りとしたワークスタイルのメリット

かおり:藤井さんは、現在どんなお仕事を担当されているんですか?

藤井さん:個人事業主向けのマーケティングとプロダクトの改善に取り組んでいます。

かおり:御社の代表の佐々木大輔さんは、3か月間、一つのことに集中して取り組む「3か月サイクル」を推奨されていますが、社員のみなさんはいかがですか?

藤井さん:僕のチームもまさに実践中で、チームで3か月間のテーマを一つに定め、各々のメンバーがそのテーマに基づいて注力します。たとえば、ここ最近では「Facebook広告をやりきる」と決めて、情報収集も素材の準備もデータ分析も、一からすべて行いました。

また先日、連名で「スマホでかんたん確定申告 ~青色申告をラクに済ませるfreeeの使い方から節税のコツまで」という本を発売したのですが、それも3か月で集中して書ききりました。

かおり:3か月サイクルの働き方を実践するなかで、どんなメリットがありましたか?

藤井さん:一番はわかりやすく変化が表れることです。改善したい点が改善できた、広告の効果が数値で表れた、1冊の本ができあがった、など。あれもこれもと欲張ると、それぞれの達成度はせいぜい60%止まりですが、一つのことに意識と時間を集中させると、80%以上の高いレベルまで達成できる手応えがつかめています。

3か月って長すぎず短すぎないちょうどいい期間で、高い集中力を維持しながら取り組めるのもメリットだと思います。

かおり:複数のことをやろうとすると、どうしても意識が分散しやすいですしね。

最短で変化を起こすために徹底していること

かおり:3か月サイクルを実践する際、どのように目標設定をされているのでしょう?

藤井さん3か月で達成したいゴールを定めたら、それとは別に1か月ごとのスモールゴールを決めます。頭のなかで3か月のストーリーを描きながら取り組めるといいと思います。

かおり:ゴールは各々が主体的に決めていますか?

藤井さん:ゴール設定は上司とメンバーが一緒に決めています。そのうえで、週に1回「1on1」といって上司と面接をする時間が設けられています。僕のチームの場合、普段は細かい確認はせず、この1on1の時間で進行具合をチェックしたり、悩みがあればアドバイスをしたりして、うまくバランス調整ができていますね。

普段から逐一チェックすることを習慣化していると、確認ができないと作業が進まないというデメリットが生まれてしまうので。

かおり:ゴールに向かって進めるなかで、トラブルが発生するなど、予想外の時間を取られてしまう場面もあると思います。藤井さんが時間を生み出すためにやっていることはありますか?

藤井さん:僕の場合は、「やらないことを決める」「考える時間を減らす」の2つを実践しています。たとえば生活面の家事などは最低限にとどめ、家に帰ってから寝るまでの動きをルーチン化して、考えずにできるようにしています。

会社全体で見ると、徹底的な自動化を図っているのは特徴です。忘れがちなことはアラートを活用したり、議事録を書く際は開いた瞬間に次に使うテンプレートがパッと出てきたり、わずかな時間もムダにしない仕組みができています。

かおり:普段の生活を含めて見直してみると、案外ムダな時間が見つかるかもしれませんね。

3か月サイクルで「心の底からやりたいこと」を見つけよう

かおり:今すぐに必要なワケではないけれど、将来への投資としてやりたいことがある場合、やろうと思いつつ、どうしても目の前の仕事ばかりを優先してしまいがち……という人もいる気がします。

藤井さん結局、「心の底からやりたいことかどうか」が、できるかできないかを決めるのかなと思います。

かおり:もし、やりながら迷ってしまった場合は、「これが本当にやりたいことなのか?」と自分に問いかけてみる、いわゆるセルフコーチングのようなことをされるんですか?

藤井さん:僕の場合は「世の中の価値になることをしたい」という昔から変わらない人生の夢があるので、ブレることがないのですが、自分が好きなこと、達成したいことがわからず迷ってしまったときは、集中して3か月続けてみるのが、結局一番早いと思います。

3か月取り組んでみた結果、楽しさが見いだせなかったり、続けることがツラくなったりしたら、それは嫌いなことに分類すればいい。3か月サイクルを繰り返すことで、自分が好きなこと、嫌いなこと、やりたいことが自ずと見えてくるはずです。

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目の前の仕事を確実にクリアするなかで、成長を実感できる瞬間もある。とはいえ、「これを成し遂げる」と決めて挑む3か月と、目の前の仕事をこなす3か月では、その後の未来に歴然とした差が表れてくるのではないでしょうか?

私のようなフリーランスや個人事業主のみなさんはもちろん、会社員の方であっても、3か月のサイクルを意識した働き方を取り入れるメリットは大いにあると言えそうです。

たとえば、「3か月間、朝型の生活を持続してみる」「3か月で5冊の本を読む」「3か月間、每日SNSの発信をする」、そんな身近なテーマから始めてみるのもアリ。3か月後にどんな自分と出会えるか、どんな価値が生まれるか、ワクワクしながら続けられたら最高ですね!

 



 

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