受注は失注より商談中の沈黙が8回多い。データを武器にコミュニケーション術を磨く【オンライン×営業・セールス編:橋口 浩暉さん】 #はたサバ

記事のポイント

・商談中の沈黙は、「提案」「クロージング」のタイミングで使うと効果的

・データのを活用をして再現性ある仕事ができるようになれば、正しい方法で努力した人がどんどん成果を出せる

・オンラインで仕事が完結できれば、場所にとらわれない生き方・働き方ができる。仕事・プライベートどちらも充実させることがかっこいい時代へ

新型コロナウイルスの影響で在宅ワークやオンライン上での仕事が増える中、自分のスキルとIT・テクノロジーを掛け合わせてどんなことができるのか ──。これからの働き方について想いを巡らす方もいるのではないでしょうか?

そこで働き方メディア「SoloPro」では、毎週月曜日21時〜「オンライン×働き方・スキル」をキーワードに、いろいろな業界の第一人者やチャレンジャーに、公開インタビューを実施。

「After/Withコロナ時代の働き方サバイバル戦略」略して、#はたサバ

6/8(月)21時〜のゲストは、Mtame株式会社 橋口 浩暉さんです。新卒で入社後、オンラインセールスに従事して3年目。2020年5月30日に開催された、オンライン商談のノウハウをプレゼンし、No.1を決めるS1グランプリONLINE(注) では「正しい沈黙の作り方」をテーマにプレゼンし、グランプリ優勝を獲得しました。

注:S1(Sales No.1 Grand Prix)とは

「M-1グランプリのセールス版」

厳正な選考を通過したトップ営業パーソンが、プレゼンとロープレを実施し、審査員と参加者全員による採点でトップオブトップを決める大会。2019年9月に開催された第3回大会は、250名のオーディエンスのもとで開催。最近は、2020年5月30日にオンラインで大会を開催し、参加者は900名超え。”営業というチカラで「自己実現」をミッションにする有志団体にて運営している。

https://sales-no1gp.com/

今回は、そんな橋口さんにSoloPro編集長の松田 然(もゆる)が、公開インタビューを実施。S1グランプリの運営メンバーで当日は全てのプログラムでファシリテーターを務めた小林 千夏さんも招き、橋口さんが考えるWith/Afterコロナ時代の働き方やキャリア、そしてオンラインセールスに求められるスキルをお聞きします。

【ゲストプロフィール】

■Mtame株式会社 橋口 浩暉 さん

オンラインセールス3年目。これまで1, 000社以上の企業に導入提案を行う。

現在はその商談データを様々な角度から分析し、「 誰でも売れる仕組み作り」に奮闘中。

スターティアラボグループの九州地方の採用プロジェクトリーダー 、Mtame社のVP of InsideSalesを務めたのち、現職。

オンラインセールスをもっと一般化し、働き方・ 生き方をもっと自由に楽しくしていきたい想いを持つ。

【インタビュアー】

■ライターカンパニー「合同会社スゴモン」代表・SoloPro編集長 松田然

2010年に独立し、ライターになってから現在に至るまで13年で4000人以上を取材し、ライターカンパニー「合同会社スゴモン」代表を務める。

いろいろな人の働き方や生き方に触れたことで、”自分の旗を立てる「働き方」のサードプレイスSoloProを運営し、メディアやコミュニティ作り、キャリアコーチングなども行っている。

趣味では、自転車旅人としてリモートワーク をしながら47都道府県を走破し、その際に出会った全国の仲間と一緒にプロジェクトを動かし、地方の働き方支援(行政と連携した取り組み)、各種メディアでの情報発信や場づくりなども行う。

総じて、働き方をいろいろ実験している人なので、今のところ肩書きは「働き方実験家」。

営業だけど顧客訪問しない、オンライン営業ネイティブ

もゆる
まず、橋口さんがどんなお仕事をされているのか教えてください。

橋口さん
新卒でMtame株式会社に入社し(事業内容はデジタルマーケティング領域の上流から下流までをトータルソリューションの提供)、3年目になります。現在は、オンラインセールスとチームのマネジメントを兼任しています。
もゆる
入社3年目でマネジメントもしているんですね! 学生時代はどんなことをされていたのですか?
橋口さん
地元長崎の大学に通っていたとき、事業を立ち上げる経験をしました。もともと商店街で賑わっていた街が、過疎化によりシャッター街になってしまったという地域課題があったんです。

なんとかもう一度地域を盛り上げたい、と自分たちで空き店舗を借り、商品販売をしていました。当時は、「大学生」×「起業」×「商店街」というキーワードで注目していただいて。実はインタビューも、テレビの取材など含め10回くらい受けた経験があるんですよ(笑)。

もゆる
それで今日のインタビューも慣れた雰囲気があるんですね! そこからなぜ、上京してMtame社に入社を?
橋口さん
就職活動をしているとき、早い段階で新規事業に携われる環境で働きたいと思いがありました。当社は新人でも意欲があれば仕事を任せてくれる社風です。そこに惹かれ、入社を決めました。
もゆる
橋口さんは、入社した当時からオンライン営業ネイティブとお聞きしています。
橋口さん
そうですね。これまでオンライン営業一筋です。でも入社前はオンライン営業のことは全く知りませんでした。営業とは訪問するものだとばかり思っていたので(笑)。

そもそも、オンライン営業ってなに?

千夏さん
入社前の橋口さんのように、そもそもオンライン営業がどんなものかわからない方もいると思うので、詳しく伺っていきたいです。商談の中では、どこまでをオンラインで行っているのでしょうか。
橋口さん
当社の場合、2つの商材があります。ひとつは、アポイント獲得までをオンラインで行い、その後は、訪問して商談を進める商材。

もう一つは、全ての工程をオンラインで完結させる商材。僕の部署は後者です。つまり、アポイント獲得・マーケティング・セールス・カスタマーサクセスなどを、一貫してオンラインで行っています。

もゆる
全ての工程をオンラインで完結できるのですね……! オンライン営業のメリットはどんなところにあるのでしょう?
橋口さん
通常の訪問営業より圧倒的に経験を積めるのが魅力だと思います。
もゆる
移動時間がないぶん、より多くアポイントを入れらるのは想像できるのですが、実際どのくらい経験数を積めるのか、数字で教えていただくことはできますか?
橋口さん
訪問営業だと1日3社行くので精一杯なところも、オンラインであれば1日5〜8件は商談ができます。
もゆる
それなら、新人の頃から多くの経験を積める環境で早く成長できますし、時間のコントロールもしやすそうですね。
橋口さん
そうですね。オンラインだとお客様の様子を見ながら商談時間も柔軟に変えられます。例えば、「補足説明で5〜15分打ち合わせよろしいですか? 」といったアポイントも入れられたり。効率的なやり方でお客様に合わせた対応をしています。
千夏さん
より多くの商談数がこなせるとはいえ、それだけ事前準備の数も多くなると思うのですが、その辺はどうされているのですか?
橋口さん
1件ずつ全てを網羅しようとすると、準備が追いつきません。工数を極力減らしながら、お客様の状況を理解する必要があります。僕が意識していることは、2つ。ひとつは、大枠のビジネスモデルをあらかじめ把握すること。業界特徴・ターゲット顧客・キャッシュフローを抑え、どんな提案が刺さりそうか予想をつけておきます。ふたつ目は、売り方をシナリオ化すること。ある程度の流れを決めておくことで、準備を簡略化できます。
もゆる
事前準備がキーになるんですね。他にオンラインで営業をすることのメリットはありますか?
橋口さん
過去の商談データの記録を全て残せておけることですね。当社は、AIが通話内容を自動解析してくれるシステムを使用しています。音声録音ができ、よく使う言葉や話すペースなどを自動で分析してくれるんです。
もゆる
全ての商談が、次の商談に活かせる分析データになっている?
橋口さん
そうなんです。データを振り返り、分析・修正を繰り返せば、誰でも同じように受注ができるようになります。僕はそこにオンライン営業の面白さを感じますね。自分のデータは社内に公開していますし、先輩のデータも見られるので参考にしながら学んでいます。
もゆる
いくらでも学べる環境だからこそ、やればやるだけ伸びますね! 僕もオンライン取材することが増えてきましたが、自分の喋っているシーンを振り返るのは恥ずかしくてできていなかったので改めて勉強します(笑)

伝えたいことが伝わる沈黙を使ったコミュニケーション術

千夏さん
橋口さんがオンライン営業で大事にされていることを伺っていきたいです! 特にどんなことを意識されていますか?
橋口さん
気持ちの良いコミニュケーションを大事にしています。画面越しだと、対面よりもコミュニケーションが取りづらいですから。早口で話してしまうと、相手は理解できません。また一方的に話し続けてしまうと、考える間を与えないことになってしまう……。お客様の立場になり、論理的に話すスキルや相手の真意を汲み取るコミュニケーション力が必要だと感じています。
もゆる
インタビュー中もすごく聞きやすい語り口だなと感じるのですが、話し方は入社後のオンラインセールスで鍛えたのですか?
橋口さん
学生時代から意識していました。将来、自分がどんな人になりたいか、と考えたとき「誰かに何かを伝えられる人でありたい。その影響力や範囲を広げていきたい」と思いがありました。そのとき、圧倒的に伝える力が足りないと感じたんですよね。そこから鍛えるようになりました。
もゆる
学生時代から目標を定め動き出していたのですね。具体的にはどんなトレーニングを?
橋口さん
本を読んだり、モデル事務所に入ってアナウンサーの経験をしたり、ゼミの教授に教わったり。思いつく限り努力をしましたね。
千夏さん
S1で優勝を果たしたとき、オンライン営業における「沈黙」をテーマに話しをされていましたね。
橋口さん
はい。先ほど触れたAIが通話内容を自動解析してくれるシステムで過去の商談結果を集計したところ、「受注できた商談は、沈黙回数が失注商談より8回多い」という結果が出ました。

橋口さんnote引用──”やりたいことの10%くらいしかできていない”僕らのオンラインセールス

千夏さん
営業もテクノロジーの活用が進んで科学的になっているんですね。
具体的に「沈黙」は、「①アプローチ」「②ヒアリング」「③提案」「④クロージング」と段階がある中で、どのタイミングで使っているのでしょう?
橋口さん
僕の場合は、「③提案」と「④クロージング」で、使っています。相手に自分の提案を検討して欲しいとき、相手に思考する間を与えることで、質問が生まれるんですよ。「自社だと、どんなふうに導入できますか?」など

また自社商品を提案する際にも沈黙を使うことで、印象付けができます。例えば、「ちょっと紹介したものがあります(沈黙)・・・こちらです(印象に残る)」といった感じですね。会話の途中であえて間を置くことで、次に何を言うのかな? と相手の気を引くことができるのです。

千夏さん
おお! 沈黙は使い方次第でそんな効果があるんですね……!
橋口さん
ただ使い方を間違えると、不信感を抱かれてしまいます。最初の関係構築を丁寧に行なった上で、使うことをおすすめします。僕も、「①アプローチ」と「②ヒアリング」の段階では使いません。駆け引きせず、関係構築に集中しています。

仕事・プライベートも、充実させることがかっこいい時代へ

もゆる
ここからは、オンライン営業をされている橋口さんの観点から見たコロナ禍についてお話を伺いたいです。今後、リモートで働く人も増えオンライン営業も当たり前になりつつあると思います。その中で変わったこと変わらないことはありますか
橋口さん
そうですね。以前はお客様から「訪問してくれないの? それならいいです」と嫌煙されることもあったのですが、今では断られることはなくなりましたね。オンライン営業がしやすい環境は整ってきたと思います。
もゆる
今は訪問したいと言うと逆に嫌煙されることもありますからね。
橋口さん
とはいえ、オンラインは対面と比べやりづらい部分もまだまだあります。特に通信トラブルはつきもの。画面が乱れたり、音声にタイムラグがあり会話が成り立たなかったり。課題点を考慮しつつ実施していく必要がありますね。
もゆる
そのような環境を踏まえ、With/Afterコロナの時代にオンライン営業を行う上で必要なスキルは何だと思いますか?
橋口さん
「論理的な思考力」と「建設的に話す力」が必要だと思います。オンライン営業は全てデータが残るので、感覚的にやってのけるといった誤魔化しが効きません。データに基づく振り返り・修正を繰り返し、体系立てた商談が、受注につながります。そのためのスキルアップは継続していきたいですね。
もゆる
ありがとうございます。最後に、この企画でゲストの皆さんに聞いている質問ですが、橋口さんのWith/Afterコロナ時代の #はたサバ(働き方戦略)を教えてください!
橋口さん
オンラインで仕事が完結できれば、自分の好きな場所で生き、働くことができると思うんです。僕も近い将来は、場所にとらわれずに働きたい。現在は都内で勤務していますが、地元長崎で家族と過ごしたいですし、まだあまり行ったことのない東北にも行ってみたいです。休暇でないと行けなかった場所へも、仕事をしながら滞在できたら嬉しいですよね。
もゆる
僕も「働き方実験家」と名乗り自転車で旅をしながら、場所にとらわれない働き方を以前からしてきましたが、自分らしい生き方を見出せただけでなく、仕事を一緒にする出会いがあったり生産性が上がったりと良いことがたくさんありました。この話題だけで、何時間もいけそうです……(笑)
橋口さん
これからは、仕事・プライベートどちらも、充実させることがかっこいい時代になると思います。

というのも、データのを活用をして再現性ある仕事ができるようになれば、正しい方法で努力した人がどんどん成果を出せるようになる。つまり、仕事で結果を出すことが昔と比べてそれほど難しくなくなると思うんです。

今まで仕事かプライベートか二者択一だった世界から、どちらも高い次元で実現させていくことができる世界に変わっています。そうなったとき、仕事を突き詰めることだけを自己実現とするのか、人生という括りで成し遂げたいことを追いかけるのか。僕は後者を選びたい。仕事も大切な人との時間も豊かにできる人生は、幸せだと思いますね

もゆる
(その発言自体がすでにかっこいい)
千夏さん
以前から、営業は自己実現に必要な人間力や提案力などのスキルを磨きやすい職種だと思っていのですが、改めて橋口さんの話を聞いて、その営業にオンラインを取り入れ、映像を見返したりナレッジを共有することで、より効率的に自分のスキルを磨けるなと感じました。
橋口さん
そうですね。オンラインはやった分だけ伸びるので、どういう状態が理想なのかを考えながら、多くの方が経験を積んでいって欲しいですね。
もゆる
僕もオンラインインタビューの経験をもっと積んでいきたいと思いました(笑)本日はお時間いただきありがとうございました!

 

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